第35話 第一層のエリアボス1
準備を整えて金曜日。
『スクオスの森』の最上階で確認作業を行います。
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名前:セツ レベル:22(レベルアップまで3Exp)
職業:薬師(生産系)
HP:34/34
MP:48/48(+1)
攻撃:25
防御:30(×1.04)
素早さ:44(×1.04)
器用さ:51
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名前:マーチ レベル:10(レベルアップまで3Exp)
職業:商人(生産職)
HP:27/27
MP:19/19
攻撃:25
防御:24(×1.16)
素早さ:17
器用さ:29
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(回復装置『レメディ』に触れたあとの数値)
一回ダンジョンを出たら倒していたとしても黄プディン戦をしないといけないので、戦って経験値6を得ています。
倒し方は例によって猛毒薬をマーチちゃんに増やしてもらって。
黄プディンの粘質水を持っていませんでしたから。
それで持ち物はこんな感じです。
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セツの所持アイテム一覧
・帰還の笛
・特大フラスコ(聖水)16/16
・特大フラスコ(聖水)16/16
・特大フラスコ(聖水)16/16
・特大フラスコ(黄プディンの粘質水)12/16
・フラスコ(猛毒薬L Lv:4)
・フラスコ(攻撃デバフポーションL Lv:4)
・フラスコ(攻撃デバフポーションL Lv:4)
・フラスコ(空)
・フラスコ(空)
・フラスコ(空)
・ビン(プディンの粘質水)
・攻撃バフポーションL Lv:3
・攻撃バフポーションL Lv:3
・攻撃バフポーションL Lv:3
・攻撃バフポーションL Lv:3
・防御デバフポーションL Lv:3
・防御デバフポーションL Lv:3
・防御デバフポーションL Lv:3
・防御デバフポーションL Lv:3
(二ページ目へ)
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・素早さバフポーションL Lv:3
・素早さバフポーションL Lv:3
・素早さバフポーションL Lv:3
・素早さバフポーションL Lv:3
・麻痺薬L Lv:3
・麻痺薬L Lv:2
・麻痺薬L Lv:2
・麻痺薬L Lv:2
・緑の魔石×40
・赤い魔石×55
・青い魔石×79
・黄色い魔石×207
・黄金の魔石×52
・回復草
・猛毒草
・猛毒草
・猛毒草
・猛毒草
・猛毒草
・猛毒草
(一ページ目へ)
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昨日のうちに市販の攻撃バフポーションや防御デバフポーション、素早さバフポーションに麻痺薬をそれぞれ四つずつ購入しています。
そしてバフとデバフのポーションは宿屋を利用してそれら全てをLv:3に。
麻痺薬は一つはLv:3にしましたがLv:2との性能の違いがわからなかったため、三つはLv:2止まりになっています。
このダンジョンには聖水の祠がありますから特大フラスコに聖水を補充していますし、黄プディン戦もあったので黄プディンの粘質水も全て回収しました。
十二個回収しきれたのが地味に嬉しいです。
空のフラスコがあるのはここにマーチちゃんが増やしてくれた猛毒薬が入っていたから。
三体全てにそれで対応したため、黄プディンの粘質水も猛毒草も減っていません。
ちなみにフラスコは前まで九個持っていたのですが、エリアボスに挑むにあたって八個ほど宿屋に預けてきています。
まだ使う時があるかもと思ったので、中に赤プディンの粘質水と青プディンの粘質水が入ったのも、そしてあの『
あ、あと、魔石が微妙に増えているものもありますが、あれは他のダンジョンの攻略でボスとプディンを倒した際に落としたものです。
(黄色い魔石は猛毒薬を五つつくっているのと黄プディン戦で手に入れたのでこの数に)
ただ、『アホクビの住む洞』のボスも『タチシェスのいる自然公園』のボスも、各色のプディンと同じだけの魔石しか落としていないという事実。
解せません……。
赤い魔石と青い魔石を一個ずつ使って攻撃バフポーションと攻撃デバフポーションを一つずつつくっているので、この手持ちということになります。
(攻撃デバフポーションが二つあるのはマーチちゃんが増やしてくれたからです)
(マーチちゃんはMPの都合上「L Lv:3」を増やせませんので、「L Lv:2」を増やしてもらいそれを受け取って昇華しています)
そしてマーチちゃんの持ち物ですが、『帰還の笛』と猛毒薬(C)が一つずつ。
それと私がもしものためにとお店で買って品質を向上させて渡した「HP回復ポーションL Lv:2」と「MP回復ポーションL Lv:2」、「麻痺薬L Lv:2」が二つずつ。
「『帰還の笛』はエリアボス戦でも使えるんだよね?」
「帰還の羽が使えるみたいだから使えると思うの」
「じゃあ最悪、無理だってなった時は麻痺薬で動けなくして、そのうちに『帰還の笛』を使って戦闘離脱だね」
最終手段も決めておこうとして、私はマーチちゃんに最終確認をしました。
大丈夫そうとのことなのでこえで準備は万端です。
ボスがいるドアの方へ進もうとした私。
その時、背後でマーチちゃんはぽつりと呟きました。
「……まあ、ボクの場合は麻痺薬を使うタイミングはないと思うのだけど……」
と。
その言葉が聞こえていて、私は思わず尋ねました。
「え? どうして……?」
聞かれた彼女が答えます。
「あっ。聞こえてたの? ……えっと、ボクのスキルに『石像化』っていうのがあって、
――動かなければ敵味方両方から認識されなくなる――の。
発動は任意でできるらしいのだけど、発動したら時間でMPが減っていくし、動いたら解除されるの。それで、このスキルの問題は発動する条件に十六秒以上静止しないといけないという点があること……」
「十六秒静止……」
マーチちゃんが保有している最後の能力。
それが四秒間しか止められない麻痺薬とは相性が悪いらしいのです。
麻痺薬を相手に浴びせることも「動く」ことになってしまいますから。
これを聞いて私は考えました。
「わかった。絶対に相手を私に引き付けるようにするね!」
マーチちゃんが認識阻害のスキル『石像化』を使えるまでの時間を稼ぐ――それが彼女を生かすことに繋がると私は判断しました。
「……ここまで来て止はしないの。けど、本当に大丈夫なの……?」
意気込む私とは対照的に、マーチちゃんは不安を滲ませていました。
……………………
静寂。
これまでボス部屋のドアを開いたら突風に煽られたり、地面を揺らされたりして部屋の中に無理やり押し込まれる演出がありましたが、ここはそんなことはなく……。
ただただ闇が広がっていました。
私たちはお互いの顔を見て意思を確認し合うと、エリアボスの部屋へと一歩を踏み入れます。
同時に私は素早さバフポーションを取り出して使いました。
速攻でけりをつけるために、全て。
私たちが部屋に入るとドアは閉められて明かりが灯ります。
中にいたのは、ビッグスクオスと呼ばれるモンスター。
頭から八本の触手を生やした、頭はカラスで身体はクモ。
あれがスクオスというモンスターだったのだと私は初めて知りました。
しかし、ここのスクオスは下の階にいたスクオスとは違っていて。
首長竜ののような長い首を持っていたのです。
全長は四メートルほど。
……その分触手も太くなっていてキモさも段違いに増していました。
「キェエエエエッ!」
相手が雄叫びを上げている最中、私は駆け出しました。
そして浴びせます。
――猛毒薬L Lv:4を
今まで幾度となく私を助けてくれていた猛毒薬。
しかし――
『レジストされました』
今までになかったことが起こりました。
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