第48話(第二章第6話) ボス周回2
緑プディン第二戦。
五体の緑プディンが相手です。
猛毒薬が11目盛分残っていましたので、先ほどと似た要領で戦っていきました。
一戦目とは違ってマーチちゃんがいないので、私の近くにいるものから対処していくという形に変更しましたが、違いはそれだけです。
二十個の緑のE魔石と10の経験値を獲得しました。
「……あっ、そうだ!」
転がっている緑プディンの粘質水を見て思いつきました。
空の特大フラスコがあることを。
もったいないので二十個収めておくことにしました。
一戦目のも回収しておけばよかった……。
一応、マーチちゃんから猛毒薬を補充させてもらって『ポーション昇華』で品質を上げ、MPも回復させてもらって安全地帯へ。
……あれ?
これ、MP回復ポーション、いります?
あんなに苦労してつくったのに、使いどころがなさそうなんですが……。
……気を取り直して!
三回目のボス戦、行きます!
ログアウト、ログインしてボス部屋に入ったら、見たことのない色のプディンが出てきました。
……銀色?
たぶん、レアです。
金色のプディンを見ているのでグレードがちょっと落ちてる感じが否めなくはないのですが……。
それでも、緑より美味しいはず!
私は銀色(?)のプディンの動きに注意しながら近寄っていって、猛毒薬をふりかけました。
流石の猛毒薬!
一秒でパーンです。
相手がレアだということを忘れさせるほどの威力です。
戦闘終了。
転がっていた粘質水を回収してみると記されていたのは、
――錫プディンの粘質水
「……錫?」
どうやらあれは錫プディンというモンスターらしいです。
銀じゃなかった……。
価値が更に下がったように思えてしまうのは気のせいでしょうか?
緑、赤、青、黄色は同じ価値らしいのですが、これは金プディンのものと同じ価値があるのかな? と少し不安を覚えました。
なんてことに囚われていたら魔石が消えかけていて焦りました。
なんとか気づけて消さずに済みましたが。
錫プディンからゲットできた魔石も「錫色の魔石」でした。
今はイベント中なので「錫色のE魔石」です。
錫プディン戦で獲得できたのはその魔石が四個と20の経験値です。
経験値は美味しいですね!
四回目のボス戦。
緑プディンとの第三戦です。
その数は八。
今回は錫プディンとの戦闘を経るごとに三体ずつ増えていくのでしょうか?
なんにせよ、猛毒薬の残量に気をつけながら戦っていかないといけませんね。
……勝利です。
ドロップアイテムを回収して、念のために猛毒薬を補充して、次をやります。
五回目、緑プディン八体。
六回目、緑プディン八体。
一応、猛毒薬を補充。
七回目、錫プディンが来るかと思いきや緑プディン八体。
黄プディンの巣は三回黄プディンと戦ったら金プディンと戦うことになっていたのですが、どうやら緑プディンの巣はそうではないようです。
初めが三体から五体に増えていましたし、増える数も二体から三体になっていましたから、三回戦えばレアモンスターと戦えるというその回数も増えているのかもしれません。
ここでレベルアップしました。
次のレベルまで183の経験値が必要って……。
本当に上がりにくくなってますね……。
八回目。
錫プディン二体!
こちらは変わらず一体ずつ増える模様です。
快勝しました。
九回目、緑プディン十一体。
増えるのは三体ずつで決まりかもしれません。
勝って、猛毒薬補充です。
十回目、緑プディン十一体。
猛毒薬補充。
十一回目、緑プディン十一体。
猛毒薬補充。
十二回目、緑プディン十一体。
十三回目、錫プディン三体。
緑プディンと四回戦うごとに錫プディンが一回登場するようです。
レベルアップ!
猛毒薬補充。
十四回目、緑プディン十四体。
初めての一対十四です。
不意を突かれないようにするのが正直言ってきつかったですが、猛毒薬が潤沢にあったおかげで見事勝利することができました。
これ、他の人はどうやって勝っているんでしょうか?
気になります……。
あっ、猛毒薬を補充しないと……!
十五回目、緑プディン十四体。
猛毒薬補充。
十六回目、緑プディン十四体。
猛毒薬補充。
十七回目、緑プディン十四体。
猛毒薬補充。
十八回目、錫プディン四体。
80の経験値、嬉しい……!
十九回目、緑プディン十七体……!
到頭、特大フラスコに収められる数を越えてきました。
ですが、猛毒薬の品質をL(Lv:4)にして対応します!
L(Lv:3)の猛毒薬は一秒経過すると最大HPの256%のダメージに達するので、0.4秒で相手を倒すことができます。
対してL(Lv:4)が与えるダメージは1,024%。
相手を倒すのにかかる時間は僅か0.1秒です。
それは確実に相手が消滅する瞬間を目で捉えられるということ。
十七体もいるとすぐに他のプディンの動きを確認しないといけないので、猛毒薬を掛けた対象から目を外さなければいけないこともあります。
もし掛け損じていたら? と嫌な心配をしなくてよくなるので、精神的な負担を減らすことに繋がるのです。
なんとか勝利してレベルアップ!
猛毒薬を補充するのとMPの回復を行いました。
マーチちゃんの負担が増えてしまって申し訳ない気持ちになります。
二十回目、緑プディン十七体。
猛毒薬補充。
二十一回目、緑プディン十七体。
猛毒薬補充。
二十二回目、緑プディン十七体。
猛毒薬補充。
そして、二十三回目。
錫プディン四体。
……あっ。
これ、嫌な感じがします。
前にもありました。
四体とはもう戦っていて次は五体になるはずなのに増えていない、ということが……。
――イレギュラー
これ、たぶん発生しますね……。
猛毒薬を使用して錫プディンを四体倒してアイテムを回収すると、封鎖されていた石の壁が開かれました。
……すごく出たくないんですけど。
『笛』使って逃げていいですかね……?
本音を言えば逃げ出したかったです。
でも……。
――「イベントで上位を取りたいの」
マーチちゃんの願いを叶えるためには、戦った方が目指す場所に近づける気がして。
「うう……! やる! やってやる……っ!」
私は覚悟を決めました。
階段への通路へと向かおうとすると再び塞がり始める壁。
私は壁が動き出したのを見るや否や。
振り向きざま、猛毒薬を撒いたのです。
刹那――
――パァアアアアアアアアンッ!
何かが私の眼前、それも至近距離で爆ぜました。
その姿をよく捉えられてはいなかったのですが、緑の何かを纏っていたような気がします。
「あぅ……。もう、いや……っ」
私はその場にへたり込みました。
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