元王太子の行く末
陛下のご対応は迅速なものでした。
国の未来を支える貴族の子女たちの目前で行動したこと、これを重く見た陛下は、即日に第一王子殿下の廃太子を発表、懲罰はそれに終わらず、その三日後には第一王子の廃嫡を発表されました。
その三日の間に、陛下と元第一王子は、王族である前に父と息子としてよく話し合われたと聞いています。
第二王子殿下や、二人の王子の母でもあります王妃殿下も加わって、家族水入らずでお話し合いをする時間も取られたそう。
結果、更生の期待なし。
残念ながら元王太子殿下はそのように判断されてしまいました。
廃嫡ということは、王族として失格の烙印を押されたわけです。
しかしながらさすがに平民として市井に放り出すわけにもいきませんでしょう?
廃嫡されようと生まれはこの国の第一王子なのですから、悪い人たちに利用されてもいけません。
ですから将来は、第二王子殿下の治世を陰で支える文官あたりに落ち着くのではないかということでした。
けれどもそれもずっと先のことになりそうだというお話。
これは第二王子殿下の元第一王子に対するご評価ですけれど。
「兄上は熱に魘されているみたいだ。はじめての恋をして頭がおかしくなっているのだろう」
学園の卒業パーティーで起きたという話から理解出来ないことですから、考えたところで元第一王子のお考えは理解出来ないものなのかもしれません。
私には本当に元第一王子の何もかもがよく分かりませんでした。
でももし殿下の仰るようにただ熱に魘されての行いだったとして。
『一時の熱に惑わされるようなことがないように』
これも王族としての教えですから。
元第一王子が大変な間違いを犯したことには変わりはありません。
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