第50話(第二章第8話) 不名誉な名称のポーション
帰還の笛を使ってカラカラの街まで戻った私たち。
マーチちゃんは試したいことがあると言って宿屋に向かったため、ここからは別行動です。
私は早速、素材を入手しにいこうとしましたが、手持ちにあまり余裕がなかったことを思い出して整理をしてからダンジョンに行くことしました。
宿屋の受付に行って、青錫プディンの粘質水が入った特大フラスコ一つ、錫プディンの粘質水が入ったフラスコ四つ、緑プディンの粘質水が入ったフラスコ五つを倉庫に預けます。
ちなみにですが、倉庫を借りられるのはゲーム内時間で一カ月であるため、現実の時間に換算すると一週間になります。
私が倉庫を借りたのは結構前になりますが、倉庫はパーティで共有なので、決闘の日、それが行われる前にマーチちゃんが倉庫を継続して借りられるようにしてくれていました。
倉庫に保管してあるものを確認してみると、結構同じもので圧迫されているような印象を受けます。
空の特大フラスコを八個も持っていたので纏めて置くことにしました。
倉庫内の整理、完了です!
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倉庫内のアイテム一覧(36/400)
・特大フラスコ(
・特大フラスコ(
・特大フラスコ(錫プディンの粘質水)16/16
・特大フラスコ(錫プディンの粘質水)16/16
・特大フラスコ(錫プディンの粘質水)16/16
・特大フラスコ(錫プディンの粘質水)8/16
・特大フラスコ(緑プディンの粘質水)16/16
・特大フラスコ(緑プディンの粘質水)16/16
・特大フラスコ(緑プディンの粘質水)16/16
・特大フラスコ(緑プディンの粘質水)16/16
・特大フラスコ(緑プディンの粘質水)16/16
・特大フラスコ(赤プディンの粘質水)3/16
・特大フラスコ(青プディンの粘質水)3/16
・特大フラスコ(黄プディンの粘質水)5/16
・特大フラスコ(空)0/16
・特大フラスコ(空)0/16
・特大フラスコ(空)0/16
・特大フラスコ(空)0/16
・特大フラスコ(空)0/16
・フラスコ(攻撃バフポーションL Lv:3)
・フラスコ(攻撃デバフポーションL Lv:4)
・フラスコ(攻撃デバフポーションL Lv:4)
・フラスコ(麻痺薬)
・ビン(プディンの粘質水)
・回復草
・ツヨ草
・ツヨ草
・ツヨ草
・ヨワ草
・ヨワ草
・猛毒草
・猛毒草
・猛毒草
・猛毒草
・猛毒草
・黒金の魔石×4
・
・
・
・
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空のフラスコが大量に出たので次は道具屋さんへ。
本当はマーチちゃんに売ってもらった方がいいんでしょうけど、彼女は今忙しいみたいなので私の方でやっちゃいましょう。
空のフラスコ十五個と、かなり補充できたので売ってしまってもいいかなと判断した緑プディンの粘質水が入ったフラスコ(特大ではないよ)四つをお金に替えます。
5,720Gになりました。
セツ:所持金81,720G
……あっ。
緑のE魔石をポイントに変換してこないと……!
私はまた宿屋の受付へと向かいました。
……要領悪いですね、私……。
パーティ名:未設定(セツ・マーチのパーティ)――1,010ポイント
緑のE魔石を全てポイントに替えて、一個が1ポイントであることを確認しました。
錫のE魔石と青錫のE魔石はまだ持っておきます。
念のため。
これで持ち物も整理できました。
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セツの所持アイテム一覧
・帰還の笛
・特大フラスコ(聖水)16/16
・特大フラスコ(聖水)16/16
・特大フラスコ(聖水)16/16
・特大フラスコ(MP回復ポーションL Lv:4)16/16
・特大フラスコ(猛毒薬L Lv:4)16/16
・特大フラスコ(猛毒薬L Lv:4)15/16
・特大フラスコ(猛毒薬L Lv:3)2/16
・緑の魔石×55
・赤い魔石×54
・青い魔石×78
・黄色い魔石×203
・黄金の魔石×52
・錫のE魔石×56
・青錫のE魔石×3
・
・
・
・
・
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時刻は②の七時ちょっと過ぎ。
……あれだけやってもまだ七時間しか経っていないんですね。
現実では二時間もやっていないことになります。
ちょっと現実に戻ってのんびりしたかったんですけど、イベントで上位を取るならもうちょっとやっておいた方がいいのかもしれません。
というわけで、ダンジョンに向かいましょう。
……………………
私が訪れたのは「第二層・砂漠エリアダンジョン2タチシェスサボテンパーク」という砂とサボテンのダンジョンです。
ここにはカタ草という植物が生えていると図書館で調べものをしていた時に知りました。
今回の目当てはこれです。
ダンジョンに入る前、MP回復草を取りに「砂漠エリアダンジョン1・アホクビ砂丘」へ行った時のことを私は思い出しました。
そのダンジョンの暑さの所為か、MP回復草が「だったもの」になってしまっていたことを。
ここも砂漠エリアですので、カタ草が「だったもの」になってしまってはたまりません……!
私は焦ってカタ草を採取しに向かいました。
タチシェスの群に見つかって取り囲まれ、そこからなんとか脱け出しながら。
そうして見つけたタチシェスをデフォルメしたような青い実をつけたカタ草は「だったもの」にはなっていませんでした。
よかったと安堵した私でしたが、それから見つけたカタ草のその全てが「だったもの」にはなっていなくて……。
……どうやら、カタ草は「だったもの」にはならないようです。
「だったもの」にしてはいけない! って思って、タチシェスの群の前を横切ろうとして、そうしたら別の群が進行方向にいて包囲されるという無茶なことをしたというのに……!
数が多かったので攻撃してくる回数も多くて、それを全神経を集中させて潜り抜けてきたというのに……っ!
そういうことは先に知りたかったです……。
兎に角!
ほしいものは手に入れられました!
私は帰還の笛を使ってカラカラの街まで一瞬で戻り、宿屋に直行しました。
倉庫から二つのアイテムを取り出して、泊まりたいことを受け付けの方に伝えるとマーチちゃんが使っている部屋に通されます。
「あっ、おかえりなさいなの。何をしてたの?」
青錫の魔石を手にしているマーチちゃんに聞かれたので、私はポーチからアイテムを取り出して作業をしながら答えました。
「ただいまっ。えっとね、一からやり直さなくて済むように、ね!」
そう言って、聖水、カタ草二つ、青プディンの粘質水、青い魔石四つにジョブスキルを使う私。
空の特大容器に一目盛分の青い液体が生成されます。
――防御バフポーション。
防御を底上げできる薬です。
市販のものは時間で効果が切れてしまいますが、私がつくったものはスキルのおかげでそうはなりません。
そして更に!
これに『ポーション昇華』を掛ければ、すぐに死んでしまうとされている弱い薬師でもそう簡単にはやられなくなるはずです!
というわけでMPをあるだけつぎ込みました。
その際に、持っていたMP回復ポーションL(Lv:4)を一目盛分飲んでいます。
つくったのに使わないのではもったいないと思ったので。
そうして出来上がったのは、
防御バフポーション(L Lv:11)――
使用すると防御力が268,435,456%上昇する。
この説明を見たマーチちゃんの反応は、
「……ゾンビポーション」
とても冷ややかなものでした。
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