第2話 義実家へ...毒親復活!
「今更、あんた何しにきたの! 嫁の癖にあれ程生意気な事言って、どの顔してこの家に来れたのかしら?」
「俺を寄生虫と呼んだ、あんたが、良く顔を出せたもんだ」
夫の和也には『寄生搾取する両親』が居た。
私と付き合うまで、和也は給料の大半を搾取され、お小遣いを貰う生活をしていた。
そこから救いだす為、私は時には怒鳴り合いをして切り離した。
この時の私はまだ、揉め始めたばかり…ようやく切り離しが成功した時点だ。
「いえ、私も言い過ぎたと思いました…先日私も母を亡くしまして少し反省した所なんです…まずはお詫びをしにきました」
そう伝え、義母の大好きな茶巾寿司をデパートで買ってきた。
「手土産を持ってきたのね…話位は聞くわ」
「まぁ、話位は聞くから、上がれや」
自分に有利になる話になったせいか、急に態度が変わった。
「それで、どの様に解ったというのかしら?」
案外、可笑しな親の中では真面なのか…有利な話だからか、茶巾寿司の1個が私の前に置かれお茶もある。
「確かに私は生意気過ぎでした!口の利き方も悪かったと思います…ですが新婚なんで許して貰えませんか…」
「それは良いけどね」
「まぁ生意気だったのは置いておいてこれからどうするかだ」
「取り敢えず、お義父さんやお義母さんに生活費として15万円送金しようと思いますが…如何ですか?」
「あの…ほんとに良いのかしら?」
「それ、本気か?」
「生意気言ってごめんなさい…それで暫くの間、約5年位は毎月15万円程仕送り致しますので2人で暮らす事を許して貰えないでしょうか?」
「「15万円?」」
「少ないと思いますが、流石に新婚なんで…2人で暮らしたいんです、それが精いっぱいのお金なんです…それでお許しいただけませんか?」
「最初から、そう言えば良いのよね…お父さん」
「そうだよ…ちゃんとしてくれるなら、新婚の裕子さんの気持ちも解るし…なぁ…最初からこういう事なら文句なんて言わなかった…行き違いだな、お互い様で良いよな…母さん…」
「ええっ…だけど、その、この齢だから…老後も気になるわ」
「5年を目途に一緒に暮らしませんか? 新婚を楽しむのは5年で良いって私は思っています…その5年でお金を溜めて二世帯住宅をどこかにローンですが買い一緒に暮らそうと思っています…如何でしょうか?」
「「二世帯住宅?」」
「はい、言ってはなんですが、この家は結構傷んでいますし、階段もきつそうです…バリアフリーに治す位なら、引っ越した方が良いと思います…お風呂も小さいですし、駄目でしょうか?」
「駄目も何も、それで文句言う訳ないでしょう…はぁ~私も言い過ぎたわ…悪気はなかったのよゴメンなさいね」
「そこ迄してくれるなら、そうだ、その時が来たらこの家を売って、頭金として少しだそうかねえ、母さん」
くっ、思ったよりこの寄生虫優しい…
「それは気にしないで良いですよ!親を見るのは子の義務ですから、そうですね売ってご自身の生活を潤う物にしても良いんじゃないですか?私も和也も親の財産を欲しいとは思いませんから、5年後の同居に向けて売却して趣味のお金にでもしたら如何でしょうか?」
「そうね…それ凄く良いわ」
「ありがとう…」
「いえ、ただ、これは私の考えです、和也には折を見て話すつもりですので、その際にはまた力を貸して下さい」
「解ったわ、お願いね!」
「母さん、折角だから、寿司でもとろう! 裕子さんも晩飯はまだだろう? 良かったら食べていってくれ」
「ありがとうございます」
これで毒親復活。
どうなるか…楽しみだわ。
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