527 体の変化の原因に成りうる可能性のある物

 奈緒さんの指輪のサイズを答えられなかった事により。

いままのでクリスマスの経過が、俺が考えたものではなく、崇秀の考えたプランだと言う事がバレてしまった!!


そんな大ピンチを、俺は乗り越えられるか!!


……じゃなくて!!原因原因!!( ˘•ω•)੭ु⁾⁾バンバン!!


***


「怒ってます?……いや、確実に怒ってますよね。当然ッスね。しゅみません」

「あっ、別に怒ってない、怒ってないんだよ。ただ、ちょっと口惜しかっただけだから」

「えぇ、けど。それを招いたのって、結局は、俺なんッスから……」


自身の情けなさから、こんな言葉が出てしまった。


でも、ホントそうなんだよな。

そりゃあ、何もかも忘れてアメリカに行った訳じゃないから、このクリスマスの件に関して罪悪感がなかった訳じゃないんだが。

その奈緒さんへの罪悪感を感じているのであれば、その時点で、奈緒さんへのフォローを、崇秀には頼らず、なにか自分自身で考えるべきだったんじゃないか?と思う


いや、そこはそうじゃないな。

こうやって自分で考えるからこそ、本当の意味でフォローに成っていたんだと思う。


それを怠って、この有様じゃ、奈緒さんが気分を害するのも当然だよな。


ホント、なにやってんだよ俺は……


そんな凹んでいる俺を見た奈緒さんは、ため息交じりに、こんな事を言って来てくれた。



「はぁ~~~、もぉ良いよ、そういうのヤメよクラ」

「えっ?」

「ナンダカンダ言っても、仲居間さんのシナリオ通り、上手く演出されたのも事実だしさ。私が、それを楽しんだのも否めない。だったら、もぉ、それで良いじゃない」

「えっ?でも……」

「良いから、良いから」

「奈緒さん……本気で、こんな俺を許してくれちゃうんですか?」

「うん、もぉ、此処は思い切って許しちゃう!!……けど、今からは、ちゃんと自分の意思で話すんだよ。これ以上、仲居間さんに演出されるのだけは、ご勘弁願いたいもんなんだからさ」

「あっ、はいッス!!許して貰えるんなら、そこは出来る限り、頑張らせて貰います!!」

「クスッ……なにそれ」

「俺なりの良い返事ッス」


あぁ~~あっ、結局、今、笑っては貰ったものの、総体的に見れば、上手く行ってたのは最初だけ。

最終的には、いつもと同じ『奈緒さんに許して貰う形』になっちまったな。


ホント情けないやら、恥ずかしいやら。



「うんうん、確かに良い返事だね……じゃあ、良い返事をしたから、此処で、早速、質問ね」

「えぇっと、なんッスっか?」


おっ!!此処で奈緒さんが質問を投げかけてくれるって事は、俺の意見を求めてるって事だよな。


それって、挽回のチャンス。

なら此処は、変に躊躇せず、思った事を即答するしかないな。



「ねぇ、これから、どうしよっかクラ?」

「そうッスねぇ。なら此処は、まず片付けッスね」


うん!!完璧だ!!


なにをするにも、散らかしたままじゃ不味いからな。



「えっ?……」

「えっ?へっ?あれ?」

「あぁ~~あっ、もぉ折角良い雰囲気だったのに、また悪い癖が出たよ。そう言う事を言ってるんじゃないんだけどなぁ。普通、解りそうなもんなんだけどなぁ」


しっ、しまったぁ~~~!!

これは奈緒さんからの別の意味が含まれてる合図だった!!


あぁ~~~あっ、崇秀のシナリオから外れた途端、これだよ。

しかも、その失言のレベルが、日本の政治家並の失言レベルなんだから、どうしようにもないな。


だから、再度チャンスをくれぇ~~~!!


プリーズ・プリーズ!!



「あっ、あぁ、今の無しッス。冗談ッスよ冗談」

「はいはい、もぉ良いよ。君の命令通り、私は綺麗に片付けしてきますよ。はいはい、片付け片付け」

「奈緒さん、ゴメンって。今度こそ満足行く解答をするから、One more chance」

「だから、もぉ良いって。君の言葉には、もぉなにも期待してないから。だから今度は態度で示してみ」

「あぁウッス。それなら任せて下さい」

「本当に大丈夫かな、この子?」

「大丈夫ッス、大丈夫ッス。バイアグラでもなんでも飲んで、奈緒さんが満足行くまで、お付き合いしますよ」

「淫乱か私は……」


ぎゃあぁ~~!!今度は、変な方に取られた!!


けどまぁ、普通は、そう取るわな。


俺、失言連発だな、オイ。



「いやいや、そう言う意味じゃ無いんッスよ」

「はいはい。……まぁ良いや。じゃあ、ちょっとだけ期待してるよ」

「あっ、はい。勿論ッス!!」


結局、最後の最後まで奈緒さんにフォローされた。


にしても俺、女の子に、あんなセリフ吐かしちゃダメだよな。


最低だ。


……あぁでも、それはそれとしてもだな。

さっきの話の続きになるんだが、俺って、本気で奈緒さんを満足させた事ってあるのかな?


Hの件で、彼女を『壊れる程、愛した事はあっても、満足して貰えているかは不明』なんだよな。


って事はなんだぁ。

『バイアグラを飲んで満足行くまで付き合う』って話も、強ち間違いって訳でもないのかも知れんな。


うん、そうだそうだ、悪くないぞ。

これに関しては、チャレンジする価値は大にしてある筈だしな。



あぁ……けど、そうは言ってもだな。

この年で、バイアグラなんて言う無限の精力を生み出すEDの薬なんか持ってねぇし、若いからっと言っても限界がある。


今の現状で『奈緒さんを満足させる』なんて、大それた真似が俺に出来るのか?


早くも、まいったなぁ。

なんか良い手がないものだろうか?


そんな風に、なんの意味もない思考の輪に嵌りながら、タバコを吸う為にポケットに手を突っ込む。


すると、ポケットの中に、ある違和感を感じた。



「……あっ!!」


そうだ、そうだ!!

そう言やぁあ、ポケットの中には、崇秀の奴から渡された妙な薬があったな!!

それに確かアイツ『仲直りした後に、このサプリメントを使ってみろ』とか、のたまわってやがったしな。


……って事はだな。

アイツの性格から言って、これはH系の『媚薬』である可能性が高いよな。


なんて言ったって『仲直りした瞬間に、獣の様に奈緒さんに襲い掛かる』なんて言うゲスな思考があるとも考えられなくもない。


だってアイツ、そう言う類の悪戯が大好きそうだからな。


なら、行けるぞ、これ!!



勝手に俺は、崇秀から貰った薬を『媚薬』だと思い込み、後先考えずに一気に口に入れて飲み込んだ。


さてさて、どうなる事やら。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【後書き】

最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>


さぁ、とうとう原因に成り得るであろう『アメリカから戻る際に崇秀から渡された謎の薬』が登場しましたね。


ですが、仮に、その薬が原因だとしても『一夜にして性転換してしまう様な薬』なんて奇妙な物が、この世に存在するのでしょうか?


勿論、普通に考えたらあり得ない話ではあるのですが、その妙な薬を渡した相手は【崇秀】

普段からの彼の奇妙な行動を考えたら、ひょっとしたら、こんなあり得ない事すら有り得てしまうのでしょうか?


さてさて、そんな感じで次回。


薬の効果は如何に!!


……っとまぁ、次回は、その辺を書いて行きたいと思いますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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