第12話

そろそろ次の問題が出てきた。尿意じゃない。もう一方の方だ。こればっかりは、ペットボトルにするわけにはいかない。下手にぶちまけると匂いで窒息しちまうかもしれない。酸素がなくなる前に、死んじまう。車内にありそうなものは、コーヒーの空きペットボトル。本。紙はこれでいけるか。ちょっと硬いけど。ビニール傘。これは役にたちそうにない。おう、そういえば、ジムに行くのに水着を入れっぱなしにしていた。この袋は使えるか?さてどんな体勢。うーん。とりあえず運転席はハンドルが邪魔。助手席に移動。『何日経ってるかしれないけど、我慢すればいい』と思ってる人もいるかもしれない。体質の問題だ。お尻の穴が、出すと決めたらすぐ出す。私の意思で、止められるのは数分だ。これが私の体質。こうなったからだと、二十年来の付き合いだ。ここからの状況をあまり克明に書くと不快に思われる方も多いだろう。こないだ読んだ本も、その辺は、さらりと流してあった。*なので結論だけ。なんとかうまくいった。ちゃんと袋の口も閉まって、匂い対策もバッチリだ。暗がりのなかでよくやった。

※前掲 吉村昭 「闇を裂く道」。

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