第19話

家に着き、荷物を運び終えたところで一服した後、料理を作っていた。






「簡単なものでいいか…。」


そう考え、手早くパスタを茹で上げ、市販のパスタソースを絡め、あっという間にディアボロ風のパスタを完成させた。






「うん、うまい。」




別にディアボロ風のパスタソースが特に好きというわけではないが、スーパーで買い物をするときにたまたま目についたため今日はディアボロ風のパスタと相成った。






ご飯を食べ終え、ゆっくりしているとひとみから連絡があった。バイトが終わったとのことである。






何でもないことなのだが、ひとみとラインをできることが嬉しくなり、今日の出来事をひとみにラインで話す。




この時間持つことができるのがとても幸せで贅沢であることを噛み締め、噛み締めながらパソコンを起動し、インターネットで自身の持つ株の推移をチェックした。




以前は朝チェックしていたが、資産が安定し始めてからは長期保管を前提とした株式売買にスタイルを変更したため、夜にチェックする方式に落ち着いた。




数日前にチェックした限りでは、総資産額でいえば約300億円だったが、今チェックしてみると、以前よりもかなり大幅に株価が上昇しており、資産額はほぼ400億円まで上昇していた。






「25%アップか・・・。まぁアメリカの個人投資家よりはまともな資産額だろ。一兆まで増えたらいよいよやばいかもしれないな。」



もはや増え過ぎた資産を考えることを放棄し、そのまま運用を続けることにした。




株価をチェックしながらひとみとトークアプリで世間話をしている時に、霧島はひとみを旅行に誘った。




霧島『旅行に行こう。夏休み。』




結城『お、いいね、どこ行く?』




霧島『夏と言ったら海でしょ。沖縄もいいけど、台風もあるし、人多いし海外とか行きたいな。』




結城『そうなると私が厳しい。』




霧島『じゃあ熱海』




結城『なんで熱海』




霧島『海かつ温泉』




結城『異議なし。』




霧島『じゃあ日にちは、テスト終わった次の日から3泊くらいでよろしい?』




結城『3泊も!?そんなお金ないよ!?』




霧島『家賃とか光熱費とか、俺クレジットカード払いにしてるんだけど、そのクレカのポイントがえぐい溜まってるからそれ使おうかなーって。


だから実質一人当たり交通費込みで3万いかないくらいかな。高速代除く。』




結城『なるほどね、てかそのポイント使ってもらうのも悪いよ。』




霧島『ほぼ一年半、溜まってることさえ知らなかったポイントだからね。


最近気づいたってことは使いなさいってことでしょ多分。』




結城『そうなのかなぁ…。


まぁあきらくんがそういうなら…。


じゃせめて高速代は私に出させて!


ETCカードは持ってるから!』




霧島『意外やな。ETCカード持ってるんや。』




結城『そうそう。口座作った時に勧められて作った。


だから任せてね!』




金銭感覚しっかりしてる子でよかったなと思いつつ、




霧島『じゃひとみにお願いしてもいい?』と伝えた。




その言葉を聞いたひとみは、「任せておきなさい、結城ひとみの経済力を舐めるなよ!」ライン上でかわいらしいスタンプと一緒に息巻いており、思わず苦笑いした。






ひとみと旅行の約束をした後どこに泊まろうかとインターネットで情報を集め始めた。




こうしてまた幸せな1日は更けてゆき、また新しい1日が始まろうとしていた。

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