第14話 再会

(なっなんで、あの人がいるんだよ!?)


自分達の教室に戻る。周りはあの人の話題で持ちきりだ。


「あの先生めっちゃ美人じゃねー?」


「なにあの雰囲気とても新任に見えないんだけど」


「思いだした!?あの人『タカノクリニック』の会長じゃない?最近メディアに出ないなーとは思ってたけど…………」


「『タカノクリニック』って言ったら毎年のように美容品の流行商品売り出す大手じゃん!?マジで!?」


「なぁ!優太!!」


勢いよく肩を組んでくる1人の男。


「痛っ………なんだよ大西」


「あの人ってもしかして、あの時のお姉さんかな〜」


「!?」


大西貴大(おおにしたかひろ)…………彼は以前、公園であの人にハグされたことがある。それを彼は忘れてなかった。


「人違いだろ?」


「やっぱ、そうかな〜。そんな訳ないよな〜」


「お前…………別のクラスだろ?早く戻った方がいいんじゃない?」


「いやぁ〜。少なくとも、もしあの時のお姉さんだったとして今年1年は俺達の教科担任か〜楽しい1年になりそうだぜ」


「!?」


今年度より1年の理科を担当させていただきます



「また後でな!優太!!」


「…………おう」


あの人が俺の教科担任…………事態を全く俺は飲み込めていない。


「優太くん…………」


着席して早々、優美ちゃんが心配そうな顔で話しかけてきた。


「よっ、良かったね!久しぶりにお会い出来て」


「……………」


「喧嘩別れしたって聞いてたし…………ちょっと心配だったんだ…………」


「……………」


「まっまぁ、積もる話は山程あるだろうけどさ!まずは再会を…………」


「ゴメン優美ちゃん。ちょっと1人にしてくれないかな?」


自然と口調が強くなっているのを感じた。


「ごっゴメンね!落ち着いたらまた声かけるから…………」


優美ちゃんは察して離れてくれた。


(なにやってんだ俺は…………優美ちゃんは全く関係無いだろうが!?)


自分をぶん殴りたい気分になる。


「あっ、えっと神谷くん?もうすぐホームルームだから教室から離れない方がいいんじゃ…………」


クラスの見ず知らず女子に呼び止められるが、気にも止めず廊下に出る


「ダァーーー!?」


扉を開けたと同時に顔が柔らかい何かに激突し、身体が倒れる。


「あら…………ごめんなさい。1年B組ってここよね…………ってあら優太じゃない?」


「!?」


まだ顔はハッキリ見てないが、間違いない…………あの人だ。


「久しぶりね。元気してた?」


手を差し出すあの人。俺は自力で立つ。


「……………まぁ。当然の反応よね」


小声で何か呟くあの人。


「…………君、座りなさい。ホームルーム始めるわよ」


「!?」


ホームルームを始めるだと…………まさか…………そう答えは1つしか無かった。


「これから1年。この1年B組を担任します。高野雪子です。皆よろしく〜」


俺のクラスが歓喜で湧いた。

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