第11話
それじゃあ雑貨屋に行って瓶は・・・・ないと思うけどなんか深皿とか瓶に似たような物があればそれを買おうかな。
前行った雑貨屋に歩いて向かった。
カランカラン
「いらっしゃいませー!」
『ふむ、ここはどこなのじゃ?』
『雑貨屋。日常生活で使うものが色々ある所。あ、食べ物は無いよ。』
『なぬ!そうなのか・・・・。』
食べ物がないと言っただけでこの落ち込みよう・・・・食べ物にでも洗脳されたのか?まぁそれはそれとして、目的の物を探してみるか。
・・・・・・・・お、瓶あるじゃん。いやまぁ確かにガラスはあるから作れると思うけど・・・・そこまでの技術力ってあったんだな。そして意外にも値段が500カルと結構安い。10個買うか。そして・・・・後はフライ返しや箸、そしてお玉とか諸々買わないとな。味噌汁を包丁で混ぜるとかいう奇行は2度としたく無いからな。
「瓶が10個、箸が3膳、お玉が一つ、フライ返しが一つ、菜箸が2膳、まな板が一つ、ハケが一つ、しゃもじが一つ、泡立て器が一つ、ボウルとザルが一つずつ、トングが二つ、ピーラーが一つで・・・・合計1万1900カルになります。」
代金を支払い商品を貰って雑貨屋を後にした。
「ありがとうございましたー!」
「さて次は・・・・この前の市場に行ってみるか。何かあるかもしれないし。」
『そこの市場には食べ物はあるのか?』
『うーん・・・・多分あると思うけど。でも生肉とかそんなんだった筈だけど。』
『ぬ・・・・それなら我慢するしか無いか。』
生肉なら喜んでかぶりつくと思ったんだけど・・・・食べないのか。
『主人の料理を食ってからは生肉なんぞ食いたくないわ。』
それは喜んで良いのか?
市場に着くと前よりも盛況している様子だった。
「さてと、ジャムに必要な物は・・・・」
レモン
砂糖
ブドウ
だから・・・・レモンと砂糖を買えば良いのか。・・・・砂糖って売ってるのか?貴重なイメージがあるんだけどな。そうだな・・・・後は、せっかく圧力鍋が手に入ったんだし角煮とか作ってみようかな?幸いなことに肉屋の場所は分かってるからそこでオーク肉を買い、必要な調味料は見つけ次第買っていこう。
市場を歩いているとついさっき行った肉屋が見えたのでオーク肉を買いに行った。
「すみません、オーク肉ってありますか?」
「ん?あるが・・・・どのぐらい必要だ?」
そこまでいらないから100gで『足りないのじゃ!』こいつ・・・・!じゃあ1キロに『もっとじゃ!』・・・・・・・・5キロは?
『うむ、それなら良いじゃろう。』
はぁー、大食いの従魔を持つと大変だな。
「5キロお願いします。」
「分かった。5キロだから・・・・20000カルだな。」
代金を支払うと台の上に豚肉の塊が10個積み重なった。それを一つ一つアイテムボックスの中に入れていった。
入れ終わると、またぶらぶらと目的の物を探しに市場を散策した。
ある程度歩いていると、いろいろな野菜を売っている八百屋らしきところに行き着いた。商品を見てると、見たことある野菜や全く見たことない野菜など各種揃えてあった。しかし、レモンは無かった。
「らっしゃい兄ちゃん!何か買ってくかい?」
「うーんと・・・・ここに並んでいる以外の野菜ってありますか?」
「ここに並んでる以外か・・・・この前別の所に行った時に買った物ならあるが・・・・見てみるか?」
「ぜひ!」
そう言うと店主は後ろにあった野菜達を目の前の台の上に置いた。
「ほれ、こいつらだな。」
見たことありそうだけど・・・・この中だと多分あの緑色の野菜ぐらいしか見た事ないな。ちょっと鑑定してみるか。
『エモン』⭐︎⭐︎
一部の地域でのみ生産されている野菜。酸っぱさがあり、あまり人気がない。
『ジジ』⭐︎⭐︎
暖かい地域で作られる野菜。独特の食感と独特の辛さがある。身体をあっためる効果がある。
『ガール』⭐︎⭐︎
比較的寒い地域で作られる野菜。独特な味であまり人気がない。食べると口臭が酷くなる。
『ワサビ』⭐︎⭐︎⭐︎
綺麗な川と豊富な栄養がないと育たない野菜。ピリッとした辛さがあり東の地方の人には好まれている。
『カプサ』⭐︎⭐︎⭐︎
細長くとても辛い植物。とても辛いがその辛さがクセになる人もいる。料理に使うこともできる。
成程・・・・多分、レモンと生姜とニンニクと山葵と唐辛子かな?というかレモンみたいなやつあったじゃん!他のやつも色々料理に使えるやつだし、買っといた方がいいよな。
「おじさん、これ全部買うよ。」
「ぜ、全部!?」
「うん。幾らぐらいになる?」
「ちょ、ちょっと待ってな・・・・・・・・えーと、エモンが30個で3000カル、ジジが20個で2500カル、ガールが40個で5000カル、ワサビが20個で4000カル、カプサが30個で6000カルで・・・・合計が20500カルだな。」
代金を支払うと台の上に箱がドンっと音を立てて5つ積み上がった。それらをアイテムボックスに入れた。
「また来てくれよ!兄ちゃん!」
八百屋を後にして、砂糖を探しに市場を歩き始めた。
ていうか今思ったが、パープルブドウって糖度高いからワンチャン砂糖なしでも作れないかな?いや・・・・保険として砂糖は欲しいよな。
その後も市場を歩いて回るが砂糖らしき物は見つからなかった。
「やっぱり砂糖は市場にはないかぁ・・・・。」
しゃーないから砂糖なしでジャムを作ろうと踵を返した時に近くの市場の人に呼び止められた。
「おーい!さっきの兄ちゃん!何探してるんだ?」
話しかけて来たのはさっき醤油と味噌を買った人だった。
「砂糖を探してまして・・・・やっぱりないですよね。」
「砂糖か・・・・・・・・あ、そうだ!兄ちゃん、特別にこの店の紹介状書いてやるよ。そこに行けば砂糖も手に入ると思うからよ。」
「良いんですか?」
「さっきのお礼だ!じゃ、ちょっと待ってろよ。」
そういうと醤油と味噌の店主は紙に何かを書いて、渡して来た。
「ほれ、これが紹介状だな。場所は・・・・広場の噴水を真っ直ぐ行って金属の門の左手二つ前の建物だ。」
「分かりました。色々ありがとうございます。」
「おう、また買っていってくれよ!」
紹介状を受け取り市場を後にした。
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