第179話(第五章第13話) イベント村を守り抜け1
木曜日になってイベントが始まりました。
私たち「ラッキーファインド」は、宿屋の受付さんにイベントに参加することを伝えて、イベントが開催される村へと転移してもらいます。
「それじゃあ決めた通りに」
ライザの言葉でみんな、それぞれの持ち場へと向かって行きます。
「行こっか、カラメル!」
「りゅ~!」
私はライザが連れてきてくれたカラメルと一緒に自分の担当である北へと向かいました。
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名前:セツ レベル:385(レベルアップまで23,760Exp)
職業:製霊薬師(薬師上位)
HP:1,704/1,704
MP:4,101,277,868/2,628
攻撃:2,567,893(×0.9)(×2,622.44)
防御:3,747,360,361(×2,684,355.56)
素早さ:6,084,060(×2,622.44)
器用さ:8,669,394,716(×1.1)(×2,684,355.56)
状態:全デバフ無効(上書き不可)
全バステ無効
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所持アイテム
・踏破者の証
・帰還の笛
・特大フラスコ{HP回復ポーションULT・Rank4(割合×固定)}16/16
・特大フラスコ{MP回復ポーションULT・Rank4(割合×固定)}16/16
・特大フラスコ{HP・MP回復ポーションULT・Rank4(割合)}16/16
・特大フラスコ(全状態回復薬ULT・Rank4)16/16
・特大フラスコ{HP・MP復活薬ULT・Rank4(割合)}16/16
・特大フラスコ(全デバフポーションULT・Rank4)16/16
・特大フラスコ(完全猛毒薬)1/16
・超特大フラスコ(猛毒薬ULT・Rank5)64/64
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名前:虹色プディン(カラメル)
レベル:111
HP:28,426/28,426
MP:85,258/85,258
攻撃:1
防御:71,050
素早さ:14,218
器用さ:71,050
状態:攻撃「1」固定
(完全ステータスデバフポーションの影響)
(防御・素早さ・器用さは解除済み)
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(あれからまだ時間があったので昨日のうちにカラメルのレベルを上げています)
(私はカラメルの攻撃を戻してもいいと思っているのですが、ライザやサクラさんたちが、戻したらどうなるかわからない、と怖がったため、攻撃力は「1」のまま)
(レベルを上げたことで『スケール自在』、『体内収納』、『粘質水のお裾分け』、『虹色魔石製造』を覚え、今は『スケール自在』で小さくなって私の頭の上に乗っています)
~~~~ ???視点 ~~~~
……………………。
…………。
……。
……ああ。
また生まれた。
生まれてしまった。
また最初から。
もう嫌だ。
早く楽になりたい……。
……なんで私は笑っているのだろう?
どう足掻いても七年目には死ぬのに。
どんなに頑張っても殺されるって決まってるのに。
周りにちやほやされて、活発な女の子を演じている。
そんなこと、する必要なんてどこにもないのに。
どうせ死ぬのだから。
それでも一回目の人生をなぞっているのは
――一番長く生きられるから、かな?
……ああ。
私はまだ死にたくないって思っているのか……。
……ふふっ。
笑えない……。
……。
そしてまた、この日が来た。
花畑なんて行きたくないけど、行かなくてもどうせ死ぬ。
この世界はそのようにできている。
仕方がないから村の外に出かけた。
悠長に花飾りなんてつくってバカみたい。
このあと、死ぬっていうのに。
ああ、ほら、聞こえてきた。
恐ろしい見た目をした生き物たちの声が。
私を殺す奴らの忌々しい声が。
見に行かなくったって、やっぱり殺される。
だから、見に行った。
何十、何百という集団が、私の村を攻める、という話をしていた。
……うん、知ってる。
なんでこいつら話せるんだろうね?
話せなければ、私が殺されるなんてこと……なくはならないか。
人の言葉を話せなくとも意思の疎通はできるだろう。
生き物なのだから。
私が殺されない未来があるのは、こいつらがいない世界だけなのだろう。
……そういえば、身体を鍛えて対抗しようとした人生も何回かあったなぁ。
結局、どれもダメだったが。
ある程度以上の強さになると、武神の加護持ちなんて言われるようになって、村を脅かす怪物と呼ばれる存在を退治するように言われてしまうのだ。
あれは明らかにヤバい奴だった。
目の前にいる、鍛えていない今の私ならいとも簡単に殺してしまうこいつらが雑兵と思えるほどに。
その人生で私は、一番つらい死に方をした。
あれは七歳の少女に任せることではないと本気で思う。
ならば、と鍛える強さを調整しようとしたが、怪物退治を依頼されないぎりぎりまで強さを抑えると、目の前の奴らに勝てなくなる。
数にやられる。
だからと言って、強くなって依頼を断ろうものなら村人たちが黙っていない。
身体を鍛える作戦は通用しないことを私は知ったのだったな……。
……などと、何回目かの人生のことを思い返していると、奴らに動きがあった。
動きたくない。
動きたくはないが、動かなくても結果は変わらない。
変わらないのだ……。
私は動いた。
落ちていた木の枝を踏んで音が鳴る。
奴らが私の存在に気づく。
この枝を退けていても結果は同じだ。
頭上から折れた大きめの枝が落ちてきて私に直撃したり、それに当たらない位置取りをしていても枝が落ちた音に驚いた動物が何故か私の方にぶつかりに来たり、それを避けてもあの集団が動物を追い駆けてきて私を見つけたり……。
なんの因果か、私を待っているのは死のみだった。
私は走った。
なんで逃げるんだろう、と思いながら。
生き物の本能か?
或いは、何度も繰り返したために習慣となってしまっているのか……。
無駄な行為だ。
そんな無駄なことを、私はしていた。
奴らが迫ってくる。
……ああ、また殺されるのか……。
何度経験しても、死ぬことに慣れることはなかった。
痛みに、ではない。
恐怖に、だ。
死ぬ瞬間、止まっているのか? と感じるほどに時間の流れが急激に遅くなる。
それでも、私の足は速くなったりなどしない。
回避の行動を取ることも叶わない。
早くなるのは思考の回転速度だけ。
ただただ、これから死ぬ、という時間を長々と味わわされるのだ。
その二又の尻尾で側頭部を狙われて、首の骨が折れて即死なのだから、さっさと終わればいいものを……っ。
また嫌な時間に入ってしまった――そう思っていた。
しかし。
あり得ないことが起きた。
今までの人生なら、ただ死を待つのみだった。
だが、今回の人生は――
――よくわからない生物を頭に乗せた青髪の少女が私の目の前にいきなり現れて、恐ろしい見た目の生き物を吹き飛ばしたのだ。
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