509 コイツ等だけは、マジで碌なもんじゃねぇな!!

 俺が大ボケをかましたのもあり。

崇秀との話を長引かせながらも、漸く崇秀との会合を果たしたボブ。


だが、その会合は、ボケとツッコミの応酬だった(笑)


ホント、コイツ等だけは……( ˘•ω•˘ )


***


「そうカリカリすんなって、冗談じゃねぇかよ冗談」

「オマエねぇ」

「つぅか、真琴。それ以前に、俺の正体なんて知って、どうすんだよ?変に詮索せず、このままの関係でよくねぇか?」

「なんだよそれ?俺、ハミ子?なぁ、俺だけハミ子か?」

「いや『ハミ子』云々より、ボブの言う事は正しいぞ」

「なんでだよ?」

「んあ?んなもん。知らなくて良い事なんて、世の中には一杯あるからだろうに。いや、寧ろ、この場合は、知らなかった方が幸せだって事の方が多いんじゃねぇか?」


詭弁だな詭弁。



「ぬぬぬ……にしてもよぉ。ボブを此処に連れて来たのって俺だろ。それって無責任過ぎねぇか?」

「あぁ良いの、良いの。そんな風にオマエがなんにも知らなきゃ、寧ろ、好都合。俺とボブの関係に亀裂が入った時、修復する役に使えるんだから、暫くは知らないままでいろ」

「確かに、それは言えたな」


あれ?これ、なんの話だ?

話の内容からして、これって、際限なく悪い方向に行ってないか?


俺……一体、何に利用されようとしてる?



「あのよぉ」

「なんだよ?」

「ひょっとして俺、ボブの件で、なんかやらかしちまったか?」

「まぁ、多少やらかした感は有るが、別に気にする程の事じゃねぇよ。遅かれ、早かれ、ボブとは、こうなる事は必須だったからな。……だろボブ」

「まぁ、そうだな。今回は真琴が居たから、タイミング良く話が進んだに過ぎねぇからな。いづれ仲居間とは、顔を合わす機会があったのだけは間違いなかったろうからな」


そうなのか?



「よく言う。オマエ、倉津がアメリカに上陸する情報を掴んで、空港で張ってただろ」


にゃに!!

ボブの野郎、そんな所から、既に、この計画を立ててやがったのか!!


・・・・・・


あぁ~~~~!!だからか!!

俺が空港に入った時、矢鱈とチラチラ見てやがると思ったら、そう言う事だったのか!!


コンチクショ!!だったら、あの時点から嵌められてんじゃん!!


案内料の100ドル返せ!!


あぁそれと序に、此処までの電車賃……は、山中持ちだから良いか。



「バレバレか」

「バレバレだな」

「ちょ、おい、オマエ等……なに、人を出汁に使ってやがんだ?」

「悪ぃ。仲居間と交渉するのに、真琴を仲介した方が上手く纏まると思ってな。利用させて貰った」

「なるほど、なるほど。そりゃあ、良い判断だ」


なぁなぁ。

なんで悪人同士ってさぁ、こんな直ぐに悪い共感をするんだ?

それによぉ、なんでそうやって、自分の都合の良い方向に正当化しようとするんだろうな?


ヤダねぇ~~~、この人達。



「あのなぁ。全然『良い判断』じゃねぇつぅの。こちとらボブのせいで、使いたくもない暴力を使う羽目になったんだぞ」

「それも悪ぃ。けど、心配しなくても大丈夫だ」


あのカツアゲにも似た行為が、心配ないとな?


……って事はだな。



「……ってオイ!!オマエ、まさか、わざとアイツ等を、俺に焚き付けたのか?」

「あぁ……まぁ、非常に言い難いんだが。大体、そんな感じだな」


最悪だよコイツ。

それって、あのハッシュって野郎は、ボブの差し金だったって話だろ。


本当にロクでもねぇ事バッカリしやがるな。


……まぁ、土産代に使う小遣い稼ぎにはなったから、別に良いけどよぉ。


人に試されるのって気分悪いよな。



「ははははっは……なるほど、なるほど。此処に来るまでに、倉津の人と成りを試したってのか。オマエ、面白い事するなぁ」

「ゴラァ~~~このボケ秀!!そんな変な事を褒めてんじゃねぇの!!俺、全然、面白くねぇし!!不愉快だ!!」

「なんでだよ?」

「アホか!!試されて、気分の良い人間なんぞ居るかぁ~~~!!」

「あぁ、それは違うぞ、倉津」

「なにがだよ?なにが違うって言うんだよ?」

「いや、だってよぉ。試されねぇ人間の方が、無価値で終わってるって事だぞ。人を試すって事は、多かれ、少なかれ、ソイツに対して興味が有るって事でもあるからな。だから、試すのは、なにも悪い事じゃないぞ」


出たよ、頭のイカレタの見解が。


んな訳ねぇだろ。

オマエだってなぁ、人に試されたら、きっとスゲェ嫌な気分になる筈だ。


やられてねぇから、そんな戯言が言えんだよボケ!!



「アホか!!良し悪しは別にしても、人を試すって事は、俺って人間を判断しきれてねぇ証拠じゃねぇかよ。それのどこが良いんだよ」

「なんだ、それ?新しいボケか?」

「違ぇつぅの!!マジで言ってんの!!」

「オマエねぇ。ドンだけ頭悪いんだよ?首の上に飾り付けて、出歩いてんじゃねぇぞ」

「なんちゅう言い草だ。俺の頭は飾りじゃねぇつぅの!!」

「じゃあ、なんだよ。その首の上に付いてる物質は?」

「物質じゃねぇし!!天才脳が詰まった頭だし……つぅか、んな事より、なんでそうなるんだよ?」


頭の話の云々は抜いたとしてもだな。

俺、今、なんか間違った事を言ってるか?

世間一般じゃ『試す』って、そういう理屈の元で成り立ってるんじゃねぇの?


これってよぉ、俺にしては珍しく極めて全うな意見じゃね?



「全くオマエって奴は、果てしなく面倒だな。あのなぁ、倉津。じゃあ、逆に聞くがな。向井さんと初めて出逢った時、オマエは、彼女の全てを理解出来ていたのか?オマエの言い分だったら、それが100%出来てねぇと立証されねぇ案件だぞ」

「むぐっ!!」

「それにだ。オマエだって、密かに俺の事を試してんじゃねぇかよ。それは、どう説明するんだ?」


はい?なんの話だ、それ?

言うに事欠いて、オマエをみたいな珍妙で奇妙奇天烈な生き物を、俺が試しただと?


俺、そんな器用な真似した記憶がねぇんだけど……


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【後書き】

最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>


世の中には知らなくても良い事が沢山あります。

知ってしまったが為に、後悔する事も多々ありますしね。


……ってな訳で、妙にボブさんの正体を隠そうとする2人。

だが、それに納得出来ない倉津君は食い下がって行きますが……さてさて、どうなる事やら。


っで、そこは次回の講釈。

また良かったら遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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