510 話の流れ

 ボブの正体を話していた筈なのに、まったく関係ない様な『人を試す』っと言う行為の話になりやがった。


つぅか、この話に、なにか繫がりでもあるんかの?( ˘•ω•)?


***


「ちょっと待て。俺は、オマエを試した事なんぞねぇぞ。つぅか、オマエなんぞ破天荒過ぎて、試す気にもならねぇよ」

「そうか?けどそれは、オマエがそう思い込んでるだけじゃねぇか?現にオマエ、俺の事を、結構、試してるぞ」

「なんだよ、それ?なんか証拠でもあんのかよ?」

「あるね。往々にしてあるね」

「だから、なんなんだよ、それ?」


記憶に全くございませんな。


大体な、俺が崇秀の馬鹿を試すほど、頭が良いと思うか?

それだけでも、それ以前の問題だろ。


故にだ、試す程の技量が無い訳だから、試したくても試せないのが現状。


この話自体、無理じゃね?



「オマエと良くやる『賭け』だ。あれこそが、オマエが、俺を試してる証拠だ」

「なんでぇ?あぁ言うおかしな賭けは、大体、オマエから持ちかけて来るじゃねぇかよ。俺から、オマエに持ち掛けた事なんて殆どねぇぞ」

「甘い見解だな。オマエは、そんな事を言いながらも、確実に、そうやって俺を試してる」

「だからなんでぇ?」

「オマエさぁ。頭悪いからって、そうやって、いつも人の提示する賭けに、直ぐに乗っかるだろ。それってな。実は、密かに相手を観察してるのと同じ行為なんだぞ。それも試すってカテゴリーに入るんだけどな」

「がっ!!」


そっ、そう言う捉え方ってさぁ。

ちょっと曲解し過ぎた、卑怯な捉え方じゃないのかね、仲居間君。

そりゃあよぉ、ナンダカンダ言いながらも『賭け』をしてる以上、自分が勝つ為に優位な立場を作ろうとして、相手能力の限界ギリギリの部分を突くのは否めない話だけどよぉ。


俺自身が賭けを仕掛けてない以上、逆に言っちまえば、圧倒的な不利な状態になるだけなんじゃねぇの?


これでも『俺が試してる』って言える?


俺……また、体良く騙されてないか?



「まぁつってもだ。オマエの場合は、掛け値なしの馬鹿だから、そんな高等な真似はしてねぇだろうけどな」

「じゃあ、なんも試してねぇじゃんかよ」

「そうか?じゃあ、なんでオマエは、俺の人と成りが解ってるんだ?」

「そりゃあオマエ。これだけ付き合いが長ければ、今程度の事なら、誰にでもわかんだろ」

「ほれ、見ろ。試してんじゃねぇかよ」

「だから、なんでそうなるんって?今の話じゃ、そんな方向にはイカネェ筈だぞ」


この調子だと、このアホンダラァは、また変な屁理屈言うぞ。



「簡単だろうに。人と付き合うって事はな。基本的に相手を理解しようとする行為なんだよ。=関係に置き換えた場合『付き合う』と『試す』ってのは表裏一体になって、自然に行われてるって行為だって事だ。普通、この程度の事、直ぐに気付かないか?……ホント、強烈なボケだな、オマエって」

「なんだ、そりゃあ?そんなんじゃあ、なんか納得し難い解答だな」

「じゃあ、聞くがよぉ。オマエ、向井さんと付き合ってる行程の中で、彼女を1度たりとも試した事はないか?」

「ギャボ!!そこか……それだと、流石に解り易いな」


『有る』って言うか……『有り捲くり』

つぅか、事ある毎に、毎度毎度『試し捲くってる』な。


・・・・・・うんうん、人を試す事は、相手に興味を持ってるんだから、決して悪い事じゃないな。


お互いが、より解り合うには必要な事だ。


間違いない!!

(↑都合が悪くなると、相手の意見に屈する俺)



「はぁ~~。この馬鹿、漸く理解しやがったよ」

「けどよぉ。なんかオマエの話を聞いてると、人間不信になりそうだな」

「フフッ……良い所に気が付いたな」

「なにがぁ?」

「いや、この話ってさぁ。聞かなきゃ良かったと思ってねぇか?」

「まぁなぁ、あんま良い話じゃねぇからな」

「うん。だったら、さっきも言った様に『知らなくても良い事なんて世の中には一杯ある』んじゃねぇの?」

「がっ!!」


コイツ……なんの話をしてるのかと思ってたら。

今まで俺が疑問に思ってた全ての話を、上手く連結してやがったのか。


なんて野郎だ!!


つぅか、最初から、そこが狙いだったんだな。


くそぉ~~!!そう言う事かよ!!



「ほぉ~~~、凄い言い回しもあったもんだな。最初の話と上手く噛み合わせて、全ての話を上手く纏めちゃったよ」

「いやいや、これに至っては、故意的に纏めた訳じゃねぇよ。倉津が馬鹿だからこそ、偶々そう言う方向に行っただけのこった。……要するに『ちょっとした言葉遊びをしてた』に過ぎねぇってこったな」

「オイオイ、人を出汁に使って、勝手に遊ぶな!!それと、易々と人様の事を馬鹿馬鹿言ってんじゃねぇぞ!!今さっきのは、ちょっと誘導されただけだ!!」

「いや、真琴……それを馬鹿って言うんじゃないのか?」

「アホボブ!!そこは、もっと激しく突っ込めつぅの!!マジに答えんなよな……切ねぇわ」

「そっ、そうなのか?わっ、悪ぃ」


なるほど。

人は予想してない方向に話しをすると、こんな反応になるんだな。


今のボブを見てそう思えた。


だから、これが解っただけでも、今回に限っては、馬鹿扱いされた価値が有ったてもんだな。


儲けた、儲けた。


だから序に……



「っで、結局、ボブの正体って、なんなんだ?」


そして、俺は懲りない(笑)


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【後書き】

最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>


倉津君は、不屈のアホンダラァですね(笑)

この様子からして、何がどうあっても、ボブさんの正体を知りたいみたいです。


まぁ本当の事を言えば、あまり知らない方が良いんですけどね(笑)


って感じで、次回はボブさんの正体について話して行きたいとは思いますが……まぁそこは倉津君次第と言う事で(笑)

また良かったら遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る