桓玄28 桓玄死す

○晋書


益州刺史えきしゅうしし毛璩もうきょは從孫の毛祐之もうゆうし參軍さんぐん費恬ひてん江陵こうりょうに向かわせることとした。弟の毛璠もうはんの葬儀のためである。人員数は二百。この頃、毛璩の弟の子である毛修之もうしゅうし桓玄かんげん屯騎校尉とんきこういとなっており、桓玄をしょくに誘い入れた。桓玄はこの誘いに従った。


桓玄が枚回洲ぼくかいしゅうに到着。するとここで費恬や毛祐之からの襲撃を受ける。桓玄のもとには矢が雨あられと降り注ぐ。桓玄の小間使いであった丁仙期ていせんき万蓋ばんがいは桓玄の上に覆いかぶさり、代わりにその身にそれぞれ十数本の矢を受け、死亡。桓玄もまたいくつかの矢を受けたが、子の桓昇かんしょうがすぐさま抜き去った。


ここに更に、益州督護えきしゅうとくご馮遷ふうせんが剣を抜き、迫る。桓玄は冠に挿さる玉導ぎょくどうを抜き、馮遷につきつける。


「何者だ? 天子を殺そうというのか!」

「天子の賊を殺さんとするのみよ」


こうして、桓玄は斬られた。このとき 36 歳であった。また桓石康かんせきこう桓浚かんしゅんら五人もあわせて斬られ、庾頤之ゆせきしは抵抗の末戦死した。


こうした中、桓昇は言う。

豫章王よしょうおうであるぞ、貴公ら、殺すことなかれ!」

このため江陵に送り込まれ、公開処刑となった。



○魏書

特に新規情報はない。




時益州刺史毛璩使其從孫祐之、參軍費恬送弟璠喪葬江陵,有眾二百,璩弟子脩之為玄屯騎校尉,誘玄以入蜀,玄從之。達枚回洲,恬與祐之迎擊玄,矢下如雨。玄嬖人丁仙期、萬蓋等以身敝玄,並中數十箭而死。玄被箭,其子升輒拔去之。益州督護馮遷抽刀而前,玄拔頭上玉導與之,仍曰:「是何人邪?敢殺天子!」遷曰:「欲殺天子之賊耳。」遂斬之,時年三十六。又斬石康及浚等五級,庾頤之戰死。升云:「我是豫章王,諸君勿見殺。」送至江陵市斬之。

(晋書99-28)


玄屯騎校尉毛脩之誘以入蜀,遂與石康等泝江而上。達枚回洲,為益州參軍費恬等迎射之,箭如雨下。玄中流矢,子昇輒拔之。益州督護馮遷抽刃而登玄艦,玄曰:「是何人也,敢殺天子!」遷曰:「我自欲殺天子之賊耳。」遂斬玄首并石康等,斬昇于江陵市,傳送玄首,梟于朱雀門。

(魏書97-20)




出ました馮遷さん。この一言のために無駄に存在感のあるひと。なお桓玄配下の馮該ふうがいとの関係は不明。まぁ仮に近親者だとしても、このままだと族滅待ったなしだしどうにか桓玄まわりで大功立てたいわよねとも思うので。


というわけで桓玄が無事死亡、ここからは桓振かんしんの頑張りが見苦しい抵抗と書かれるターンですね。国賊はいくらでも悪しざまにかけて楽でいいですね!(言い方

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