518 さらばアメリカ、そして……
崇秀に『奈緒さんの機嫌を直す方法』を伝授して貰った俺。
後は、それを理解して上で、日本に帰るだけなのですが……その前に(;゚Д゚)
***
「……ってな企画なんだが、どうだ?」
「いや、どうもこうもねぇよ。毎度毎度の事ながら、よくもまぁ、そんな女心を突いた、いやらしい作戦を思い付いたもんだな」
「はぁ?こんなもん、普通だつぅの。大体にしてな、倉津。自分が本気で好きな女の為なら、これぐらいの事、簡単に思い付いて当たり前だぞ。言い替えりゃ、オマエの向井さんに対する愛情が足りねぇ証拠なんじゃねぇの?」
「ゲッ!!」
俺の心を抉る様な嫌な事を言いやがるな。
けど、まさにその通りだよ。
以前、奈緒さんにも一回同じ様な事を言われてる(1章11話参照)から、結構、胸が痛いわ!!
コンチキショイめ!!
「……あぁ、若しくはだな」
「若しくは?……若しくは、って事は、なんか他にも可能性も有るのか?」
「あぁ、有るぞ。若しくはだな。オマエが、彼女の中で『恋人』と言うより『愛眼動物』に成り下がってるんじゃねぇかって可能性がな。だからこそ『思考停止が許されてる』のかもしれねぇな。……まぁ、このどっちかじゃね?オマエ、心当たりはないか?」
「グゲッ!!」
くそ~~~!!言いたい放題だなオイ!!
けどな、こんなに滅茶苦茶貶されてるって言うのに、まったくもって二の句が出ねぇんだよな。
それに、心当たりの有無以前に、心当たりしか見あたらねぇわ!!
だってそうだろ。
これも同じく、その際に言われた話なんだがな。
奈緒さんが何気に言った『萌』の話、あれって、崇秀が、今してる会話と同じ事だろ。
ならこれを『愛眼動物』と言わずして、なにを『愛眼動物』って言うって言うんだよ?
……最悪だよ。
まぁ、そんな訳が有りまして。
あっしの心に、再び、言葉の矢が突き刺さって抜けやしねぇんでやすよ。
……けどな、ナンダカンダ言った所で、結局の所、こうやって理解してても、一切反省出来ない俺が一番問題なんだけどな。
ダメだな俺って。
「まっ、総体的に言って、もぉ少し『彼女の気持ちも考えてやれ』って話だな」
「はい、左様でございますな。全くもって、面目ございません」
「おっ、少しは反省したみたいだな。……んじゃあ、そろそろ時間も頃合になったみてぇだし、倉津、移動すっぞ」
「移動って……こんな時間から、何所に行くんだよ?」
「ヘリの発着所。んで、空港に着いたら、そのままプライベートジェットで、日本まで吹き飛んで帰れ」
にゃに!!
「オッ、オイ……オマエ、んなもんまで所持してやがんのかよ?」
「脳タリンかテメェは!!幾らなんでも、んなもんまで持ってねぇつぅの!!緊急事態だから『ある人』に頼んだんだよ」
「誰?誰のん?」
「あぁ、もぉ、良いからよぉ。オマエは、んな余計な詮索はしなくて良いの。今は、向井さんの事だけを一心不乱に考えとけつぅの。このボケ」
「さよどすか。あ~~~い、ちゅんまちぇん」
んで、この後、崇秀のバイク(無免許)に2ケツして、ヘリの発着所まで一気に送って貰い。
そこから文字通りヘリに乗せられ、ニューヨークまでランデブーさせられる。
んで、そのヘリに乗る際にな。
崇秀の馬鹿が、なにやら不穏な事を言ってくるんだよ。
こんな感じのセリフ(↓)
『あのよぉ、倉津。これさぁ、最近『親父が作ったサプリメント』なんだけどよぉ。向井さんと仲直りが上手く行ったら、その後に試してみてくれよ。んで、結果を報告してくれ』
……なんて。
なんとも胡散臭い言葉と共に、満面の笑みを浮かべた崇秀から、なにやら『如何にも怪しげな薬』を手渡されたんだよな。
勿論、見ただけで嫌な予感しかしないのは言うまでもない。
更に言えば、遺伝子工学者のコイツの親父が作ったって時点で怪しさは倍増する。
ハッキリ言ってしまえば『人体実験じゃねぇの?』っとさえ感じてしまう。
故に、本来、通常状態の俺ならな。
こんな『なにを引き起こすかも解らない様な胡散臭い薬を飲む』なんて愚行は、なにが有っても避けたい所なんだがな。
今回に限っては、そうは行かない。
『奈緒さんの機嫌回復クリスマス大作戦』で、崇秀には、これだけ大きな借りを作ってしまっているんだから、怪しいと解っていても、非常に断り難い立場に追いやられてる訳だ。
つぅか、断れる訳がない。
故にだ、諦めにも似た気持ちで、これを仕方なく了承する。
(;´д`)トホホ……
ほんでだ。
俺が、そんな気分になっているにも拘らず。
空港に到着間もなくして、誰の物かも解らないプライベートジェットに押し込まれて『日本に強制送還される』と言う離れ業でトドメを刺された。
まさに『とほほの極み!!あぁぁぁぁ~~~』と言えよう。
……でな、俺、此処で、ちょっと思ったんだけどな。
結局、俺……『なにしに、アメリカくんだりまで来たんだ?』
だって、年末年始の崇秀の目的が多少解ったとは言え。
実際の処、それ以外の所では崇秀がなにを考え、なにを仕出かすかも解ったもんじゃない。
本当の意味での真相が解らなかった以上『これじゃあ意味なくね?』って感じなんだよな。
そんな虚しい気持ちと共に、俺を乗せた飛行機はニューヨークを後にして行った。
ホント、(;´д`)トホホだよ。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【後書き】
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>
これにて第十九話【即座にさようならアメリカ】は終了になるのですが……如何でしたでしょうか?
まぁ今回の件で一言だけ言える事があるとするならば。
『友達に頼まれた事も大事ですが、一番大切にしないといけない人に、もっと目を向けるべきだ』ってお話ですね。
こう言う事態が発展すると『私と仕事、どっちが大事なの?』なんて話にも成り兼ねませんからね(笑)
さてさて、そんな中。
後は日本に帰って、奈緒さんの機嫌を直す事が次回からのメインに成って来る訳なのですが。
此処でまた、崇秀が何気に渡した薬が、とんでもない事件を引き起こしてしまいます。
そして、それを象徴するかの如くのタイトル!!
第二十一話【Trance・Chenge-Dream(彼氏が彼女に着替えたら編)】です。
何が起こるのやら(笑)
(*'ω'*)b
最後まで奏でられなかった音楽(シーズン3) 殴り書き書店 @nagurigakisyoten
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