第2話

毎朝、職場に行く前に時間を潰しているこの神社。山際の崖のところ、ギリギリ2台止められる空間がある。ちょっとした隠れ家だ。朝の少しの間は、ほぼ誰も来ない。私は、そこで、いつもお茶を飲んだり、本を読んだりして過ごす。職場へ行く数十分。この時間で、職場へ行きたくない気持ちを少しリセットしてなんとか、かんとか職場へ向かう。二十年来のルーチンだ。それが、今日は裏目に出た。昨日まで降り続いた雨は。このへんの地盤をゆるくしていたのだろう。『いつかこの崖崩れるな』と思っていた。実際少し崩れていた。『まあ、地震に遭って崩れたのならしょうがない。それも運命。』なんて考えてた。はっきり言おう。実際に崩れて下敷きになったら、そんなことは思わない。運命?クソッタレだ。そんなもん。後悔で、太平洋が渡れそうだ。今のは、『後悔』と『航海』をかけてみた。*わかってもらえただろうか。

※使い古されている。おじさんは、こういうしょうもないことを言わずにいられない。

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