いけいけ勇者様43

最上司叉

第1話

そして不死鳥の住む場所に俺たちはやってきた。


【ヒュー】


そこは自力では決して来れない山の上だった。


山の上と言ってもそこだけ何も無く開けていた。


「これは私が生きてる間に人間にお目にかかろうとは」


「喋るのか!」


「なに、不思議ではあるまい」


「すまぬのう、少し血を分けて欲しいのじゃ」


「そうか、タダでくれてやる訳にはいかぬ」


「何をすれば?」


「なに、簡単なことよ、知恵で勝つか決闘で勝つか」


どちらも一筋縄ではいかなそうだ。


少しでも勝てる見込みがある決闘を俺たちは選んだ。


「かかってくるがよい」


「いくぞ!!」


俺は不死鳥との間合いを詰めるべく不死鳥に向かい走り出した。


【ゴォー】


俺は走るのをやめて不死鳥の吐いた炎を避ける。


そこに魔王の黒い光が不死鳥に襲いかかる。


「効かぬな」


「!!」


不死鳥は魔王の攻撃を受けたがキズがあっという間に治っていく。


どうしたら勝てるんだ?俺は必死に考えていた。


不死鳥にも弱点はあるはずだ。


それがどこか分からない。


心臓か?はたまた違うところか?


俺はとりあえず不死鳥の心臓を狙うことにした。


炎を避けながら不死鳥に近づいていく。


「甘いわ」


心臓目掛けて刺しにいった瞬間不死鳥のしっぽが飛んでくる。


そこへ上から何かが不死鳥へ接近してきた。


【ドォーン】


俺は凄い風を受けた。


よく見るとそこには不死鳥の上に乗ったドラゴンの姿の女がいた。


俺は今だと思い不死鳥の心臓目掛けてトドメを刺しに行く。


そしてもう少しで不死鳥の心臓に剣が届くかという時不死鳥は降参した。


「やれやれ負けたか」


「じゃあ血は?」


「くれてやる」


「ありがとう」


俺はそう言うと容器に不死鳥の血を取り始めた。


容器はすぐに不死鳥の血でいっぱいになり俺たちは不死鳥に礼を言いすぐに家に帰っていく。


「騒がしい奴らだ」


不死鳥はそう言うと眠りについた。



【バタバタッ】


「帰ってきたみたいですね」


「そうだね」


【ガチャ】


「おかえりなさい」


「騎士団団長もう戻ってたのか」


「えぇ」


「魔法使い頼む」


「了解」


そして完成した薬を飲んで騎士団団長の奥さんは無事出産を終えた。


元気な男の赤ちゃんが生まれた。


将来は騎士団に入れようかと話してるらしい。

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