第8話

「・・・・で、あれから結局10分ぐらい経過した訳だが・・・・。」


チラリとエルバサを見ると未だに昇天しかけてる状態にあった。


「コイツいつまで昇天しかけているんだ?」


すぐ起きると思ったが中々起きないな。うーん、暇だし、鑑定でエルバサ見てみようかな?


【鑑定】


『聖天龍エルバサ』

Error


「え、エラー?」


そんな事あるのか?・・・・いや待て、確か鑑定には最大Aランクまでしか測れないと書いてあったな。だとしたら、エルバサはSランク?そうとしか考えられないよな。・・・・でもなぁ、おにぎり一つで昇天しかけてるやつがSランク・・・・やっぱり残念龍に改名したほうが良くない?


「・・・・そういえば一心同体だったか?その称号でも確認しておくか。」


【鑑定】


『一心同体』

正規の方法で契約を行った者に与えられる称号。一番伸びているステータスを+20する。


「一番伸びているステータスを上げる・・・・LUKが960になるのか?」


もう少しで1000に到達出来るな。そしたら・・・・またなんか新しい称号貰えるのか?次は運以外が上がって欲しいが・・・・。


「ぬ・・・・ここは・・・・思い出したぞ!」


おっ!やっと目覚ましたか。


「全く・・・・焼きおにぎり一つで昇天しかけるなんて・・・・聖天龍としてどうなんだ?」


「仕方ないであろう。儂は悠久の時を生きておるがあんな美味い食べもの食べ事ないのじゃ。主人の従魔になった訳だが、飯の方期待しておるぞ!」


コイツやっぱり飯目当てじゃないか!?飯目当てなら少しは手伝ってもらわないと・・・・そうだなぁ、香草・・・・ミントとかバジルとかか?そっちは自分でなんとかなるから、そうだ!胡椒とかを取ってもらうか。


「飯に期待してるなら、エルバサにも手伝ってもらうぞ。」


「手伝うって言われてものう・・・・何をすればいいんじゃ?」


「エルバサにはこれを取って来てもらう。後は・・・・なんか美味そうな果実とかあったら採ってきてくれ。」


そして、アイテムボックスから前取れた胡椒の実を出してエルバサに見せた。


「あい分かった。それでは1時間後にここで落ち合おうぞ。」


「それで大丈夫だ。」


「それでは行ってくるのー!!」


バサバサと翼を広げ遠くへ飛んで行った。


・・・・あんなに早く飛べるなら岩塩でも持ってきてもらえば良かったか?まぁ、岩塩はいつでも持ってきてもらえるし今は大丈夫か。料理の為って言えば持ってきてくれるだろうし。


「さて、こっちも色々探してみるか。」


湖の右側に道があったのでそこを進みながら鑑定を使って色々探してみることにした。殆どが雑草ばっかりだったが形の違う草を見つけた。


【鑑定】


『ミント』⭐︎⭐︎

清涼感がある香りがする草。鎮痛に使われたり、体の熱をとる為にアイスハーブティーにすることが出来る万能な草。


「これがミントか。」


葉っぱにいくつもの線が入っており、そのミントは独特の匂いを放っていた。


「おっ!こっちの草も見たことない!」


【鑑定】


『龍華草』⭐︎⭐︎⭐︎

龍の魔力の残り香が1000年程充満した地域に群生する草。そのままで食べると魔力が30%回復する。


「おぉ!なんか珍しそう。それに何だろう?コンソメ?に近い匂いがする。もしかして調合だけじゃなく料理にも転用出来るかも?」


貴重そうだし、それに結構群生してるから全部持っていくか。またいつ来れるかわからないし採れるだけ採っとかないとな。


「こんなに良いものがあるなんて運がいいなぁ。」


流石LUK960の力だな。良いものが見つかりやすいから色々有難いな。


さらに奥に進んでいくと薬草やら毒消し草など色々な草を見つけることが出来た。


「そろそろ引き返すか。」


時間になりそうだしな。それに結構採れたし森に入ることはクエストで行くぐらいになるかな?







湖の場所に戻るとエルバサはまだ来ていなかった。


「まだ少し早かったかな?」


じゃあエルバサがくる前に一回採ってきたやつを整理してみるか。


今回の採取品

薬草:10

毒消し草:5

ミント:8

龍華草:10



「このぐらいかな?それに龍華草以外に特に珍しい物は無かったな。」


龍華草を採った後奥に行ってみたけど、薬草と毒消し草ぐらいしか見つからなかったな。オオカムヅミノ葉とかあったら良かったのになぁ。もう一本あったらギルドで売ってみてどのぐらいの値段になるか試したかったな。


「オオカムヅミノ葉か・・・・売ったら最低1万カル

はいくだろうな。」


そんな事を言っていると上から声が聞こえた。


「おぉーい!主人よ!ただいま戻ったぞ!」


「お疲れ様。言っていた物はあったか?」


「うむ!この実じゃろ!」


エルバサの手のひらには数十粒の胡椒の実があった。


「おぉ!これだよ!」


「それと果実じゃったか?色々持ってきたぞ!」


エルバサのもう片方の手から溢れる程の果実が出てきた。


「多くないか?」


「いやのう、群生しておったからの。これはいいと思って色々拾ってきたのじゃ。多分全て高級品じゃよ。」


ほーん。鑑定で見てみるか。


【鑑定】


『パープルブドウ』⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎

糖度がとても高く、標高1000mより上にしか育たない。


『アイスオレンジ』⭐︎⭐︎⭐︎

冷たい色をしているオレンジ。実は冷凍みかんのような甘さと食感になっている。


『レッドアップル』⭐︎⭐︎⭐︎

全体的にとても赤くなっているりんご。糖度が高く実はとても甘い。しかし、タネは食べると猛毒状態になる。


『ヒールピーチ』⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎

食べると体力が大幅に回復する。料理するとさらに回復量が上がる。


「全部すごいんだが?」


「ふふん!そうであろう!なんせ未踏の山の食べ物じゃからの。全てが高級品なのじゃ!」


未踏の山?単語だけ聞くとおおよそ人が入れそうにない場所だな。まぁ、まだ確か昨日が配信日だったか?始まって2日目だしリアルでI年ぐらい経てば自力で行けるようになるかな?と言ってもそんな危険そうな場所極力行きたくないけどな。


そう心の中で言いながらエルバサが持ってきたものを全てアイテムボックスの中に入れた。


「さて、そろそろ帰ろうと思うんだけど・・・・。」


チラーっとエルバサを見る。


「ん?どうしたじゃ?」


「エルバサみたいなやつが街に入ると確実に大騒ぎになると思ってな。」


「うーむ・・・・小さくなれば良いのか?」


「まぁ、最低限は。」


「だったら!」


そう声を出すとエルバサの体が光ると共に縮小し始め、ギリギリ俺の肩に乗れるぐらいまでに小さくなった。


「これで大丈夫かの?」


「・・・・お前そんな芸当も出来たんだな。」


「何を言っておる。儂は聖天龍だぞ?不可能など少ししかないわい。」


少しはあるんだな・・・・。


そして街までエルバサを連れて戻って行った。



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