盧循3  徐道覆の戦略

決起よりも前、徐道覆じょどうふくはひそかに戦艦を建造したいと考え、人々にに南康山なんこうさんの木を伐採させた。このときは都に持ち込んで販売したいのだ、と偽っていた。後に運ぶ人手が足りなくなった、として地元で伐採した木々の販売を開始した。その価格は相場の数分の一というものだった。そこで人々がその木材を買い込もうと、衣類や家財を近くで売りに出した。こうして木材販売所の周辺には即席の市が生まれた。


贛石水かんせきすいの流れは急であり、船を出すのが難しかったため、この売買で多くの者が儲けを出した。こうしたことを4度ほど繰り返したため、船のための木材が辺りに積まれても、人々は特に疑問に思わなかった。


徐道覆が挙兵する際、賣券を案じてこれを取り、隠し得ないものについては皆でなんとかごまかし、10日のうちに建造を完了した。そしてついに決起、南康なんこう廬陵ろりょう豫章よしょうの諸郡を襲ったのである。守相しゅしょうらはみな郡を捨て逃亡した。皆委任奔走。その中にあり鎮南將軍ちんなんしょうぐん何無忌かむきは兵を率い迎撃に出たが敗れ、殺された。




初,道覆密欲裝舟艦,乃使人伐船材于南康山,偽雲將下都貨之。後稱力少不能得致,即於郡賤賣之,價減數倍,居人貪賤,賣衣物而市之。贛石水急,出船甚難,皆儲之。如是者數四,故船版大積,而百姓弗之疑。及道覆舉兵,案賣券而取之,無得隱匿者,乃並力裝之,旬日而辦。遂舉眾寇南康、廬陵、豫章諸郡,守相皆委任奔走。鎮南將軍何無忌率眾距之,兵敗被害。


(晋書100-8)




全体的に「ほえー徐道覆がめっちゃ頭いいのとめっちゃ金持ちなのは分かるんだけどなー」以上のことが言えません。特に案賣券而取之,無得隱匿者,乃並力裝之,旬日而辦。がわからん。えっなんて?


いやほんと、徐道覆このひと結構な家の出じゃない? 文化的、資産的資源のただ事じゃなさがヤバいんですけど。

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