第3話 パイロットへの道

 留守弘美は航空大学校でパイロットを目指している24歳の男子学生である。現在は宮崎県で基礎教育を受けており集団生活の全寮制、2年間の訓練過程は宮崎、帯広、また宮崎そして故郷の仙台へと訓練地が移行していくのだ。

  

 航大はとにかく厳しい。勉強量が半端ないのだ。一般人なら全く理解不能な難解な航空理論の学習、抜き打ちの審査。審査に通らなければ再試験が行われ、不合格なら即退学とゆうまことにハードな教育機関である。集団生活で外部世界との隔絶した航大生活は学生にとてつもないストレスをもたらす。


だが仕方ないだろう。人の命を運ぶのだから、そしてパイロットとゆう高い社会的地位と待遇を手に入れることが出きるのだから当然の試練だ。


留守弘美(るすひろみ)は仙台に生まれ、大学進学とともに上京した。大学はMARCHのうちの法学部に進んだが幼少より元海軍軍人だった祖父がよく航空自衛隊松島基地に連れて行かれたこともあり、いつの間にか進路に航空自衛隊のパイロットを考えるようになった。


しかし根っからの日教組の教師である両親が反対したのだ。大体、私立文系の弘美が理系のパイロットになれる筈がない、どこかの銀行にでも就職しろとのことだった。


だが弘美は頑なにパイロットに固執した。上述したような高いステータスと報酬を得れば意中の女性も自分を一目置いて、ものに出来るだろうと考えたのだ。


そこで民間のパイロットを目指すことにして航空大学校受験を両親に具申した。学費は祖父が貸与するがパイロットになったあかつきには速やかに返済すること、もちろんなれなかった時も同様、受験に失敗したら速やかに就職することを条件に説得することができた。


受験は10倍の難関で理系科目があったが一年の浪人を経て何とか弘美は無事合格することができた。



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戦慄の仮面 つかまる @sakasa12080815

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