いけいけ勇者様42

最上司叉

第1話

そして俺は快方へ向かっていた。


身体を少しづつ動かしながら万全の状態へ戻していく。


【キィン】


剣の交わる音が聞こえる。


魔王は急いでその音がする方へ走っていく。


城の広場で勇者と騎士団団長が訓練していた。


それを見た魔王は慌てて声をかける。


「大丈夫なの?」


俺は声がした方へ振り向いた。


「あぁ」


俺は答えた。


魔王は心配そうだ。


「1ヶ月近く寝てたんだ、身体がなまってしょうがない」


「大丈夫です、無理はしませんから」


魔王はそれでも心配そうだ。


「少し休憩にしますか」


「あぁそうだな」


俺と騎士団団長と魔王は椅子に座りお茶を飲んだ。


「家の奥さんが身体が弱くて」


「前も言ってたな」


「えぇ、それなのに今度出産を控えてまして」


「心配」


「お医者様には命をおとす危険もあると…」


「そうか…」


「何かいい解決策があれば良いのですが…」


「…」


「さっ訓練に戻りましょうか」


「あぁそうだな」


俺は考えていた。


妊婦に体力をつける方法を。


俺は訓練を終えたあと魔王に魔法使いを連れてきて欲しいと頼んだ。


そして魔法使いが魔王と一緒に城の客間にきた。


「…難しいね」


「そうか…」


「でも手がない訳では無い」


「本当か?」


「これから言う素材を集めて欲しい」


「分かった」


「1つ目は不死鳥の血、2つ目は仙人の住む場所に咲いてる花」


「仙人の住む場所か…」


「1番高い山の上」


「あぁ」


「もう1つは不死鳥…」


「何処にいるんだろう?」


「分からない…」


「妾の出番かのう?」


「!」


慌てて後ろを振り向く。


「なんじゃ?」


「いやいい、それより不死鳥の居場所知ってるのか?」


「当たり前じゃろう、妾を誰だと思っておる」


相変わらず不思議な情報網だ。


「さてとりあえず明日出発だな」


「うん」


「不死鳥は妾より強いぞ、覚悟せい」


「あぁ分かった」


そして俺たちは準備を整え眠りについた。


そして翌朝。


俺と魔王とドラゴンの女は不死鳥の住む場所に向かった。


仙人の住む場所は騎士団団長が向かうことになった。


「こちらは任せてください」


「あぁ頼む」


「私事の為にありがとうございます」


「なに、命を救ってもらったんだこれくらい当然だ」


「ではまた」


「あぁ」

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