PLAY47 ティズとクルーザァー ③

 スナッティの低く、今までのはきはきとした明るい音色とは打って変わっての豹変した音色を聞いた誰もがぎょっと顔を引き攣らせてスナッティを見下ろし、ただただ彼女の言葉を黙って待っていた。


 否――待っていたのではない。


 スナッティの豹変を垣間見て、驚きのあまりに言葉を失ってしまったのだ。


 今までのスナッティが嘘の仮面をつけていたかのように……、化けの皮の素顔を垣間見てしまったかのように絶句してしまったのだ。


 そんな状態でもティズだけはスナッティを押し倒し、首元にダガーを突き付けている。


 その姿を見ていたメウラヴダーは息を呑む声を零し、誰よりも現実に戻るとティズの肩を掴みながら――


「おいやめろティズ!」と、注意をするようにティズを止めた。


 メウラヴダーは言う。


 内心ありえないと思いつつ、これは何かの間違いだと思いながら彼はティズに言う。


「スナッティが裏切者だなんてありえないだろうっ!? もしかしたらスナッティに似た誰かかもしれないだろう?」

「でもこいつは確かに言ったよ。自分がしたって」

「そいつを庇っている可能性だってある。第一元の顔がこれで、人類には似たような顔を持っている人間が三人もいるんだ。アバターなら決められた顔で、同じ顔を使っている奴だっているかもしれない。それを踏まえるならスナッティをすぐに犯人にするのは早まりすぎだ。少し冷静になれっ! ティズ!」

「俺は冷静だし、今の言葉聞いてなんで違うって決めつけるの? それこそおかしいよ。メウラはなんでそんなにスナッティを庇うの……? こいつ俺達のことを裏切ったんだよ? それでも許せるって言えるの? 悪いことをしたら……ダメなんじゃないの?」

「そうだが……っ! ~~~~~っっ!」


 何を言えばティズはその刃物を下ろす?


 何を言えばこの場は収まる?


 何を言えばどうなる――……?


 いくつもの言葉がメウラヴダーの脳内を支配し、先ほどの言葉も自分に言い聞かせているような言い草で、なんとも不甲斐ないような、情けないような心の弱さだ。


 と……、メウラヴダーは思った。


 我儘な子供のように言ったことを曲げないティズ。


 意外と頑固だな。と……、内心場違いなことを思いながらメウラヴダーはどうにかして宥めようとした時……。



「いや……、事実なんですけど」



 今までその光景を見ていたスナッティは、ぷっと嘲笑うように噴き出して笑いながら彼女はティズの顎に手を近付けて、そのままティズの下顎に向けて――


 ぐいっと、何かを持ち上げるように――掌を使ってティズを押し出す。


「っ!?」


 それを受けたティズは、ぎょっとしながらそれ受けて前のめりだったそれを後ろに仰け反らせる。


 メウラヴダーはそれを見て、驚いた顔をしたと同時に、後ろに倒れそうになるティズを支えながら……「おっと!」と声を出して、がっしりとした体でティズを支える。


 その光景を見た誰もが言葉を失ってその光景を見て、スナッティのその姿を見て――重な手降りかかってきた驚愕についていけないだろう。


 しかし――そんな空気を呼んでいないのか、スナッティはそっと立ち上がりながら――ぽんぽんっと背中や腰回りについたその土の埃を手で払いながら、彼女は「あーあ」と言って……。


 大きく舌打ちをしながら、頭をがりがりと掻き毟りながら――こう言った。みんなを見下すように、彼女は言った。


「てか、なんでそこまで仲間意識持ってんの? 大体このチームだって結局は寄せ集めじゃん。そこまで大切にされても、逆に大迷惑なんで。とあるアニメとかでこんな言葉言ってなかったっけ? 『仲間は所詮体たらくを隠すための隠れ蓑。結局はくだらない集まり』だって。それでいいじゃん。むしろ――大・迷・惑」


「………砂?」


 紅はあまりの豹変についていけずに、引き攣った顔をしてスナッティを見て、小さい声で聴く。


 信じたくない気持ちが大きくなっているせいで、彼女自身そう思いたくないのだろう……。


 しかしそんな彼女を見たスナッティは、小馬鹿にするようにくすっと笑い、下劣な笑みを浮かべながら彼女は――


「なに? あんたさ……。そうやって私と友達だとか、そんな高校生のような『ズッ友』とか思っていたの? 本音を言わせてもらうと……、正直ウザいし、なんで私に付きまとっているのかが理解できなかったから……、今の顔を見て正直……」


 ざまぁみろ。って、思った。


 言葉を失うような、衝撃がいくつも紅を襲う。


 それを聞いた紅は、そのまま愕然とした顔でスナッティを見上げている。そんなスナッティは対照的に、そんな紅を見ながら――いい気味と思いながら「っは」と鼻で馬鹿にするように笑うが……。


「屑な内面ですね」


 リンドーは真剣で、黒い笑みを浮かべながらスナッティを見て言う。


 それを聞いたスナッティは、「あ?」と、まるでヤクザが使うような言葉と音色でリンドーを睨みつけながら言うと、リンドーはそれを見て、苛立った笑みを浮かべながら……。


「いや……。『あ?』じゃなくてですね……。あんた一体何をしているんですかって言っているんですけど……?」

「だから情報提供するだけのバイトをしただけだって。今なんてもう九百九十万のお金が入って、あと少しで一千万なんだから。いいじゃん。


 ゲームなんだし。


 その言葉を聞いたダディエルはぴくりと眉を顰める。


 そんな彼と同時に頬を引き攣らせて、真顔の怒りをスナッティに見せつけながら――ギンロは彼女に向かって……。


「ゲームって……、そんな簡単な言葉で片づけんな」

「いやそうでしょ? だってここじゃ、ログアウト=死じゃないんだから、死んでも結局は生きることができるし。あ、でも理事長ってやつ? そいつが経営している会社の道具にされるんだっけ? でもいいんじゃね? 屑は屑らしくモルモットになってしまった方が世界は平和になるし」

「……お前、知ってんだろ? ここでログアウトにならず、本当に死んでしまうような裏技があるってことを……」

「知ってる。てかその死んでしまった第一号って――アスカでしょ?」


 さも平然と言ったその言葉に、カルバノグの誰もが煮えたぎる感情が爆発寸前になっていた。スナッティの言葉に、そのアスカのことを話しているスナッティの顔が――満面のそれであったこともあって、彼等の怒りは頂点に達していた。


 そしてそれを聞いていたティズとティティ以外の彼等は、そんなスナッティの豹変について行けずに、気が動転してしまったかのように、その光景を見ることしかできずにいる。そしてそれとは対照的に……キョウヤ、アキ、シェーラは、スナッティに対して怒りを覚えていた。


 もし、ここにハンナがいれば――きっと彼女はスナッティに対して反論するだろう。


 そんな心のない言葉を言わないで、その人がかわいそうだ。と……。


 元々優しい性格であるが故、きっと敵だったスナッティに対しても説得を試みるだろう。しかし三人はそんなことをしない。むしろしたくない。


 その気持ちが――後者の気持ちの方が勝っていた。


 なぜなら――


「てか――」


 スナッティは嘲笑いながら、アスカのことを思い出しながら、彼女は小馬鹿にするような音色で彼らを見ながら――肩を竦めてこう言った。


「あいつってさ……、ちょくちょく男をひっかけている奴だったんでしょ? ってことは今でいうところのどんな男でも受け入れる屑女ってことじゃん。あんな可愛い顔しているくせに、体と顔を使って金稼いでいる奴なんかより、こっちのほうが刑罰低くね? てきなぁ? あろうことか職場の男どもをかどわかして、戦力外な部署にいたくせにちやほやされて、死んでいいやつっていうのはあんな屑女のことをさすんだよ。気持ちわりぃし臭そうな体してるし。男に汚されている奴なんて、昔で言うところの」


「お前――それ以上はやめろ」


 スナッティの馬鹿にするような動作と言葉を聞いていたダディエルは、凄んだ音色でスナッティに向かって突き付けた。


 それを聞いたスナッティは、大きく舌打ちをしながら――


「は? 本当のことを言ったまでだし。てかなんでそんなにあんなブスを庇うの? 高卒だとだめだから? 結局大学に入ったか、女子大に入った人でないとだめなの? 男ってなんで高卒を軽蔑すんの? 高卒でもこっちは死ぬほど努力したってのに、なんでそんな顔だけいいやつの方を優先して褒めてデレデレするのか、意味わかんねぇ」


 と、己の黒い心の声を吐き捨てるようにして言う。


 それを聞いていたボルドは、おどおどとしながら「す、スナッティちゃん……?」と声をかけるが、それを聞いていたダディエルは苛立つような顔をしてから「違う」と言い――


「高卒とかそんなことは関係ねえだろうが。あとお前おかしいぞ? どうした」


 と言いかけた瞬間だった……。


 ――スナッティはそんな言葉を聞いて、ぶちりと頭の中に糸が切れたかのように……顔を歪めて、そしてそんなことを言いだしたダディエル達……、否、ここ一帯にいる人たちに向かって――彼女は……。


 己の思いやストレスを――ぶちまけた。



 ◆     ◆



「おかしいのはてめえらだろうがっっっっっっ!!」



 その張り詰めるような叫び声は、ボルド達やクルーザァー達、そしてアキ達や、近くにいたブラウーンド達にも聞こえていた。


 その声を聞いていた帝国の老人は、にやりとしわくちゃな口元を笑みで歪ませて、その光景を目に焼き付けるようにして、スナッティの行動を見ていた。更にはその場所にいた冒険者もそのスナッティの姿を見て――


「あいつは……スナッティだな」と、迷彩服の女はスナッティの怒りの形相を見ながら言う。それを聞いていた白衣の女は「けらけら」と、声に出して笑いながら――


「だよねー。そうだよねー。あたちらのパーティー『BLACK COMPANY』に情報を提供していたバロックワーズのスナッティちゃんだよねー。けらけら。すごい顔」


 と言うと、それを聞いていた筋肉質の大男は、そんな白衣の女を見下ろしながら……。


「スナッティちゃんったらぁ。あんな風に怒ると目の小じわが増えちゃうわよぉ。何度も何度も『怒るのはお体に毒』って言っているのにぃ。スナッティちゃんったらお心荒れ果ててしまっているのねぇ。いやだんっ。アタシも気を付けましょ」


 筋骨な体とは裏腹の男特有の野太い裏声に女口調。


 それを聞いた迷彩服の女は、内心それを聞きながら――


 ――なんでこいつはこんな性格なのに、こんな体格なんだ? 女アバターにした方がしっくり来たんじゃないのか……? と思ったが、口には出さずに、そのまま呑み込んで消去した。


 すると――そんな言葉を聞いていた包帯の男は……、ぎちちっと刀の柄を強く握りしめながら、彼は小さい声で……。


「んなの、どうでもいいんだよ……っ!」


 と、包帯の中から覗く血走った目でスナッティや、その近くにいる顔が整っているアキやリンドー、キョウヤや紅、シェーラを睨みつけるように凝視しながら震える声でこう言った。


「あいつら……、僕よりも整っている顔しやがって……っ! あの怪力女のせいで、こっちは顔面崩壊しちまって……、むしゃくしゃしてんだよ……っ!」


 がちがちと、刀を握りしめる手を強めながら包帯男は言う。怨恨が混じった音色で言う。


「――早く……っ! そいつ等を殺させろっ! 早く! 早くううううううううううっっっ!」

「……………………」

「まぁ」

「けらら」


 そんな包帯男を見ながら、他の三人は哀れだなと思いながら呆れていた。そして迷彩服の女は今まさにテントの陰でスナッティを見て……騙していた人物達に向かって叫んでいる光景を目にする。内容までは聞き取れないが、その顔を見ながら、迷彩柄の女はそんなスナッティを見て――ふとこんなことを思った。


 ――あいつ……、確かバロックワーズにいた女だったな。


 ――確か名前はスナッティ。どこからどう見ても、私の様に殺人の世界しか知らないような、殺人の世界でしか生きていけないような奴じゃない。


 ――普通の世界で生きているような女だ。でも……、あいつに会った時、アクロマはこんなことを言っていた……。


 ――金のために生きているって。


 ――……金こそがすべてみたいな言動だが……、なんでそこまで金とかに執着するんだろうな……。ぶっ壊れてんだろうな。きっと……。


 ――いや、壊れているのは……、私も、みんなも……、そして……。


 と思いながら、迷彩柄の女はすっと激昂しているスナッティを見て、包帯男を見ながら今まさに行われようとしている異常な光景を見ながら、彼女は女性人格の大男にこう聞いた。


「……なぁ」

「なぁに?」

「――私は……、狂っているか? それとも、間違っているか?」

「………ゆっくりと考えればいいわよ。人生はまだまだ長いんだからね。でも、答えを見つけたいのなら、すぐの方がいいかも」

「………そうだな」


 その言葉を聞いて、迷彩服の女はふっと頭を少したらして、そして上げてから、前を見据える。


 言葉など聞こえないが、スナッティの心境が読み取れるような光景を見ながら、彼らはその姿を目に焼き付ける。もうあの場所に戻れない。そんな未来を見据えているかのような目で……。


 そして――


「?」と、少し顔を顰めながらブラウーンドは背後から聞こえる雑音を聞いて、交渉の邪魔だと思いながら背後を見た瞬間、小さく小さく舌打ちをしながら……、彼は交渉している兵士長に声をかけて――


「少し……、中断したい。あれでは邪魔だ」と言う。


 それを聞いた兵士長は、首を傾げながら――


「は? はぁ……」と、そんなことあまり気にしていないのだが、と思いながら――ばさりと白衣をはためかせて、背後にいるスナッティに向かって歩みを進めるブラウーンドの背中を見る。


 兵士長は首を傾げながらどうしたのだろうかと思いながら見て、ブラウーンドは対照的に、怒りの形相――例えるならば鬼の形相で、ずんずんと、スナッティ達に向かって突き進みながら歩みを進める。


 ――見られたか。


 そんなことを思いながら、彼は歩みを進めながら、スナッティ達と一緒にいる……、アキたちに向かっていく。


 ――砂の国を浄化してしまいそうな人材共は消した。案外簡単だったんだ。今だって簡単にできる。大雑把だが食えないような性格の隊長も難なく消せたんだ。


 ――今回だって簡単に行ける。


 そう思いながら、ハンナやヘルナイト、そしてキャラバン隊長、魔女であるとある人物を思い描きながら、彼は歩みを進めて、証拠隠滅に取り掛かる……。


 こんな光景を見られてしまったのだ、消すしかない。


 己の私欲のために……。そう思いながら、ずんっと、彼は一歩、重い足を地面に踏みつけて進む……。



 ◆     ◆



「おかしいのはてめえらだろうがっっっっっっ!!」



 それから少し時間は遡り、スナッティは怒りの形相で叫んで、ダディエル達に向かって大きな声を上げて叫ぶ。


 それを聞いた誰もが、ぎょっとした顔をで驚いた顔をしてスナッティを見ていた。


 スナッティはそんな彼らの心境など無視して、己のストレスを、怒りを、そして心に貯め込んでいた黒い感情もろもろ、八つ当たり交じりになりながら彼等に向けてその感情をぶちまける。


 鬼と悪魔のハーフのような怒りの形相で、彼女は言った。




「大体私は人一倍頑張っているのに、高卒とかかわいくないとかで見下していいようにこき使ってっっ! 私はただ精一杯に働いているのに何で怠け者の赤くそが評価されるのさっ! くそむかつく死ね赤くそっっ! ブスアスカも散々苛めたのに平然と笑って、点数稼ぎしやがって……っ! 顔だけいいからって調子こきやがってっ! あんなやつ死んで当然だってっっ! こっちは癖毛のそばかすなのに、あいつはストレースでさらさらとかむかつく他ないじゃんっっ! いじめていじめていじめて職場復帰できないくらい苛めてやったってのに、なんで来るのっ! 目障りだから死んでほしかったっっ! だから情報を提供してあいつを殺した! だってうぜぇんだもんっっ! いなくなって清々しましたっっ! 死んでくれてありがとうございましたぁ! 女子大とかふざけたところに行きやがって! 顔だけいいだけの内面ゴミ駄目女が! いい死に方だったよっっ! そのおかげで報酬も弾んで大儲け! 一生遊んで暮らせるような額じゃないけど、それでもいい小遣い稼ぎになったからねぇ! くそ親とくそ妹、そしてくそ孫と離れられるような額に到達しただけでもいいかっ! っていうかみんな馬鹿でしょうがっ! この世界ゲームだから、イベントとして見ればそんなに止まなくてもいいでしょうっ? ゲームゲーム! ゲームとして客観的に見ればそれはそれでいいんだよっ! ログアウトも退場として見て、この世界のことも設定として見ないといけないんじゃないのぉっ? あれだって『あぁそう言うイベントね』って感じで見ればいいんだってっっ! バカじゃないの? 本っ当に馬鹿じゃないのっ!? そんなのイベントスキップする様に見ないふりすればいいんだってっ! っていうか……大馬鹿で思い出した。あの囮しかできないようなくそ女は本っ当に大馬鹿だねぇ!」




 どれほどスナッティの罵倒のような言葉を、彼女の黒いそれを聞いただろうか。


 それを聞いていた誰もが言葉を発さずに、そのスナッティの言葉を聞いて、ただ黙ることしかできなかった。反論くらいはできるのだができない。


 理由は簡単だ。


 スナッティのその黒い感情と心に気圧されてしまったから。


 彼女のその心は嫉妬の塊半分、そして己の過去のせいなのか、かなりねじ曲がってしまった人格。


 それのせいで、スナッティは壊れている。否――元から壊れていたのだろうか……。


 今になってすれば、そんなこと誰にも分らない。


 会話の中で垣間見た彼女の狂気に笑みや怒り、そして見下すような不釣り合いなその表情を見てしまえば更に反論などできないような空気に支配されてしまう。


 そんな中――クルーザァーはそんなスナッティの言葉を聞いて、そっと彼女を見ながら、黙ってその光景を見て、聞いて……、茫然としながらそのスナッティの姿を目に焼き付けていた。


 しかしスナッティは最後にハンナのことを思ってなのか、その彼女のことを馬鹿にしたような笑みと表情で――アキがいるその場所でこう言った。


 ぐにっと……、バイオレンスじみた恐怖の笑みを浮かべ、舌を突き出しながら彼女はハンナを馬鹿にするようにこう言った。





「――                   ?」





 その言葉を聞いたアキは、ぶわりと胸の奥から吹き上がった赤い感情をむき出しにし――スナッティをじろりと睨みつけながら彼女の話を余すことなく聞き取った。


 キョウヤも、シェーラも……、その言葉を静かに、怒りを抱えながら、彼らも余すことなくスナッティの暴君じみた言葉を聞く……。


 スナッティはそんな三人の怒りを見ていないのか、陽気に、道化のような顔で壊れてしまった笑みで彼女は続けてこう言った。

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