第11話 恋愛相談
高野先輩へ
突然のお手紙申し訳ございません。
単刀直入に言います。好きです。
ウチの部にマネージャーに入って来たときから、可愛いなとは思っていたのですが、洗濯の時、僕の出した汚れたタオルを嫌がらずに触って洗濯してくれたときに本当に好きになりました。
それからはなんとか先輩と距離を詰めようと色々したのですが、どうしても上手く行ってる実感が湧きません。
なので、今回のお手紙をしたためた次第です。
僕はもちろん、先輩が巨乳判定を受けてしまった女性であることは理解してます。
この告白がどういう意味を持つのかも。
なので、いい加減な気持ちであるつもりは一切ないです。
気持ち悪いと思われたらすみません。
でも、先輩の立場を知りつつ、遊び目的で声を掛けてるような男と思われるのはどうしても嫌だったので。
……手紙の内容はそういう感じで。
私は自宅の自室で、勉強机に座りながら、スマホをビデオ通話状態にして、徹子に相談をしていた。
「……そういう感じの手紙で、これまで私を口説いてきた人とは違う感じなんだよね」
手紙の内容をそのまま読み上げるわけにはいかないので、文章の意味合いを要約した内容を徹子に伝えて、対応を相談していた。
『なるほどね。……で、アンタの気持ちはどうなの?』
「……勿体ないかも、という気持ちになってる。これ、不純かな?」
私は正直に答えた。
徹子は嫌かもしれない。
複数の男の子に気を持たせてるみたいに見えるし。
すると
『まあ、アンタの場合は余裕が無いのと、今現在狙ってる人が、そもそもお呼びでない可能性あるしね』
それに、アンタが今好きな人の設定変更して、誰が悲しむんだって話でもあるし。
アンタ1人の心の問題なんだから、非難される謂れがそもそも無いよ。
……そう、だよね……。
徹子の言葉が意外に優しくて。
私は自分の選択に自信が出てきた。
『相手がアンタがどうしてもダメだと思える人間じゃ無いなら、行ってみたら?』
「うん、そうするよ」
……徹子との相談で、明日の返答の内容が決まった。
うん。取り合えず付き合ってみよう。
私は決断した。
やってみて、イケそうなら山田くんが私の旦那さん。
ダメならまた狙いを戻す。
このとき私の頭の中でリフレインしていた言葉は……
一人口は食えぬが二人口は食えるとか。
比翼連理とか。
そんな言葉。
そういう言葉がありかなしか。
そこをしっかりチェックするのが大事なんだよね。
多分、きっと。
そう思いながら、自室のベッドに横になった。
……私の部屋……
ポスターは何枚か貼ってるけど、全部私が得意な格ゲーの持ちキャラのポスター。
本棚の中は、教科書類の他は、講習会で貰った書籍と、あとは私の好きな格ゲーの攻略本の古本だけ。
……これ、女の子の部屋じゃ無いのでは?
申し訳程度の女の子要素は、講習会で貰った書籍類だけのような。
……徹子の部屋ってどうだったかなぁ?
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