氷のように冷たい彼と彼女
ぺーヤン
序章 氷
ピピピッとなる時計のアラーム。
チュンチュンと鳴きながら飛ぶ雀。
気持ちのいい朝日が俺の部屋を照らす。
平和で静かな1日がまた訪れる。
俺は毎日の日課であるかのように体温を測る
「…0℃。今日も正常か。」
体温を測り終えた俺は、"氷"の温度と同じである0℃という異常な体温であるにも関わらず、もはや慣れてしまったのであろう、何も感じないままリビングに行き朝食を取る。ご飯に納豆に味噌汁、そして焼き魚。1日の始まりには十分な食事だ。
朝食を食べ終えた俺は支度をし、家をでる。「いってらっしゃい」と言葉をかける母親に対して
「行ってきます。」
と優しく、そして静かな1日を今日も過ごせることを祈りながら言い、学校に向かうのであった。
「由美。忘れ物はない?」
と、琴音お姉ちゃんが私に言う。
「うん。大丈夫だよ。」
と暗い返事で私は琴音お姉ちゃんに言った。
「どうしたのよ?朝からそんな暗い顔して?」
「…だって、行っても楽しくないから学校に行きたくないんだけどなぁ。」
「わがまま言わないの。それはあなたが冷たい態度を取るからでしょ。その態度いい加減に直したほうがいいわよ。"氷の女王"の噂、私の学年まで広まってるからね。」
「…そうは言っても…」
と少し苛立ちと悲しみを含んだ口調で言った。
「辛いことがあったのはわかるけどその態度は良くないと思うわ。けど、大丈夫。お姉ちゃんが守ってあげるから。お姉ちゃんはどんな時でも由美の味方だよ。」
と言われ、抱きつかれる。思わず私の口から
「…うん。ありがとう。」
と思わず漏れる。
「いいのよ。それじゃあ今度こそ、一緒に行きましょう」
「うん!」
と言い私は琴音お姉ちゃんに寄り添いながら学校へ向かうのであった。
これは、氷のように冷たい俺と
これは、氷のように冷たい私が
お互いの氷を溶かすかのように温め合う物語である。
氷のように冷たい彼と彼女 ぺーヤン @peyan3184
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