第10話
神殿から出たし、一回称号の確認でもするか。
『女神に出会いし者』
初めて女神に会った者に贈られる称号。他の女神に目をつけられやすくなる。STR・VITが15%上昇する。
『地母神の夫(最有力)』
地母神の夫候補に選ばれた者に贈られる称号。この称号を持って居るとDEXが+10上昇する。
〜いつでも見てますからね。あ、それと焼きおにぎり美味しかったです。〜
「なんか称号が侵食されているような証があるんだけど・・・・。」
これが普通・・・・なのか?いや、絶対違うな。多分高位の神だから出来た芸当なんだろうな。そうと思うしかない。
「なぁ、エルバサ。俺これから女神に会うのが怖くなったんだけど・・・・。」
「大丈夫と軽くは言えぬが気を強く持て。それしか言えぬ。」
はぁ・・・・それしかないよな。そういえば今から街に戻るよな。そうするとエルバサは当然目立つ。最低限に目立つのを抑えさせるには・・・・念話か。でも、そんな便利なものあるのか?エルバサに聞くしかないな。
「はぁ、分かった。・・・・そういえばエルバサって念話とかって使えるか?」
「うむ、使えるぞ。」
「だったら、街に入ったら念話で喋ってもらえるか?」
「承知した。」
街に戻ると明らかに視線を感じた。その視線に耐えつつ目的の場所まで歩いて行った。
『やっぱり視線が凄く突き刺さる・・・・。』
『仕方ないじゃろう。主人達は昨日来たからな。従魔なんてのはよっぽど珍しいのじゃろう。』
だから視線を感じたのか。というか・・・・あまりにも多すぎる。というか殆どが好奇の視線なんだよな。
『それには同感じゃ。それで主人よ。これからどうするのかのう?』
『一旦冒険者ギルドで色々買い取ってもらってから雑貨屋で色々必要なもの買ったのち、市場に行き必要なもの買って、料理でもしようかな?』
「おぉ!料理か!」
『おいエルバサ!念話使え!』
『ぬぅ・・・・すまんかった。つい、興奮してしまってな。』
何がついだよ!余計に視線が集まったじゃないか!
少し足早にその場を駆け抜け、冒険者ギルドまで行った。
冒険者ギルドに着いたし、何売ろうかな?・・・・持っててもラストエリクサー症候群みたいにずっと使わないアイテムになりそうだからいっそのことオオカムヅミノ葉売ってみるか?1万カルに届いたら良いけど。
買取のカウンターに行き、受付に声をかけた。
「すみません。買取出来ますか?」
「はい、大丈夫ですよ。・・・・ここのトレーに置いてください。」
オオカムヅミノ葉と、それだけだとなんか少し寂しいからパープルブドウを一房トレーに置いた。
「こ、これは!・・・・オオカムヅミノ葉とパープルブドウじゃないですか!ど、どこで手に入れたんですか!?」
受付の人が身を乗り出して聞いてきた。というか何でそんな驚愕しているんだ?確かにオオカムヅミノ葉は珍しいと思うが、パープルブドウも珍しいのか?後、ちょっと大声やめて欲しいな。周りの人何事かと見てくるんだけど・・・・。
「そこまで珍しいんですか?」
「オオカムヅミノ葉は寿命を延ばすと言われる、幻草の一種ですよ!それにこのパープルブドウ、王室で年に一回出されるかという程珍しいものなんですよ!」
「は、はぁ。えっと手に入れた場所ですけど、オオカムヅミノ葉はこの前呪毒草を手に入れた森で偶々手に入れたんですが、パープルブドウは・・・・」
ここでエルバサの事言っても大丈夫か?テイムしたモンスターは登録しないといけないとかいうものだったら面倒くさいから、一応説明しとくか。
「テイムしたモンスターがパープルブドウを手に入れたんですけど・・・・。それで登録とか必要ですかね?」
「テイムモンスターですか。それなら深くは聞けないですね。あ、あと従魔登録の事ですね。ここの受付でも出来ます。」
「分かりました。えっと、幾らになるんですかね?」
「そうですね・・・・ちょっと待っててください。」
おっと、また待たされるのか・・・・。最近待ってばっかだぞ?少し残念龍エルバサのことでも10分は待ったし・・・・『聞こえとるぞ!』おやこれは失敬。
そんなやりとりをしている内に受付の人が帰ってきた。
「それでは買取ですね。えっと、オオカムヅミノ葉が200万カル、パープルブドウが40万カルになります。」
え゛!合計240万カル?頭おかしいんじゃないのか?
「な、なんでこんなに高いんですか?」
「オオカムヅミノ葉は寿命を延ばすと言いましたね。それ故に貴族の特に公爵や王族の方々には大人気なんですよ。それとこのパープルブドウはさっき言った通りに王室ですら一年に一回しか食べる事が出来ないレベルだからですね。」
「は、はぁ。それでお願いします。」
「はい、こちら240万カルになります。あ、あとこちらの紙に血を一滴垂らして下さい。ここに血を垂らしてもらいますと従魔登録が完了します。登録が完了いたしますと貴方様の従魔には指一本触れられなくなります。」
はえー便利やな。これでPKに絡まれたとしても安心だな。・・・・そもそもエルバサに勝てる奴がいるのかが疑問だけど。とりあえず今は早めに登録を済ますか。
アイテムボックスから包丁を取り出し、指先をほんの少しだけ切って出てきた血を紙に垂らした。
血を垂らした紙は淡い光を放ったかと思ったら垂らした血が全体に広がっていった。
「はい、これで登録は完了です。お疲れ様でした。他に何か御用はありますか?」
「特にはないです。」
「ありがとうございました。」
一礼だけして、足早に冒険者ギルドから出ていった。
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