第18話

誰の本だったか、「このまま縁側でうたた寝している間に一生を終えてもいいのではないか。」そんなことを真面目に考える少年の話があった。子供の考えることではないが。暗がりでうつらうつらして、目が覚めてつど、絶望的な現実に引き戻されると、なんとなくそんな気持ちもわかる気がしてきた。少年は、その後サーカスにいって子供の心を取り戻してたが、私の方はもう寝過ぎて、眠れなくなっている。夢の世界にとどまり続けるのも、才能がいるのかもしれない。

※サアカスの馬 安岡章太郎。正確には『ひなたの縁台に布団が干してあると僕はその上に寝転びながら、こうしてぽかぽかとあたたまりながら一生の月日がたってしまったらどんなにありがたいことだろうと、そんなことを本気で念願する子供だった。」だった。かなり短めの話だ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る