第19話
車の天井を見ながら思った。車内灯が、付いている。灯ってるんじゃないですよ、付いてるんです。なんで見えるんだろう。手を伸ばしてみる。真っ赤な血潮は見えないけど、指の輪郭は見える。童謡にある紅葉のようなおてて*から、程遠くなって四十年。ゴツゴツした節まで見える。お笑いの誰だったか、『あれから五十年!』*にまだ十年あるけど。あれから四十年の手が。目が慣れた?携帯が復活したか?車のバッテリか?よく見りゃ、うっすら明るい気がする。山陰から遅い日の出が出てきたなら、陽の光が差し込んでるのか。愛車の上の土砂は、案外薄いのか。指を舐める。片側がひんやりする気がする。どうする。
※もみじ 吉村徹三作詞。知ってるけどあんまり覚えてない。
※綾小路きみまろ 「あれから40年! 爆笑! ! 傑作集! ! ! &爆笑! スペシャルライブ [DVD]」 あれから40年で正解だった。
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