第53話(第二章第11話) マーチが宿屋でやったこと
「HPが足りない……!」
今回のミスでそういう結論に至った私は回復草と通常プディンの粘質水を求めて第一層へと戻りました。
そして、「第一層草原エリアダンジョン1・リスセフ平原」にやってきて早六時間。
「……いない!」
ハート型の赤い実をつけた植物・回復草は採取できたのですが、通常プディンとは出会うことはなく……。
……通常プディンとはとことん縁のない私です。
②の十八時になり、第二層に戻るのにも時間が必要ですから私は泣く泣く切り上げて帰ることにしました。
……………………
②の十九時半に私は第二層まで戻ってきていました。
マーチちゃんに連絡をしたら、もう少しで部屋を出る、とのことでしたから、私はカラカラの街の宿屋の受付でアイテムの整理をして待つことにしました。
というのも、七、八時間前にとっさの思い付きで第一層に帰って、またダンジョンに行ってから手持ちのアイテムがいっぱいであることを知って適当に倉庫に詰め込んでいたので。
あのボスとの連戦で獲得したアイテムは緑のE魔石が1,538個、錫のE魔石が百個、青錫のE魔石が四個。
錫プディンの粘質水が百個分あるけど、たぶんこんなにいらない、かな?
あと、青錫プディンの粘質水が四個分。
倉庫の中の必要なものとそうでないものを分けようとして確認したら少し不思議なことが起こっていました。
========
倉庫内のアイテム一覧(177/400)
・帰還の笛×1
・帰還の笛×1
・帰還の笛×1
・特大フラスコ(
・特大フラスコ(青錫プディンの粘質水)4/16
・特大フラスコ(
・特大フラスコ(錫プディンの粘質水)16/16
・特大フラスコ(錫プディンの粘質水)16/16
・特大フラスコ(錫プディンの粘質水)16/16
・特大フラスコ(錫プディンの粘質水)16/16
・特大フラスコ(錫プディンの粘質水)16/16
・特大フラスコ(錫プディンの粘質水)16/16
・特大フラスコ(錫プディンの粘質水)16/16
・特大フラスコ(錫プディンの粘質水)16/16
・特大フラスコ(錫プディンの粘質水)16/16
・特大フラスコ(錫プディンの粘質水)8/16
・特大フラスコ(錫プディンの粘質水)4/16
・特大フラスコ(緑プディンの粘質水)16/16
・特大フラスコ(緑プディンの粘質水)16/16
・特大フラスコ(緑プディンの粘質水)16/16
・特大フラスコ(緑プディンの粘質水)16/16
・特大フラスコ(緑プディンの粘質水)16/16
・特大フラスコ(赤プディンの粘質水)3/16
・特大フラスコ(青プディンの粘質水)2/16
・特大フラスコ(黄プディンの粘質水)5/16
・特大フラスコ(MP回復ポーションL)16/16
・特大フラスコ(MP回復ポーションE)16/16
・特大フラスコ(MP回復ポーションR)16/16
・特大フラスコ(MP回復ポーションC)16/16
・特大フラスコ(猛毒薬L Lv:3)1/16
・特大フラスコ(猛毒薬L)16/16
・特大フラスコ(猛毒薬E)16/16
・特大フラスコ(猛毒薬R)16/16
・特大フラスコ(猛毒薬C)16/16
・特大フラスコ(空)0/16
・特大フラスコ(空)0/16
・特大フラスコ(空)0/16
・特大フラスコ(空)0/16
・特大フラスコ(空)0/16
・特大フラスコ(空)0/16
・特大フラスコ(空)0/16
・特大フラスコ(空)0/16
・特大フラスコ(空)0/16
・特大フラスコ(空)0/16
・特大フラスコ(空)0/16
・特大フラスコ(空)0/16
・特大フラスコ(空)0/16
・特大フラスコ(空)0/16
・特大フラスコ(空)0/16
・特大フラスコ(空)0/16
・特大フラスコ(空)0/16
・特大フラスコ(空)0/16
・特大フラスコ(空)0/16
・特大フラスコ(空)0/16
・特大フラスコ(空)0/16
・特大フラスコ(空)0/16
・特大フラスコ(空)0/16
・フラスコ(攻撃バフポーションL Lv:3)
・フラスコ(攻撃デバフポーションL Lv:4)
・フラスコ(攻撃デバフポーションL Lv:4)
・フラスコ(麻痺薬)
・ビン(プディンの粘質水)
・回復草
・MP回復草
・MP回復草
・MP回復草
・
・
・
・ツヨ草
・ツヨ草
・ツヨ草
・ヨワ草
・ヨワ草
・カタ草
・カタ草
・カタ草
・カタ草
・カタ草
・猛毒草
・猛毒草
・猛毒草
・猛毒草
・猛毒草
・黒金の魔石×4
・
・
・
========
MP回復草が大量に預けられていました。
数えるのに苦労したんですけど、なんとか数えました。
九十八です。
あと帰還の笛とか、MP回復ポーションや猛毒薬が入った特大フラスコも預けられていて……。
これやったの、マーチちゃんですよね?
彼女は何をやっているのでしょうか?
とりあえず、採取してきた回復草(二十五個)を預け、四個分ずつ入っていた青錫プディンの粘質水と、八個分と四個分に分けられていた錫プディンの粘質水を纏めておきます。
空になった特大フラスコも預けて、と。
……あっ。
倉庫内にあったもう一つの不名誉な名称をつけられたポーションが私の目に留まりました。
猛毒薬以外の攻撃手段になるかもしれません。
一応、取り出しておきましょう。
そして1,538個の緑のE魔石をポイントに変換して、現在のポイントを知らされた時、私は固まりました。
パーティ名:未設定(セツ・マーチのパーティ)――66,484ポイント
ふぇ!?
60,000ポイントも増えてる!?
パーティは私とマーチちゃんの二人ですから、このポイントはマーチちゃんが増やしたということになるはずですけど……。
いったい、どうやって増やしたのでしょう?
私が交換した時には魔石一つで1ポイントだったような……?
私が困惑していると、泊まる部屋へと続く通路からマーチちゃんがやってきました。
「あっ、お姉さん! もうちょっと待っててなの。すぐに済ませるの」
そう言って、受付で魔石をポイントに変換するマーチちゃん。
所持アイテムの一覧は他のプレイヤーが見ることはできませんが、パーティを組んでいれば例外的に見ることができます。
彼女は青錫のE魔石をポイントに替えていました。
それも、333個の青錫のE魔石を。
私は思い出しました。
最初の青錫プディンとの対戦のあと、青錫のE魔石をマーチちゃんに渡してそのままであったことを。
そのE魔石をマーチちゃんは彼女のスキルで増やしたんだ、と私は察しました。
333個のE魔石がポイントに変えられて現在のポイントが「72,812」に。
「あ、あれ!? 魔石一個で1ポイントじゃないの!?」
驚いて、私は思わず声を上げてしまいました。
私の疑問にマーチちゃんが答えます。
「お姉さん、このゲームで青錫は緑の二つ上のランクなの。一個で16ポイントになる、かな?」
「ええっ!?」
そ、そういえば、青錫と同じランクと思われる黒金の魔石は買取価格が他の魔石よりも高かったような……。
緑のE魔石しかポイントに替えていなかったので、魔石の種類によってポイントが違うなんて私は知りませんでした……。
っていうか!
イベントをマーチちゃんだけに任せっきりになっているのでは!?
私、2,500ポイントくらいしか稼いでないよ!?
でも、ボスと戦って稼ごうにも持てる猛毒薬には限りがあるし……。
……これは、「これ」に頼らざるを得ないのでは?
私は先ほど倉庫から出したものを見つめました。
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