第144話(第四章特別編1) ギフテッドライブの時間1/2
【※本日二話公開!】
【これはセツがULTポーションをつくるのに没頭していた時のお話】
~~~~ ゲーム内動画配信サービスにて ~~~~
「さあ、始まりました! 六月二十二日! ギフテッドライブの時間です! 司会進行は
「解説は同じくギフテッド・オンライン広報部のオトギリちゃんが務めちゃいますよぅ!」
(ギオクレー)
「いやあ、第二回イベントも白熱しましたねぇ!」
(オトギリ)
「そぉですねっ! 大盛り上がりでした! その順位がこちらになってまーすっ!」
『1位ライザ(ファーマー) 9分10秒
2位P(真のギフテッドマスター) 16分40秒
3位クロノス(ギフテッドの旅団) 37分12秒
4位クロ(ファーマー) 1時間04分10秒
5位シニガミ 1時間14分04秒
6位ハーデス(ギフテッドの旅団) 1時間19分31秒
7位ロード・スペード(MARK4) 2時間08分20秒
8位キンジン(プディン帝国) 2時間09分37秒
9位マーチ(ファーマー) 2時間50分30秒
10位ジオ(ベータテスターの集い) 3時間25分45秒』
(ギオクレー)
「何度見てもぶっ飛んでいるな……。……ごほん! えー、なんなんですかね、このタイム! 100階ダンジョンを踏破するイベントですよ!? ボスもかなり強く設定されていると聞いていましたが、これは驚きです!」
(オトギリ)
「そぉなんですよぅ! しかも、トップ10に至っては最初の中間発表から順位が変動していないときてます! 本当にすごい人たちですねっ!」
(ギオクレー)
「今回の放送は、そんなすごい人たちがどのようにしてEダンジョン100階を踏破したのか、その様子を皆様にご覧いただく予定となっております! オトギリちゃん、そうですよね?」
(オトギリ)
「はぁい! 私のスキル『心の目で見れば』で撮影した上位の方たちのダンジョン攻略の様子を映し出しますねぇ? まずは10位のジオさんから! 私も見るのは初めてなので楽しみですぅ!」
(ギオクレー)
「なお、この放送はギフテッド・オンラインの世界でしか閲覧できないように設定されております。顔出しがされる場合がございますが、リアルに漏れる心配はございませんのでご安心ください」
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(オトギリ)
「ジオさん、スキルで地面や壁を動かして攻略していますねっ! それでスイッチや鍵、暗証番号を入力するといった手間を省いているみたいです!」
(ギオクレー)
「なるほど! いや、ちゃんと攻略しろよ! ってツッコみたくなるんですがっ!」
(オトギリ)
「ボス戦にもそのスキルを活用しているみたいです! ボスを地面に埋めたり壁で挟んだりして大きなダメージを与えていました! 自身が地面の下や壁の中に隠れることで、相手からの攻撃も避けていますねっ!」
(ギオクレー)
「どうやらまともにやっていてはいい順位は取れないようです」
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(オトギリ)
「続いては9位のマーチさんですね!」
(ギオクレー)
「……え? この人、商人ですよね? 生産職なのにトップ10に入れてるんですか!?」
(オトギリ)
「あっ、本当です。バッグ背負ってる……。……え? は? スパルトン、一撃で屠ったんだけど!? レベル1になってるはずなのに!?」
(ギオクレー)
「いや、商人とは思えない速度で上がっていくんだが!? 敵も一撃で倒しているし、どうなっているんだ!?」
(オトギリ)
「スキル、だと思いうけど、全っ然わかんない! 敵を倒してるのはレベルを上げのため? ……はぁ!? なんか飛ばして敵倒した!? 何、あの装備!?」
(ギオクレー)
「わけのわからないプレイヤーだな……ん? パーティ名『ファーマー』……っ!? おい、オトギリ! この人、あの『ファーマー』のメンバーだぞ!」
(オトギリ)
「『ファーマー』!? それって前回のイベントで一位だった!? 今、とある掲示板でちょっと話題になってる、あの!?」
(ギオクレー)
「……どうでもいいがオトギリ、キャラ壊れてるぞ?」
(オトギリ)
「……あなたもね」
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(オトギリ)
「さあさあ、次は8位のキンジンさんです!」
(ギオクレー)
「今さらキャラを戻してももう遅いと思うが……。キンジンさんか。確か、このプレイヤーはうちのお得意さんだったな」
(オトギリ)
「そうです! 『課金アイテムの効果四倍』のスキルを持っていますので、今回も貢いでくれちゃっています! ありがとうございますっ! そんなキンジンさんは、最高級のイベント特攻装備でガチガチに固めて挑んでいます! 頭防具はEダンジョンの地図と攻略のヒントが出るゴーグルです! 正直、課金装備着けて走ってるだけなので見どころがありません! 次!」
(ギオクレー)
「……キンジン、憐れ……」
(オトギリ)
「さて、7位のロード・スペードさんです! この人はスキルで壁を壊しながら進んでいますねっ! なんという脳筋なプレイスタイルなんでしょう! 『運営』が知ったら泣きますよ、これ!」
(ギオクレー)
「ボスも別のスキルで切り裂いて倒したな……。まるで、自分の進行の邪魔をする者はなんであろうと切り捨てる、とでも言っているかのようだ……」
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(オトギリ)
「6位はハーデスさんです! この人、召喚タイプの魔術師に就いていますね。倒したスパルトンを使役して、数の暴力で攻略して行っています!」
(ギオクレー)
「何!? 壁をすり抜けただと……!?」
(オトギリ)
「そういうスキルも持っているみたいですね!」
(ギオクレー)
「ギミックはすり抜けでスルー。召喚タイプだから支配下に治めたものを呼び寄せられて、ボス戦も集めてきたスパルトンで総攻撃、か。今回のイベントに一番適しているスキルを持ってるといっても過言ではないと思うが、うーん……」
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(オトギリ)
「きました! シニガミ様! 実質1位! 素敵です!」
(ギオクレー)
「おい、オトギリ。ミタマだからって贔屓をするな。ちゃんとやれ」
(オトギリ)
「……ちっ! シニガミ様には『黒粒子化』というスキルがあり、それはシニガミ様が指定した対象を消滅させることができるスキルです! なので、ギミックもボスもシニガミ様にかかればなんのその! ほんと、シニガミ様最強! なのに1位になれないなんて、1位から4位はどんなせこい手を使ってるの、あん!?」
(ギオクレー)
「……そもそもシニガミのやり方もアウトだと思うがな」
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