506 もぉ……どっちやねん
話をしている中で、意外な事に『俺の頭が良い』と言い出した崇秀。
さてさて、その理由とは?
なんじゃね、それは?(。´・ω・)?
***
「いや、だってよぉ。オマエの作った『2B-GUILD』。あの発想は、俺には無かったからな。オマエが造ったって聞いた時はスゲェ感心したんだぞ」
「はぁ?そんなもん、オマエのやってる事に比べたら糞みたいな話だろ」
「あんま馬鹿言ってんじゃねぇぞ」
「なんでだよ?」
「あぁ言う奇抜な発想こそ、これからの時代には必要な事なんだよ。それを糞みたいな事と認識してるなら、オマエは、相当な天才だよ」
「はぁ?それは嫌味か?」
「だから、ちげぇつぅの。斬新なアイディアこそ宝なんだよ。俺のやってる事は、所詮、過去のデータを解析して、それを有用に使ってるだけに過ぎないからな。オマエのやった事とは少々矛先が違うんだよ」
あっ、あれ?この言い様。
まっ、まさかとは思うが、コイツ、マジで言ってんのか?
「あっ、あのよぉ、オマエさぁ。マジでそんな事を言ってんの?」
「あぁ、大マジだ。その証拠にだな。色々面白いアイディアを考えるオマエには、勝手に人が寄ってくる。これは人を惹き付ける魅力の差だと、俺は認識してるぞ」
「いやいやいやいや、あれに関しては偶々なだけだろ。狙ってる訳じゃねぇんだよ」
「うん。なら、尚更、良い事だ」
「なんでぇ?計算出来ねぇアホなだけじゃねぇかよ」
「死ね、ボケ。ほんとオマエって奴はムカツク野郎だな」
「ちょっと待て!!なんで俺が、オマエにムカつかれにゃあならんのだ」
あのよぉ。
どう考えても、崇秀の方が良い処尽くめだろ。
なにを言ってんだよ、コイツは?
「あのなぁ……はぁ、もぅ良い。面倒臭ぇ」
「いやいやいやいや、ちょっと待て、ちょっと待て。なにが良いのかサッパリわかんねぇぞ」
「あっそ。じゃあ、ハッキリ言うがな。俺みたいな主従関係にも似た『作られた人間関係』と、オマエみたいな『自然発生した人間関係』普通に考えてどっちが良いよ?」
「いや、それ以前に、そんな事はねぇだろ。オマエの作り上げた人間関係ってのは、そう簡単に壊れる様なヤワなもんじゃねぇ。寧ろ、強固に固められた城壁みたいな人間関係だ。比べる事自体間違ってるだろ」
「ヤッパ、オマエ、間抜けだわ。なにも解っちゃいねぇ」
「なにがだよ?」
わかんねぇ奴だな。
「良いか、倉津?俺の人間関係ってのは『利潤を追求したスタイル』だ。お互いに利益があるからこそ成立する。だが、オマエの人間関係ってのは自然に発生したもの。多少の利益換算は頭の中に有るだろうが、仮に、それが無くなっても切れる様な縁じゃない。明らかに、オマエの持ってる縁の方が人としては有用なんだよ」
「そう言うけどよぉ。オマエだって良い縁を持ってるじゃねぇかよ」
「ステラに裏切られた俺がか?悪い冗談だな」
ゲッ!!
「オイ、まさか、オマエ、それ、気にしてんのか?」
「な訳ねぇだろ。ステラの例は、ある意味、俺の中では一番の成功例だからな」
うん?どういう見解だ?
「はぁ?『裏切られた』のに一番の成功って……どういう事だよ?意味わかんねぇぞ」
「まぁ、普通なら、そう思うわな」
「いや、普通じゃなくても、そう思うと思うがな」
「そう思うんだったらよぉ。『普通じゃない』って方向を、もっと深くで考えてみろよ。但し、プラス思考のみを追求してな」
『普通じゃなく』て『プラス思考』?
にゃんじゃね、そりゃあ?
・・・・・・
「……ぷすぅ~~~」
「なんだ、そりゃあ?」
「いや、思考が壊れた音」
「あぁっそ。なら、もっと解り易く、頭のテッペンから煙を出す位しろ。解り難い」
「馬鹿にしか見えない、煙が出てる筈だが」
「そっか、そりゃあ悪ぃな。しかしまぁ、俺も大概馬鹿なんだが、それでも見えないって事は『相当キツイ馬鹿にしか見えない』みたいだな。レベルが高いなオマエ」
「やかましいわ!!……んな事は、どうでも良いから。サッサと教えろつぅの!!」
「わかんねぇかなぁ?相当な馬鹿にゃわかんねぇか」
「やかましいつってんだろ!!」
さっきまで『頭が良い』とか『家柄が良い』とか、ナンダカンダ言ったクセによぉ。
結局、俺の事を、最低ランクの酷い馬鹿だと思ってんじゃねぇかよ。
腹立つわぁコイツ。
「まぁ良いか。時間が勿体ねぇから、取り敢えず、話してやんよ」
あのなぁ、そうやって、説明してくれるのは結構なんだがな。
自分勝手に自己完結だけして、話を進め様としてんじゃねぇつぅのな。
なんで、こんなに自分勝手ななんだろうなコイツって?
「あぁ、左様でござんすか。馬鹿でも解る様に、宜しくお願いしま~~~すぅ」
「あぁ、わかった」
ホント、ムカツク……
「……っで、なんで成功になんだよ?」
「まぁ、これについては、単純に見解の違いの話になんだけどな。『ステラの裏切り』って言う、この特殊な事例はな。=関係に置き換えると、俺の中じゃ『自立』って話になんだよ。だからだなぁ。個人的にモノを考えて、なにをどうすれば良いかを試行錯誤してる以上、俺の中ではステラが一番の成功例になるって訳だな」
「いや、けどよぉ。そうなると『裏切られた』って事実は、何所に行っちまってるんだ?」
「んあ?何所にも行ってねぇよ」
「だったら、ちっとも良くねぇじゃねぇかよ」
「アホ。人間関係の立ち回りで、そう簡単に、あのステラが上手く行く訳ねぇだろ。それで泣き付いてくりゃあ、自分の実力も知れるってもんだろ」
コイツ、失敗を前提にしてるって事か?
けどなぁ、オマエは、そう言うけどなぁ。
最近のステラは、結構、人当たり良いんだぞ。
だから、そういつもいつも、自分の思惑通りに行くと思うなよ。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【後書き】
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>
冷静な判断の元、崇秀は、非常に倉津君を高く評価してるみたいですね。
そして、これこそが、倉津君の持つ最大の特徴……『利潤を越えた先にある人を惹き付ける才能』な訳です。
まぁ倉津君はアホなので『その面白さから人が集まって来る』所もあるんですが。
不器用で文句が多くても、その一生懸命やる姿には、人を惹きつける要因が含まれているのは間違いないと思います。
なので、自分1人でなんでもやってしまう崇秀にとっては、此処が羨ましく感じる部分なのかもしれませんね(笑)
さてさて、そんな中。
また話が別方向に向かって行ってる様なのですが、此処からどんな話が飛び出してくるかは、次回の講釈。
少しでも気になりましたら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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