第42話 登録したばかりの新人がなんで昇級できるんだよ?!
マル「おい! どうなった?! 昇級したのか?!」
ペキ「内緒でござる」
マル「なんでだよっ! おいピーナ! コイツのランクはなんだ? 昇級したのか?」
ピーナ「騒がないで下さい~、せっかくのギルマスの配慮が無駄に~」
マル「昇級したんだな? そうなんだな? くそ~っ!」
マル「おかしいだろっ! なんでだよっ! 登録して一週間の新人が―」
ペキ「5日目でござる」
マル「―5日の新人が、なんで昇級できるんだよ! 試験はどうしたんだよ?!」
ピーナ「Eランクには~ギルマスの許可があれば~昇級が認められるんですよ~」
マル「そんなのっ! 依怙贔屓だろ!」
マル「そんなんだったら俺も昇格させろ! そいつはチキンスネークすら見たことないど素人なんだぞ?」
ピーナ「ペキさん達は、ダビルヴァイパーとゴブリンキ……ゴブリンを討伐していますので、その実績が認められたんです~」
マル「ゴブリンだったら俺だって昨日一匹倒しただろ!」
ピーナ「一匹だけでわぁ~。ペキさんとマツさんは、昨日、Bランクパーティの【疾風】の補助で、ゴブリンの集落を殲滅したんですよ。その功績が認められての昇級ですね~」
マル「そんなの一緒に行ったBランクパーティが優秀だっただけだろ! じゃぁ俺も! 上位ランカーと一緒にゴブリンの集落殲滅に参加させろ!」
ピーナ「それはできませ~ん」
マル「なんでだよっ?! こいつらは良くて俺がだめなのはなんでなんだよ!」
ピーナ「そっ・れっ・わっ・ですね~~~」
マル「それはなんだっつんだよ……?」
ピーナ「ゴブリンの集落が今はないからで~す」
ペキ「そりゃそうでござるな」
マツ「森の奥に探しに行けば、また見つかるかも?」
マル「……むむむじゃぁ、試験だ! 俺も昇級試験を受ける! そんな簡単に昇級させるんだったら、俺だって昇級試験を受ける資格はあるだろ!」
ピーナ「え~受けるんですか~」
スナフ「何の騒ぎだ?!」
マル「げ、ハゲマッチョ…」
スナフ「聞こえてるぞ、誰がハゲマッチョだ?」
マル「え?! いや、コイツ(ペキ)が…」
ペキ「拙者は言ってないでござるよ(今は)」
マル「てめぇ! ずるいぞ!」
ピーナ「マスタースナフ。マルさんが、ペキさん達が昇級したのはギルマスの依怙贔屓だろうっておっしゃってましてぇ~」
スナフ「ペキ達は実力を示したから昇級が認められたのだ。依怙贔屓などではないぞ?」
マル「…ぐ……」
ピーナ「違うというのなら~自分も昇級試験をうけさせろと~」
スナフ「ほう。昇級試験は、希望者は受ける事ができる。マルと言ったな? 受けたいなら受けてもいいぞ。ただし、試験を受けるに足る実力がなかった場合はペナルティもあるがいいんだな?」
マル「え? ペナルティって…そんなの聞いたことないぞ……ですよ?」
スナフ「まぁ、普通に実力があれば、落ちてもペナルティはない。ただ、実力が最低水準にも達していないのに何度も連続して受けるような奴が昔居てな。そういう奴は一定期間、昇級試験が受けられない措置を取っても良い事になったんだよ」
マル「一定期間て…?」
スナフ「規定はないが、通常は三ヶ月からだな」
マル「三ヶ月も…」
スナフ「どうする? 受けるか?」
ペキ「あの、ギルマス殿」
スナフ「ん? なんだペキ?」
ペキ「拙者達もその試験、受けてもいいでござるか?」
スナフ「お前達は試験を免除されたから受けなくていいんだぞ?」
ペキ「いや、どんな試験なのか興味があるでござるよ。それに、試験を受けずに昇級したとなると、マル殿のように納得しない者が出てくるのではないかと」
スナフ「そうか、まぁペキがそう言うのなら、受けてもいいか…勉強になるだろうしな」
ペキ「でござる」
マツ「ぜひ、勉強させて下さい」
スナフ「ではピーナ、ペキとマツ、それにそこのマルの受験手続きをしてやれ」
マル「え? 俺はまだ受けるとは…」
スナフ「今回は落ちてもペナルティなしにしておいてやるから、一度受けて見たらどうだ? 自分の実力をきちんと知っておくのも大事な事だらな」
マル「それなら、まぁ……」
ピーナ「それでは受験生の方はこちらで説明を~」
昇級試験は、学科・課題・実技の三項目だそうだ。
Eランクの場合は、学科は字が読める事と初歩的な計算ができればそれでよいらしい。
課題は、指定された
(ペキは高ランクの魔物を倒しているが、初級の依頼はまだ一件も受けた事がないのである。)
実技試験は、教官との模擬戦だが、最低限魔物と戦える実力がある事を確認するだけなので、勝つ必要はない。
マツ「良かったです」
ペキ「?」
マツ「いえ、ペキさんが昇級するのは当然と思いますが、私まで一緒に昇級は、ちょっと自信がなかったものですから」
ペキ「まぁ、マツどのはテイマーだから、バリー殿の実力が重視されるので問題ないと思うでござるが」
マツ「まぁ、冒険者としてやっていくなら、最低限の知識と技量は持っていたいです」
ペキ「真面目でござるな、マツ殿は」
バリー「にゃ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます