第171話(第五章第5話) 「お姉さんはどこへ向かおうとしてるの?」(セツ視点)

 手に入れた八つのレシピがこちら。


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攻撃デバフ耐性ポーション:必要素材

・攻撃デバフポーション・ヒックリカエ草・青い魔石・攻撃バフポーション


防御デバフ耐性ポーション:必要素材

・防御デバフポーション・ヒックリカエ草・黄色い魔石・防御バフポーション


素早さデバフ耐性ポーション:必要素材

・素早さデバフポーション・ヒックリカエ草・赤い魔石・素早さバフポーション


器用さデバフ耐性ポーション:必要素材

・器用さデバフポーション・ヒックリカエ草・緑の魔石・器用さバフポーション


猛毒耐性ポーション:必要素材

・猛毒薬・ヒックリカエ草・緑の魔石・HP回復ポーション


麻痺耐性ポーション:必要素材

・麻痺薬・ヒックリカエ草・赤い魔石・状態回復薬


悪心耐性ポーション:必要素材

・悪心薬・ヒックリカエ草・青い魔石・MP回復ポーション


幻惑耐性ポーション:必要素材

・幻惑薬・ヒックリカエ草・黄色い魔石・復活薬


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 全てにヒックリカエ草が必要とのこと。

 ……あれ、イベントランキング一位の報酬(実質)なのに、めちゃめちゃ重要なアイテムだったじゃないですか!

 そんなに必要になるなんて思ってなかったから増やしてなかったよね!? どうしよう……! って思わず声に出してしまっていたら、マーチちゃんが、大丈夫なの、と言ってから私の手を取って歩き出しました。


 そうして連れてこられたのは私たちのギルドハウス。

 なんで戻ってきたの? と思っていたら、ギルドハウス内にある倉庫に案内されて。

 そこには、



――大量のヒックリカエ草が……!

(しかも全て「究極の」と冠している……!)



 マーチちゃん、増やせるアイテムに制限がかけられる前に増やしてくれていたのだそうです!

 そして、品質を上げていてくれたクロ姉!

 二人には感謝しかありません……!



 ちなみにですが、宿屋の倉庫に預けていたアイテムは、ライザがこっちに運んでくれていたみたいです。

 私がこっちの世界に来られなかった間にやってくれていたようなので私は手伝うことができていません。

 なので、私がこのギルドハウス内の倉庫に入ったのは初めてでした。


 何気なく収められているアイテムを見ていると、三つの薬系アイテムが保管されているのが確認できました。


 一つは、第一回イベントの景品の「HP・MP完全回復薬」。

 あとの二つは、「完全復活薬」と「消費MP半減薬」。


「……あれ? いつゲットしたっけ?」


 私が、手に入れた記憶のないそれらを手にしながら首を傾げていると、いつの間にか倉庫にやってきていたススキさんが私の呟きを聞いていたようで、説明してくれました。


「セツさん、それらは私たちが所持していたアイテムです。前回のイベントで259位と1,059位を取りましたので、その報酬として。二人が残念ながら4,000位以内に入れなかったのですけれど……。よろしければ差し上げますよ? 私たちにできることはそれくらいしかありませんから」

「ひゃわっ!? す、ススキさん……!?」


 気づいていなかったのでとても驚いてしまいました……。


 ……ススキさんたちが持っていたアイテムもここに保管してあったんですね。

 同じギルドの仲間なので、考えてみれば当然のことでした。

 そんなことにも考えが及んでいなかったなんて、恥ずかしいです……。


 貴重なものをあげるというススキさん。

 私は申し訳ないので断ろうとしたのですが、はたと思いつきます。


「あ、あげるって、それは流石に……っ! じゃ、じゃあ、一回ポーチに仕舞ってもいいですか? それだけでいいので!」

「仕舞うだけ? 受け取っていただいてもいいのですが……」


 『霊薬製造』のスキルを発動させることを。


 許可をもらえたので仕舞ってみると。


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完全復活薬:必要素材

・復活薬・MP回復ポーション・コエ草×2


消費MP半減薬

・聖水・MP回復ポーション・悪心耐性ポーション・コエ草


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 やりました!

 レシピ、ゲットです!

(ちなみに「HP・MP完全回復薬」のレシピも手に入れています)

(必要素材は、HP回復ポーション、MP回復ポーション、コエ草×2)


 「コエ草」というものは手に入れられていないのでまだつくれませんが、今度ライザに聞いてみましょう。

 ……あっ、アイテムはススキさんにお返ししました。



 つくれるアイテムも増やせましたし、『製薬』に取り掛かりましょう!


 まずは素材となるポーションをつくるところから。

 制限をかけられる前にマーチちゃんが品質のいいものを大量につくってくれていたため、バフポーション各種とデバフポーション各種、それにバステ付与ポーション各種、回復薬各種をレジェンドレベル3の品質でつくることができました。

(他の素材がレジェンドクラスで、魔石はレジェンドレベル2以上のものを使用したため、つくったアイテムがレジェンドレベル2クラスのものになったのだと思われます)

(ギルドハウス内でつくっているので、つくったアイテムの品質は「+1」されています)

(『霊薬製造』は、素材さえよければレジェンドレベル2以上のアイテムをつくれるみたいです)


 それらをもとに、耐性ポーションの作成へ。

 素材となる二種類のポーションがどちらもレジェンドレベル3で、魔石にレジェンドレベル6のものを使用したら、レジェンドレベル4の耐性ポーションが出来上がりました。

 効果は、表記されているデバフまたは状態異常を16,384%の確率でレジストできる、というもの。

 もうほとんど「無効」にできるといっても過言ではないかもしれません。

 ただ、このゲーム、「無効」と「耐性」は違うんですよね……。

 「耐性」は下げることが可能みたいですし……。

 「耐性」を無視してデバフや状態異常をかけてくる敵が今後現れるかもしれません。

 どうしたら完璧になるかな……? と考えていたら、閃きました。



――耐性ポーションをULT化したらどうなるのか?



 と。


 気になったので試してみることに。

 MP回復ポーションL(Lv:6)を飲んでMPを「595,293」にします。

 レジェンドレベル4の薬品ならMP「524,288」でULT化できるそうなので、攻撃デバフ耐性ポーションをULT品質にしてみました。

 結果は――


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攻撃デバフ無効化ポーション(ULT)

……攻撃のデバフを無効化する。

  有効期限なし。

  使用期限なし。


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 無効化ポーション!?

 すごいものができてしまいました……!


 「Rank」を上げたら、上書きまで対応してくれるようになって。



 気づいたらこんな感じに……。


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名前:セツ      レベル:32(レベルアップまで90Exp)

職業:製霊薬師(薬師上位)

HP:150/150

MP:632,709/227

攻撃:235,075(×0.9)(×2,622.44)

防御:336,081,316(×2,684,355.56)

素早さ:529,732(×2,622.44)

器用さ:254(×1.1)


状態:全デバフ無効(上書き不可)

   全バステ無効


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(攻撃・防御・素早さも戻しました)


 マーチちゃんに言われてしまいました。


「……お姉さんはどこへ向かおうとしてるの? 何になりたいの?」


 と。

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