第3話 どうでも良いから節制をしない


「あなた、少しは気晴らししてきたら?」


そう言って私は追加のお小遣い3万円渡した。


「まだ新婚なんだから、すぐに帰ってくるよ」


まだ、真面な和也に申し訳ない…だが、私は決めたんだ。


「あのね、和也は若いからまだ解らないだろうけど、接待も仕事の一つなのよ?今から適度な飲み方を覚えないと大変な事になるわ! 接待では女の子のいる店に行く事もあるんだから、慣れて置いた方が良いわ」


「そうなのか…悪いね」


「良いのよ、さぁうちの事は良いから遊んできて」


「そう…」


新婚でこんな事言っていたら可笑しく思うわよね…


今は私を愛していても5年後には私を裏切る存在。


だから、悔しいし、寂しいけど…もう諦める事にしたのよ...


◆◆◆


「貴方、お帰りなさい…今日の晩御飯は貴方の好きな酢豚よ…ミニ焼肉丼も用意したわ」


「俺の好物ばかりだ…ありがとう!」


良いのよ。


前の私は和也さんの健康を気遣い、健康的な食事を作っていた。


和也さんの会社の健康診断の数値は結構悪かった。


だから、減塩したり、砂糖の代わりにオリゴ糖を使ったり凄く工夫していたのよね…おかげで前の時は和也さんの数字は凄く安定していた。


だけど、今回は関係ないわ。


最悪、5年間生きてくれれば良い。


元から和也さんは太りにくく目には見えにくい隠れ肥満タイプ。


砂糖も脂肪も解禁。


思う存分使うわよ。


飲み物も今迄は、健康に良いグアバ茶や健康茶、飲み物はシークワーサーとかチョイスしていたけど…これからは和也さんが好きな、砂糖タップリ入れたミルクコーヒーにコーラも解禁。


面倒くさければワックのハンバーガーにポテト、ピザも良いわね。


「任せて置いて、明日はピザをとるわ!サイズはL、タップリ食べてね」



和食を止めて洋食にシフトチェンジ。


糖尿病になれ…高血圧になれ…腎臓壊れろ。


願いを込めて脂質の高い、味付けの濃い料理をつくるか買う。


「ピザかぁ、凄く楽しみだ…」


「あっ、だけど、飲みに行きたければ飲んで来ても良いからね」


「そうだな…解ったよ」


お酒を飲んでこの生活…きっとすぐに元の数値に戻るわ。


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