第4話 義両親に孝行
「お義父さま、お義母さま、遊びに来ちゃいました」
「貴方、随分暇なのね…」
「来るのは良いけど、和也の方は大丈夫なのか?」
「和也さんは今日も会社の接待で、夜遅いそうです」
という名目でキャバクラ通い。
何回か行かせたら無事嵌まりました。
自分から、お小遣いの追加を頼んでくるようになったから、うんうん、育ち初めているわね。
「そう、それなら良いけど? 今日はどうしたの?」
「随分、急にくるんだな…」
「実は、東京ホテルのディナーのブッフェの予約がとれたんです。和也さんがいけないんで、良かったら代わりに行きませんか?」
「えっ、良いの?」
「悪いな」
「ええっ、確認したら1人追加でもOK貰えたんで3人で楽しんじゃいましょうよ! お義父さんやお義母さんと行けば、和也さんにも文句は絶対言われないし、浮気とかしたなんて言われずに済みますから私の為でもあるんです…それに実母を亡くしたばかりなので、こうしてお出かけ出来るのも楽しいんですよ!」
「そうね、私達と出かけるなら和也は絶対に文句は言わないわね」
「そうだな、これは親孝行だから、文句なんて言わないだろう」
「それじゃ行きましょう」
暇さえあれば義実家に顔を出してご馳走をする。
そして…
「じゃじゃ~ん! プレゼントがあるんです!」
「今度はなに?」
「この上プレゼントまであるのか?」
「はい、どうぞ!」
「このバック…セラビトンのバックじゃない? 高かったんじゃないの?」
「ええっ、少し高かったですが、お義母さん、前に欲しがっていたでしょう…無理して買っちゃいました」
「俺のは、おいおい嘘だろうローリックスじゃないか…」
「ステンレスのシェルモデルです、何時か金無垢買いますから、今はこれで勘弁してください」
「いや、勘弁するも何も、こんな高級腕時計、俺にはこれで充分だ」
「そうですか、それじゃ、次はまた違う物を考えます」
「なんだか、ごめんなさいね…貴方がこんなに親孝行だとは思わなかったわ」
「俺も、色々言い過ぎた…すまないね」
「良いんです! 私、母が亡くなって思ったんです…親孝行は生きているうちしか出来ないって…これからは、その分まで併せて孝行させて頂きます、これは私がしたくてしているので気にしないで下さい」
「「裕子さん」」
2人とも感動した目でこちらを見て来るわね。
毎月、仕送りをしてくれて、自分を立ててくれる理想の嫁。
毒親でも優しくなるわよね…
まだまだ頑張るわよ!
美味しい物を食べさせて、高額な物をプレゼント。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます