第20話 費用対効果を考察するのは大事
もう少しで日付も変わり、また残された今年の日数が減るという頃、ついに黒鉄の
退廃的な外縁部と異なり、巨大な水路で区切られた市街地には
『取り敢えず、転送ポータルの登録を済ませないとね』
『
お陰で稼ぐつもりのない仮想通貨を対人戦闘の末に得て、微妙な座り心地の悪さなど感じているのが中の人、
意外と小心者な部分のある彼は密かに溜息してから、幾つか架けられた橋の一つを渡り、街の入口脇に置かれていた円柱状の端末へ手を触れさせた。
―― Register current coordinates to the app ――
“現在の座標をアプリに登録” といった通知が英語表記で、
これで初期からある都市郊外を選択して、幾つか用意されている不規則な場所へ、問答無用で飛ばされる恐れは無くなった。
『さて、最低限の目的は達成したが……』
『折角だし、街並みでも眺めながら歩きましょう♪』
そう電子の妖精が耳元で囁くや
上機嫌なクリムは半弧を描くような足取りで反対側に
それは都市の中心部であろうと大差なく、この仮想世界で拠点となる区域の規模に対して、滞在する者達が少ない事実を物語っていた。
「うぐぅ、
『いや、まぁ、大方の予想は付いたけどな』
以前にサービス終了で消滅し掛けたクリムは柳眉を
又、電子の海に散りばめられた指標を見つけ、
(一体、どういう
何を
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