第58話(第二章第16話) 久しぶりのアレ

『レベルアップしました』

『レベルアップしました』


 ここに来て二つもレベルが上がりました。

 紺碧錫玉こんぺきしゃくぎょくプディン、強すぎでしょ……。


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名前:セツ     レベル:62(レベルアップまで8Exp)

職業:薬師(生産系)

HP:78/78

MP:160/117(+1)

攻撃:140,038(×2,622.44)

防御:176,630,595(×2,684,355.56)

素早さ:107(×1.04)

器用さ:127


装備:『寒熱対策のローブ』

   『防塵ゴーグル』

   『魔力のペンダント』

   『速さの白い靴』


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 このボス連戦を始めてから30近くレベルが上がっています。


 そして、かなりの数のモンスターを倒しているので魔石も集まりました!

 緑のE魔石が16,400個増えて16,632個に。

 錫のE魔石が1,080個増えて1,236個に。

 青錫のE魔石が56個増えて63個に。

 最後に紺碧錫玉E魔石が四個に。


 アイテムはこんな感じになりました。


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セツの所持アイテム一覧

・帰還の笛

・特大フラスコ(聖水)16/16

・特大フラスコ(聖水)16/16

・特大フラスコ(聖水)13/16

・特大フラスコ(MP回復ポーションL Lv:4)15/16

・特大フラスコ(猛毒薬L Lv:4)15/16

・特大フラスコ(紺碧錫玉プディンの粘質水)4/16

・特大フラスコ(青錫プディンの粘質水)16/16

・特大フラスコ(青錫プディンの粘質水)16/16

・特大フラスコ(青錫プディンの粘質水)16/16

・特大フラスコ(青錫プディンの粘質水)8/16

・特大フラスコ(空)0/16

・特大フラスコ(空)0/16

・特大フラスコ(空)0/16

・フラスコ(空)

・緑の魔石×55

・赤い魔石×54

・青い魔石×74

・黄色い魔石×203

・黄金の魔石×52

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・緑のE魔石×9,999

・緑のE魔石×6,633

・錫のE魔石×1,236

・青錫のE魔石×63

・紺碧錫玉E魔石×4

(1ページ目へ)

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 青錫プディンの粘質水と紺碧錫玉プディンの粘質水は集められるだけ集めています。

 あと、ポーチに入れた時にスタックされる魔石ですが、「×9,999」を超えると二枠目が必要になるようです。

 これを知ることができたのは大きな成果かもしれません。

 持てるアイテム枠を特大フラスコ(空)で埋めて来ていたら折角倒したのに魔石が持てなくなっているところでした。

 よかったぁ……。



 ドロップ品をかき集めたことでゲートが開いたため、私はボス部屋をあとにしようとしました。

 その時です。



――ゴトッ



「っ!?」


 こ、この音は……!?

 長らく聞いていなかったのですっかり忘れていました。

 ですが、この響きは私に高揚感を覚えさせます。

 聞き間違いかもしれない、と恐る恐る振り返って見るとそこには――



――あの宝石のようなプディンみたいな色をした宝箱が。



「た、宝箱!」


 聞き間違いではありませんでした!

 レアドロップである宝箱が確かにそこに存在していたのです。


「えっと、えっと……! 何を手に入れたら……!?」


 宝箱に近寄っていった私ですが、この展開になることをまったく予期していなかったためにほしいものが急には思い浮かびません。

 宝箱に手を掛けたまま止まっていると、『声さん』のアドバイスが入ります。


『私のお勧めは「とうはしゃのあかし」になります。いかがなさいますか?』


 私が決められないでいるのを察して助言をしてくれたのでしょう。

 「とうはしゃのあかし」というものがどういうものなのかわかりませんが、『声さん』がお勧めするものは私の冒険の役に立つものだと思います。

 『帰還の笛』もすごく便利なアイテムでしたし。

 なので、私は、


「わかりました! それをください!」


 『声さん』がお勧めする『とうはしゃのあかし』をもらうことにしました。



 『声さん』、本当に適確だと思います。


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踏破者の証――ダンジョン外で使うことができるアイテム。

       行ったことがある街まで転移できる(層を移動できる)。

       使用してもなくならない。


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 これを使用すれば「始まりの街」から「カラカラの街」まで一瞬で移動できるとのこと。

 「カラカラの街」から「始まりの街」までは第一層の最難関ダンジョンの最上階へと続くゲートをくぐって『帰還の笛』を使えばすぐに戻れるのです。

 ですがその逆は、エリアボスとは戦わなくていいものの第二層に行くにはそのたびに第一層の最難関ダンジョンを上らなければならず、一時間半ほどかかっていました。

 『踏破者の証』は、その時間を冒険の時間に当てられる最高のアイテムです!



 やっぱり素晴らしいです、宝箱!

 私は宝箱の魅力にとりつかれていました。


 次のボス戦を行うと、相手は緑プディン合計八十体になるでしょうか?

 今までの流れでいくと、そうなのではないか、と思います。

 緑プディン自体はそれほど早くないのでそれだけの数が同時に出てこなければどうにかなる気がするのですが、問題は青錫プディンと、さっき戦った紺碧錫玉プディンなんですよね……。

 あのプディンたちが増えるのは勘弁してもらいたいです。

 少ない数でも対応するのに悪戦苦闘したわけですから……。

 ……それでも、宝箱はほしくて。


「……やる! 宝箱で手に入るものがあれば薬師がもっと輝けるかもしれないし……っ!」


 私は意を決しました。

 どれだけの緑プディンや錫プディン、青錫プディンの大群が現れても全てを投げる、と。

 紺碧錫玉プディンには猛毒薬で対処する、と。



 そうして、覚悟を持って挑んだ百二十六回目のボス戦。

 現れたのは、



――緑プディン五体。



「……え? ご、五体……?」


 ここに来て、まさかの激減です。

 何かの罠なのではないか、と思って細心の注意を払って倒しました。

 追加のモンスターが現れることはなく、ゲートが再び封鎖されることもなく……。

 百二十六回目のボス戦は終了しました。


「お、終わり? ほんとに……?」


 何か腑に落ちないものを感じながら、私は次の戦いの準備を行いました。



 ログアウトしてまたログインして、百二十七回目。

 またしても緑プディン五体。


「ええ……? どうなってるの?」


 私は困惑しました。

 油断したところを襲う作戦なのかも! と考えたのですが、百二十七回目のボス戦も追加で現れるモンスターはなく、開いたゲートがまた塞がることもなく。


 それが百二十八回目、百二十九回目と続いたのです。

 ……これ、百二十五回目のボス戦が終わって、一回ダンジョンを出たのと同じ扱いになったということなのでしょうか?

 その可能性はあるかもしれません。

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