第121話 霧島 日本を加速させる



「金はあるのでEVスタンドを全国に設置してみた。」




「なんてことを…。」






「既存のガソリンスタンドより多い3万箇所に。」






「既得権益がぶっ壊れてる。」




大学を卒業してから数ヶ月が過ぎたある日、突然ひとみに打ち明けてみた。


なんとなくエコというものに興味が惹かれる近年、何かできないことはないかと思い、考えてみた。




その結果、きっとこれからはEVカーガソリンスタンド今よりもっと普及するだろうと、誰でも考えつくようなことを思いつき、EVスタンドを設置するに至ったのだ。


その上EVスタンド設置・管理する会社まで設立して行動を起こす徹底ぶり。






ひとみからは褒められたが、呆れもされた。


するとほんの数日後にグループ関連企業が、EVカーに関する特許をいくつもぶち上げた。


これにより、EVカーの開発コストは従来の数分の一から数十分の一まで抑えられるようになり、世間は大きく湧いた。


自動車メーカー各社はEVカーの開発がメインになり、数年もすれば日本の車は殆どがEVカーになるだろうとも言われた。




この流れで重電メーカーや、自動車メーカーを始め重工業業界は、これまでも好景気あったが、空前の好景気を迎えた。


これから数十年もすれば教科書には第二次高度経済成長期と記載されるだろう。




特にこの技術を開発したメーカーは一躍業界トップに。


ちなみに、重工業関連株を買いあさっていた時に買収した中堅メーカーだ。その時に社名変更して名前は霧島重工と名付けた。


ここで得た収益をさらに開発研究費に回すことにより大規模なイノベーションが起こり始める。


のちに、時代は霧島から生まれる言われるようになる。






「もしかして知ってたの?」


と、ひとみに聞かれるが、


「いや全く。」


と答えるほかはない。




この流れを予期していたかのようなあきらの行動により、DAYSホールディングスはさらに飛躍した。


なにせ、全国のEVスタンドの総元締めになったのだ、生半可な利益ではない。






まだ20代前半にもかかわらず、あきらは燃料王や、開発王、帝王と呼ばれるようになった。




この流れで、霧島重工はまた新たなイノベーションを生み出した。




先ごろ発表した、EV関連で生み出した技術の流れから、新たな発電技術の開発だ。


流石にこれは既得権益が黙っていなかったので穏便なやり方にすることにした。


まずは持てる技術と人脈とコネを総動員して、電力会社の買収から始めることにした。




「あのね、ひとみ。


俺相談があるんだけど。」




「どうしたの?改まって。」




料理をしていた手を止めて、エプロンで手を拭きながら向かい側に座るひとみ。




「ちょっと大きい仕事始めようかと思って。」




「あら、なになに。」




「東京電力の買収。」




「っ!!!!」




「東電の買収。」




「二回言わなくてもわかるわよ。できるの?」




「できる、と思う。」




「じゃあやったらいい。」






そうして行動を始めたが、結論から言うと失敗した。


やはり半官半民の会社なので、過半数に満たない数10%の株式しか取得できなかった。




「できませんでした。」




「よく頑張りました。」






仕方ないので、霧島重工と共同で新たな電力会社を設立した。


これが大当たりして、日本中の家庭の8割は弊社の電力会社から電気を購入するようになった。


足掛け約3年の道のりだった。




最終的にはすべての電力会社を買収してやった。


この時から電王と呼ばれ始めた。






「買収できた!」




「よく頑張りました!」






もちろん、公共性の高い事業なので、会社が個人の持ち物となることがないようにさまざまなステークホルダーを絡めていると言うことは言うまでもない。






30歳にも満たない若造だが若き財界総理の誕生である。






ある日家に帰ると、真っ暗だった。




「えっ…?」


とうとうひとみが実家に帰ったか!?と思い相当慌てたが、パッと電気がついた。






「あきらくん!おめでとう!!!」




「えっなになに!」




状況がつかめずアワアワしていると仲間が現れた。


ダニエルも中村さんも、清水もみんなが祝福している。




「今日はお祝いです!!」




「な、なんの???」




「1位おめでとう!!!」




「えっなんの!?!?」




「「「「ファイブス長者番付、世界一!!!」」」」






「おぉ、おぉん。」


予想外に普通だったので微妙なリアクションになってしまった。






「リアクション薄くね?」




「もっと喜んでよ。」




「うーん。なんか思ってたのと違うなぁ。」




微妙なリアクションにみんな納得してなかったが、めでたい?ことには違いないので、盛大にお祝いした。






「霧島、次はなにすんの?」




「なにしよっか?」




世間を騒がすDAYSホールディングスの躍進はまだまだ始まったばかりだ。






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現在、こちらの作品と少し重なる部分もある作品を準備中です。

もしお楽しみいただけたら嬉しく思います。


作品公開しましたらタイトル・URLを記載しますので

ぜひ楽しみにお待ちください。

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