財布
第1話
◯高校・教室(昼)
昼休み。佐藤美香(15)、机に突っ伏
して寝ている。小林花音(15)、美香の
肩を揺さぶる。
花音「美香起きて。なんか3年生の先輩が美
香に用があるんだって」
美香、顔を上げ眠たそうに目を擦る。
美香「ん〜、誰それ?」
花音「知らない。早く行きなよ。休み時間終
わっちゃうよ」
美香、しぶしぶ立ち上がると教室のド
アの前に立っている塩野拓海(17)に話
しかける。
美香「あの〜、私が佐藤美香ですけど」
拓海「あ、君が美香さんだね。俺は君の財布
を届けに来たんだ」
拓海、ブレザーのポケットから財布を
取り出し、美香に渡す。
美香「あ〜、私の財布! ありがとうござい
ます。落としたことに全然気付いてま
せんでした」
拓海「じゃ、俺はこれで」
美香、財布を開けながら、拓海を呼
び止める。
美香「ちょっと待って下さい」
拓海「何? もしかして謝礼でもくれる
の?」
美香「……そう思ったんですけど、必要なさ
そうですね」
拓海「ははは。バレちゃったか」
財布 @hanashiro_himeka
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