夜半過ぎの相席

 さて、おでんを食べ終わった頃…。


「よぉ~、やってるかい?」

 ネクタイ鉢巻の赤ら顔のおじさんが入ってきた。


「お好きな席へどうぞぉ~。」

 おじさんはそのまま左中央側の席に入った。


「女将さん、いつものヤツ!」

「は~い。」


 お櫃からお椀にご飯を載せ、お新香を冷蔵庫から取り出す。

 芋焼酎の熱燗を準備し、隣では別のヤカンでお湯が沸かしている。


 何が出来るのか、興味津々のオレ。

 女将もおじさんもニコニコ顔。

 

 お盆に載せて出された品は…

「???」


 お茶碗より二周り大きめのお椀に半分程度ヨソワれたご飯。

 向かって、お椀の奥にはお新香が。

 お新香の隣にはお茶、お茶の手前に熱燗。


「熱燗定食?」

 オレの言葉に大笑いをするおじさん。

 女将さんも口に手をあて笑っている。


「杓子定規で こいつぁ いけねえや!」


 そう言って、おじさんは思わぬ行動にでた。


 お椀に載っかるお新香、そこへ登場するのがお茶と熱燗。

「こいつらを…。」

 お椀に注ぎ込まれるお茶と熱燗。


「ほいっ!焼酎メシの完成っと。」

 女将さんからサジを受け取り、焼酎メシをかきこみ始めるおじさん。


「シメはコイツじゃないとっ!」

 おじさんの食いっぷりに、腹の虫が鳴いてしまうオレ。


 女将さんはおもむろにアミを取り出すと、焼きおにぎりを作り始めた。



 ----------------------------

 というわけで、蜂蜜ひみつさんの企画に乗っかりました(笑


【『参考文献

  蜂蜜ひみつ

  てんとれないうらない

 第90話 杓子定規で こいつぁ いけねえや 2点

  作者了承済み』】

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る