第4話 初めての視聴者さん
作者の別作品が1万ブックマーク行ったのでお祝い投稿です。
こっちもたくさんの人に読んでいただけるように頑張ります。
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:こんにちは、初見です
そのコメントをしたアカウントの名前は、サポートの皆のものではない。
本当に初めて配信の視聴者さんがやってきたのだ。
「こ、こんにちは。はじめまして。配信してます」
ええと、何を話したら良いんだろうか。
そう考えていると、配信のコメント欄ではない、いつものチャット欄の方にメッセージが届いた。
:概要欄を見て欲しいと伝えよう。それと、固定コメントに『説明は概要欄へ』って書いておけば視聴者が自発的に概要欄を見てくれるよ
そう言えば概要欄に簡単な説明を用意してたんだった。
忘れていたので、端末を操作して固定コメントに概要欄を見てほしいと書いておく。
「説明は概要欄に書いてます。それを読んで欲しい、です」
:わかりました! 読んできます!
取り敢えず読んでもらえるらしい。
:一般の視聴者さんが来たから私達はいつも通りの方に戻るね! 頑張れみつるちゃん!
「え、そうなの?」
配信のコメント欄ではなくいつものチャット欄の方に来たメッセージに思わず声を上げてしまう。
てっきりこのまま皆がコメント欄で一般の視聴者たちと話してくれるのかと思っていたのに。
:説明したよー。私達がみんないるところに視聴者が少数だと視聴者が萎縮しちゃうでしょ。
だから人がそれなりに増えるまでは私達はこっち。コメントは基本返事しなくて良いし、プレッシャーになるなら非表示にしてても良いから
がーん。
でも、言いたいことは理解できる。
サポートの皆とコメント欄で会話していると、完全にお仕事の現場だもんね。
視聴者がたくさんいるところでやったらみんな楽しんでくれるかもしれないけど、視聴者が少ないとアウェー感が強い。
そう言えば今日朝そんな説明された覚えがある。
話さなくても良いやって思っていたからあまり気にしてなかった。
:概要欄読みました。そういう設定のロールプレイですか?
配信のコメントの方にそんな言葉が見える。
設定、ロールプレイ。
それぞれの意味はわかるが、コメント全体の意図がわからない。
:深い層に潜ってるなんてありえないから、ギルド所属の探索者だっていう設定で、そういう風に演技している配信をしてるのか、っていう質問だよ。別に答えなくてもいいよ
ああ、なるほど。
一般的な探索者の平均から考えて7層以降の迷宮に潜ってるなんてありえないから、そういう風な演技をして視聴者を楽しませようとしている配信だと思われたのか。
そういうのもあるんだなあ。
「それじゃあ午後の探索に戻りますね」
取り敢えずコメント欄には反応しなくても良いって言われてるし、マッピングの続きに戻ろう。
概要欄にもコメントに答えるのが苦手なので答えないことがほとんどだと思います、ってちゃんと書いておいたし。
遺跡群の場所と森中の川や湖の位置なんかを確認しては映像におさめていく。
森が広がっているとは言え、迷宮内にも高低差はあるし崖もある。
そしてそんな崖の中でも1つ、壮大な見た目の場所が一箇所、この遺骸迷宮ボーンルインズにも存在する。
それは、崖の頂上から中腹にかけて難攻不落の砦が築かれている場所だ。
崖の側面にもいくつもの建築があり、そして崖下にもいくらか遺跡がある。
そんなとびっきりの難所を遠目に見ていると、あることに気づいた。
「あの崖の下の方の砦、洞窟ありますね」
:洞窟なんてありますか? 見えませんけど
「あの砦の崖沿いの建物の裏側に穴が開いてるみたいです。あっちの方探索するときに見に行かないとですね」
迷宮探索だと、特にああいう細かいところは見ておかないと行けないのが非常に大変なところだ。
ああいう小部屋みたいになっていたり奥まっている場所にはよく自然の転移魔法陣が設置されているのである。
ギルドが迷宮間そして地上との行き来をするために迷宮各地に設置したタイプの魔法陣ではなく、迷宮内に最初から存在する自然の魔法陣。
大抵はどこか別の迷宮に繋がるので、開拓者としては全て確認していく必要があるのである。
:ずっと歩いてますけど、モンスターとは戦わないんですか?
「このあたりはちょうど遺跡のテリトリーの境目みたいなんですよね。だからパトロールも少ないみたいで接敵しないんですよ。コレも記録しておいた方が良いかもしれません。まあまだ私の感覚レベルなので、ちゃんと調査しないと信頼出来ないですけど」
:記録? わかりました、記録しておきます
少しなりとも安全地帯がわかっていれば迷宮探索の難易度が下がるし、たとえ危機に陥ってもそういう場所に逃げ込めれば救助が間に合うこともある。
だから私もサポートの皆も、そういう場所は結構意識して探すように心がけているのだ。
まあなかなか完全な安全地帯っていうのは見つからないんだけど。
モンスターっていうのは結構どこにでも来るし、見つければ攻撃をしてくる。
それでも、モンスターの数が少ないエリアを知っていて逃げ込んで助かった、なんて話があるらしいので私達も頑張っているのだ。
迷宮探索をしている人たちには1人でも死んでほしくない。
全員を助けるような活動をしてない身で言うのは傲慢かもしれないけど、その気持は私もサポートの皆も共通して持っている。
:そろそろ良い時間だと思うけど、どうする?
「もうちょっと探索しておきたいです。入り口に戻るときは魔法かけて走れば良いし、明日は上の方の見回りなので。最低限、遺跡の位置関係ぐらいはまとめておきたいんですけど……」
:ちょっとこの迷宮は普通に探索したら半端なく広いもんね。
今しいちゃんと副長がどうするか話し合ってるところだよ
「マッピングやめる感じですか?」
:いや、もう遺跡の位置関係と距離だけまとめて、森の地形は無視しちゃうかって
「ああ、それは良いかもですね」
確かにそうしないと埒が明かない気もする。
大抵の迷宮というのは、あまり広くないエリアにモンスターの住処と緩衝地帯が入り混じっている。
例えば第1層唯一の迷宮である《洞窟迷宮ザ・ケイブ》とかなら、モンスターが出現する洞窟内の広間と、それをつなぐ通路区画があったりする。
それに対してこの迷宮は、モンスターの住処になる遺跡における密度が半端ない代わりに、緩衝地帯である森の広さも半端じゃない。
本当に無駄に広いタイプの迷宮だ。
この手の迷宮はこれまでにあと1つぐらいしか経験が無いが、その時も大分時間がかかったのを覚えている。
あの時も結局島同士の位置関係だけまとめて、それぞれの島の詳細な地形や水中まではマッピングを諦めたんだっけ。
あっちの迷宮もこの迷宮も、洞窟とかみたいにエリアが限られてるわけじゃないから活動範囲が自然と広くなってしまうのだ。
こればかりは迷宮ごとの特性なので仕方がないのだけども。
「じゃあ今日はもう切り上げても良いですか?」
:良いよ。どうせスケルトン斬って来るんでしょ? やり過ぎないように。あと無茶は禁止だよ
:あの、さっきから誰と話してるんですか?
そこでふと違和感に気づいた。
サポートから届くチャットとは別のコメントが見えている。
これって配信の方のコメント欄だよね。
そう首を傾げていると、チャットの方に追伸が入った。
:それとみつるちゃん、気づいてなかったと思うけど、さっきからちょくちょく私達と勘違いして配信の方のコメントとやり取りしてたよ
配信の方の視聴者とやり取りしてた。
配信の方の視聴者と???
やり取りしてた???
「え、ええーーー!? う、うそおおお!?」
:本当だよ。結構普通に話せてたじゃん
うええ、それはだって、いっつもチャットしてる皆だと思ってたからで。
それに今日は最初みんなが配信のコメント欄に来て会話してくれたからなんか慣れちゃって。
うわああああ……知らない人と、なんか普通に話しちゃってた。
その事実に気づいた途端に挙動不審になってしまう。
何を隠そう私は人見知りだ。
軽度なものではあるけれど。
コミュ障ではない、はずだ。
だってサポートの皆とか仕事の人とは話せるし。
昨日だって初対面の川端さんと結構話せた。
というかむしろ仕事の関係の人の方が人見知りせずに話せるかもしれない。
私は私自身に価値があってギルドに迎えられたと知っているので、そこで気が引けることはないのだ。
でも配信の、知らない相手と普通に話すというのは違うだろう。
だって相手は私にとってはお客さんだし、気にかけないといけない相手だ。
気にかけないといけない相手だと思ってしまう。
いやでも無視しても良いって言われたし。
気にしなければ放っておけたのに、一度気にしてしまうとその後忘れられない。
:どうも、概要欄に書いてあった職場の者でーす
:え?
:この子人前で話すのがあんまり得意ではないので、暖かい目で見守ってやってください
今も気づかないうちに視聴者と話してたのに気づいて混乱してるだけなので
私が悶えていると、さっきまでチャットしていたサポートの人が配信のコメント欄の方でたった1人の視聴者さんに話しかけていた。
任せてばっかりじゃなくて、私も頑張らないと。
「ええと、まだ配信っていうのに慣れてなくて、ですね。それに視聴者さんとの距離感とかがよくわかってなくて混乱しちゃいました。ごめんなさい」
それを許容して見てほしい、とか。
これから頑張っていくのでお願いします、とか。
次も見てもらう前提みたいな言葉はあまり言いたくない。
いや別に見てもらう強制力とか無いんだけど、でもつまらないし次は見ないかって思ってるところに言われると嫌だと思うので。
「それで、今からちょっと特訓がてら戦闘やります。多分凄いと思うので、是非見てください」
だから、私の一番得意なことを出していこう。
:戦闘ですか? というかそこって何層なんですか? 他の人の配信で見たこと無いんですけど
これ言って良いのかな。
でも、私の探索映像を配信するってことはそういう情報も広めて行きたいってことだよね。
「ここは第9層の《遺骸迷宮ボーンルインズ》です。多分他の人の配信じゃ出たこと無いんじゃないですかね?」
:え、え? 9層ってどういうことですか? 迷宮って6層までなんですよね?
よし、取り敢えず迷宮の基礎知識の説明をするのは後にして、まずは戦闘しているところを見せよう。
多分言葉で色々と言っても信用して貰えないはずだ。
それだけ、6層以降への探索者への忌避感は強い。
それこそ、1,2層を上層、3,4層を中層、5,6層を深層なんて呼んで、それ以降の層を無視するような表現が普通に使われるぐらいには、一般の人にとって迷宮は6層までなのだ。
:概要欄に書いてることが基本全部だよー
:いやでも、9層? そんなところあるんですか?
コメント欄では、サポートさんと視聴者さんがやり取りしてくれている。
これから配信して人がもっとくるようになるなら、やっぱり今みたいに誰かがコメント欄で手伝ってくれると助かるんだけどな。
取り敢えず迷宮の入り口付近まで移動して、そこから最寄りの砦に向かう。
上の方の層で環境が整備されてる迷宮なら別に入り口に戻らなくてもあちこちに転移用の魔法陣が設置されてるんだけど、ここはまだ未開拓エリアなので入り口に私が設置した魔法陣しか地上に帰れるのが無いのだ。
「それじゃあ、今から倒してきます」
:みつるちゃん、折角なら何相手にするか言ったら?
「え、相手? えーと、スケルトンをたくさん倒します。この迷宮はスケルトンがたくさん出るので」
:スケルトンって上層のモンスターじゃないんですか?
「ここのスケルトンは強いですよ」
私も初めてここのスケルトンを見たときはびっくりした。
でも、これこそが本物のスケルトンだとも思った。
第1層とか2層の迷宮で出るスケルトンは、劣化したモンスターだ。
死に飲まれた残骸、強者達の残り滓。
でもここにいるスケルトン達は、モンスターだけど戦士なんだ。
軍を無し、足並みを合わせて敵を踏み潰さんとする兵士。
そんな相手だからこそ、私も戦っていて満たされる。
「さあ! 殺り合おうか!!」
:この子戦闘中は人格が変わっちゃうから、驚かないようにね
門の前でウォークライを放ち、歩哨として立っていた2体を叩き斬る。
そのまま門から突入するのではなく、門の崩れている部分を足場に駆け上がり、砦の城壁の上に立つ。
特に砦と防壁の遺跡には、弓を扱うスケルトンがいる。
そいつらを反応させるために、敢えて一度城壁の上を走り回って、そして砦内の広場へと飛び降りる。
これで完全に、砦全体のスケルトンが私に対してアクティブになった。
:え、え!?!!! これ全部相手にするんですか!? 1人で!?
:ここの迷宮はこういうところだからねえ
:自殺行為ですよ!!
:まあ見てなよ、うちの秘密兵器の実力
砦系の遺跡には、先日倒したようなスケルトン・ジェネラルやスケルトン・ウィザードはいない。
一応この迷宮での単体最強戦力はスケルトン・ジェネラルだと思うので、その点は少し残念である。
だが居住施設の要素が強い城と違って、砦はまさしく軍事施設。
それを指揮する指揮官クラスのスケルトン、スケルトン・コマンドが複数いる。
そして小隊規模の指揮官がいるがゆえに、その動きも城のスケルトンとは違う。
ちなみにここの一般スケルトン歩兵は、『スケルトン精鋭兵(武器名)』という名前がつけられた。
単純だね。
まずは全面に盾を持ったスケルトンの歩兵がわずかに剣を振ることが出来る程度の隙間を開けつつ整列。
そしてその後ろに槍や両手剣など長物持ちがズラッと並び、四方から押しつぶすように私に迫ってくる。
流石にコレを完全に待ちで受け止めるのはきついので、私から攻撃を仕掛けて隊列を潰していく。
やたらと四方からペア、トリオ単位で連携しつつ攻撃してくる城のスケルトン達よりも、部隊単位で連携をとってぶつかってくるここのスケルトンたちこそ、まさしく数の力、物量の力をぶつけてくる相手だ。
それを完全に活かされては、私でも抗いようがない。
一方向の盾の壁に近づき、全力で回し蹴り。
盾を叩き斬ろうと思えば出来るが、それをやってしまうのは無粋だ。
ダメ押しで揺らいだスケルトンの盾に飛び乗るようにして乗り上がり、その奥で槍と剣を構えようとするスケルトンの首を飛ばす。
「温いぞ貴様ら!!」
:完全に別人じゃないですか……人格変わるって言っても二重人格じゃないんですよね?
:うん、ちゃんと理性もあるんだよ。ただ戦い楽しいってのが振り切っちゃうみたいで
スケルトンの密度が高い空間で剣を振るうだけのスペースを確保しつつ、切り倒したスケルトンを踏み越えて常に移動し続ける。
この砦の軍隊の優秀なのはここで、こいつらは囲んで私を殺そうとするんじゃなくて、囲んで物理的に押しつぶすぐらいのつもりで包囲し攻撃をしてくるのだ。
正直囲まれて攻撃されても剣を振る隙間さえあればどうとでもなる。
でも剣を振る隙間すら無いほど大量のモンスターに押しつぶされたらどうしようもない。
だからスケルトンの兵士が押し寄せる以上の速度で、私はスケルトンを蹴散らしていく。
時折城壁の上に陣取った弓兵から鋭い矢が跳んでくる。
私がちょうどスケルトンの剣を弾き上げ斬り伏せようとするタイミングに重ねてくるのがなんともいやらしく、だからこそ尊敬に値する。
戦というものが良くわかっているやつらだ。
私は、この遺骸迷宮ボーンルインズという場所がかなり好きだ。
探索する場所としては広くて少し嫌になるが、戦闘する場所としてはこの上ない。
強力な身体能力をを持つ非人型のモンスターや、武器を扱う強力な人型モンスターでもなく。
個では劣るこのスケルトンの軍隊が、一番武を、戦を、術を知っている。
「まだまだああ!!」
:やばくないですかこの人
:強いよねえ。何回見ても関心しちゃうよ
スケルトン・コマンドの頭蓋を貫通させ、そのまま縦に割く。
スケルトンは身体が骸骨のモンスターだ。
そのため頭蓋を潰したところで、あるいは手足を斬ったところで倒せない。
ではどうやって倒すかというと、方法は2つある。
1つは、スケルトンの核を潰すこと。大抵頭蓋か心臓のあたりに核となる結晶がある。
上の方の層の鎧をつけていない生身のスケルトンなら外から見るだけでもわかるが、ここの迷宮のやつらは鎧も兜もつけているので、実際に頭と胴体を斬ってみないとわからない。
そしてもう一つの方法は、手足や胴体などを切断して、スケルトンが死んでいなくても動けないようにして無力化することだ。
私はこの2つの方法をその時々で選んでスケルトンを倒している。
例えば盾持ちの相手は無理に胴体を狙わず、足と剣を持つ腕を破壊してしまえば動けないかかしの出来上がりだ。
逆に剣を持っているやつなんかは両腕を飛ばしてやればどれだけ動けても攻撃は出来ない。
囲まれる事自体が脅威ではあるのでそもそも仕留めてしまうのが良いけど、胴体や頭に刃を届かせるよりは前に突き出ている手首を飛ばした方が速いのだ。
そうやって斬って斬って斬りまくって。
部隊を指揮するコマンドも精鋭兵も切り倒していった結果、砦内には無数の骨が散らばっていた。
最後に城壁上の弓兵を倒して戦闘自体は終わりだが、全てのスケルトンを仕留めていたわけではないので、上半身と下半身に別れても立とうとするスケルトンとか、立ち上がれないままに盾を掲げているスケルトンもいる。
戦闘が終わって落ち着いてみると、これってちょっとした地獄絵図になるのかな。
配信の倫理規定みたいなやつに引っかからないんだろうか。
ちょっと心配になりつつ、取り敢えず未だにもぞもぞ動いているスケルトンに全部止めをさして、後にドロップした剣とか魔石、極稀に鎧の一部なんかを全部ウエストポーチに詰める。
「えと、これで戦闘は終わりです。見てくれてありがとうございました」
:いや、こちらこそ ほんとにすごかったです
「こんな感じの配信をこれからもやっていくので、良かったらまた見に来てください。毎日こんな激しく戦うとは限らないんですけど」
その日活動するエリアによって戦えるモンスターは限られるし、上の方の層だったら1人で素振りしてた方が良かったりもするし。
:また見に来ます。今日はこれで配信終わりですか?
「えーと……」
もう今日は戦うつもりは無いから後は地上に帰るだけになるけど、そういうときはどうしたら良いんだろうか。
:迷宮を出る前に配信は斬るのが一般的だよ。本当はこれから帰りますとかも言わないほうが良いよ。ファンとかアンチに出待ちされたら大変でしょ?
「ああ、そっか。じゃあ、今日は配信はここで終わりにします。ありがとうございました」
:お疲れ様でした。また見に来ます
配信を切る。
ちなみに私の場合は、配信とは別口でギルドの方に繋いでいるのでそっちの映像は残ったままだ。
:お疲れ様。結構うまくやれてたじゃん
「そう、ですかね」
:無理に楽しませようとか考えなくてもいいから。みつるちゃんの場合はね。普段の様子を配信してくれるだけで値千金だから、本当に
そういうものだろうか。
確かに自分の実力や普段探索しているエリアの情報がとても価値のあるものだというのは理解している。
けれど配信というと、どこかきらびやかなものだというイメージが自分の中にある。
今日見に来てくれたたった1人の視聴者さんは満足してくれたのだろうか。
そんなことが気になりつつ、私は転移魔法陣を使って迷宮から脱出した。
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