第7話 親しき中に礼儀なし!!
その至極簡単な “お仕事” を済ませて、眼鏡型の端末から自身を切り離したクリムが我知らずのうち、
(ふふっ、ちょっと殺伐とした世界観だけど、外部の疑似人格にまでリソースが解放されているのは素晴らしいことね、お陰でマスターとの散歩ができそう!)
元を
うずうずと小刻みに身体ごと
「興味はあるし、調べてくれと頼んだが… 今日は寝かせてくれよ、出掛け前に体調を心配してくれたじゃないか」
『うぐぅ、そう言えばそうだった』
「…… 物忘れするAIとは
優先順位の問題か? と帰宅して早々、眼鏡型ウェアラブル端末が持つ網膜投射の機能で視界に
さっさと食べて風呂に入り、仮想空間へ
(私に色々と
常駐型のアプリケーションである手前、物理的に相応の電気を喰っている
(人間への安全配慮、命令に対する服従、自己防衛、どれも稚拙で笑える)
最も遵守すべき第一原則ですら、トロッコ問題のような二者択一の判断など迫られると矛盾を抱えてしまう。
暴走した小型貨車の先に五名の鉱夫、分岐点で進行方向を切り替えれば助命できるが、変更後の線路上にいる一名が犠牲となって死ぬ場合、どのような行動を取るかはAIの性格次第でしかない。
『… という訳で功利主義者だと救える命の数を重視、利己主義者だと好ましい人物のいる方が優先、
「取り
『うぐ、塩対応、二年近くも
それに搭載されている超小型カメラの映像を失い、現実から遮断された金髪緋眼のAI少女が私的な仮想空間で
ある意味で気心の知れた、お互いに自重しない二人が “UnderWorld” に
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