第5話 上司妻、義両親とパチンコ


タイムリープした私は投資をしてお金を増やそうと思ったけど…


うん、全く知識がない。


幾つか解っている事は、金と原油が一回も下がらなかった事。


あとは幾つかのスマホのゲーム会社の株が上がった事だけ。


この2つの先物取引とゲーム会社の株に自分のお金を投資した。


これは結婚前の私の貯金だからこれは財産分与しないで済む。


これで離婚で多分お金に困る事は無いわ。


旦那のお金は貯金しないで良い。


ボーナスも何もかも義実家に貢献すれば良い。


親孝行に使っている以上揉めても言い訳は充分たつ。


貯金なんてゼロで良いんだから楽な物ね。


◆◆◆


この日から私は日記をつける事にした。


この日記の情報は歪めてある。


すべての事を歪曲して書くようにしてある。


例えば


「これ、まるで浅草堂のみたいに美味しいね」


そう褒められても


『折角好物を作ったのに、有名なお店と比べられて辛かった』


そう書く。


なんでもかんでも歪めて書いていく。


恨みの日記帳だわ。


◆◆◆


それと同時に、上司の奥さんには付け届けを送るようにして、仲良くするようにしたのよ。


近くに住む植木部長の奥さんや竹中専務の奥さんの家に顔を出すようにしたわ。


植木部長の奥さんは旦那が部長なのを鼻にかける事で嫌われ者…おだてていれば簡単に仲良くなれる。


だが、付き合うとマウントをとられ、こき使われる様になるから前は絶対に関わるのを辞めようと思っていたのよね。


この奥さんと仲良くしていても百害あって一利も無いから。


旦那の会社で植木部長は親類のコネで部長になっているだけの人間で仕事が出来ない。


前の私なら自分から近づいたりしない。


だが…今は違うわ。


「あの、本当に宜しいの?」


「草むしりは任せて下さい! いつも旦那がお世話になっていますから」


「あら、本当? 悪いわね」


そう言いながら悪びれも無くリビングでジュースを飲みながらスマホを弄っている。


これで良い…この辛さは何時か、私の物じゃなくなるからね。


◆◆◆


しかし、しぶといわね。


キャバクラにはある程度の頻度では行くけど、それだけ。


毎回指名を変えているみたいで特定の子は出来ていない。


ある意味、健全と言えるわね。


服装もブランドに代えて少し派手にしてみたけど興味なさそうだ。


困ったわね…流石は和也さん。


私はこの真面目さに惚れたのよね。


心が少しズキッとした。


今、目の前に居る旦那は、私が絶望した時の旦那じゃない。


真面目な和也さんだ…


『駄目…今は凄く良い旦那でも5年後には…私を裏切り他の女に子供を作らせたクズだ』


そう思い、メンタルを保った。


「ねぇ和也さん、パチンコいかない?」


「俺は余り興味無いんだけどな」


「最近ではアニメのパチンコとかもあってね、結構楽しめるのよ…それにお義父さんやお義母さんも好きみたいよ…」


「あの…裕子、お前俺の両親と仲直りしたのか?」


この頃はまだ、両親の洗脳が完全に解けて無かったのよね。


切り離し始めたけど、何かと両親を気にしていて。


『どうにか仲良く出来ないか』ってしょっちゅう言っていたわ。


「そうなのよ! 仲直りしたのよ…気晴らしに、お義母さんやお義父さんを誘っていこうと思ったの」


「両親と仲良くしてくれるのか?助かるよ…うん、そういう事なら行こう」


早速、義両親を誘ったらOKが出た。


当たり前だよね…あの二人の趣味はギャンブルなんだから。


お金が無いから控えているだけ。


あの15万円の仕送りも半分はギャンブルに消えているんだから。


車で両親を迎えに行き、少し離れた大きなホールに行ったわ。


「さぁ、着きましたよ!」


「あれ、うちの方のパチンコ屋より随分大きいのね」


「何倍もあるんだな…驚いた」


「何故、此処迄来たんだ、なにか理由があるのか」


「ええっ、此処にはアニメをモチーフにした台もあって和也さんも楽しめると思ってね…あと詳しくは知らないけど換金率が良いんだって…」


「そうなの」


「ええっ」


「それじゃ、皆さん軍資金です! 1人1万円ずつ…最初に言っておきますけど? 大きく勝った人が出たら、今日の夜のお食事はおごりですからね」


「家族でこう言うのも良いわね」


「まさか、和也や裕子さんとパチンコをうつ日が来るとは思わなかった」


「俺もだよ…裕子ありがとうな」


「そうね…それじゃ楽しみましょう」


私は皆に1万円ずつ配り1円パチンコのコーナーに向かおうとした。


「あれ、裕子さんはうたないの?」


「私もパチンコは好きなんですが、長い事していると目が悪いせいか頭痛がしてくるんです…だから1パチで少し遊んで、併設されたカフェで休んでいます」


「そう、解ったわ」


結局、この日はお義父さんは2箱、お義母さんは1箱、和也は1箱だしたそうだが、結局は全部飲まれた。


「今日は誰も勝てませんでしたから、残念会の回転寿司です…次回は誰かしら勝って焼肉でも奢って下さいね」


「次回は母さん頑張るわよ」


「父さんだって負けないぞ」


「それじゃ俺も」


馬鹿ね…3万円あれば、そこそこの店で焼肉なんか食べれるのよ。


「楽しみにしていますね…」


このイベントを上手く使えば…和也をギャンブルに嵌める事が出来そうね。





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る