505 全ての企画は繋がっていた……だと

 崇秀の企画しているフェス及び、アメリカ横断ツアーの理由。

その1つ目が、色んな意味でバンドの化学反応を起こす為の起爆剤。

2つ目が、音楽による国境の撤廃。


そして最後の1つは……


もぉ嫌な予感しかしねぇ……( ;Д;)


***


「さて、1つ回答に行き付いた所で、続いて質問だ」

「オイオイ、なんだよ?まだ、続きがあんのかよ?」

「いや、そんな心配しなくても、質問はこれで最後だ」

「そうなん?っで、なんなんだよ?」


もぉな。

この最後って言葉からは、本気で嫌な予感すらしねぇ。

事コイツに関してだけは、ホント平然とロクデモナイ事をしやがるから、俺自身が精神的な無痛症状態になってきてやがるよ。


ヤダヤダ。



「まず質問する前に、先持って言って置くがな」

「おっ、おぅ」

「これから心理的な質問はするが、オマエは、それに対してあんまり深く考えず、単純に考えろよ」

「単純にだけ考えりゃ良いんだな。あぁ、わかった」

「んじゃあ質問だ。さっきの立証された心理状態にあって、自分が行くんじゃなくて、相手から来てくれたら、どう思う?」


なんざんしょうね?

そのイヤな含みのある笑い方は?

きっと、これの解答って、相当、嫌な人間心理が含まれてる話になるんだろうな。


あぁもぉ、マジでヤダなぁ。



「そりゃあ、相当、嬉しいんじゃねぇの」

「だろ。……だったらよぉ、今さっきの俺の話で、なんか引っ掛からねぇか?」

「『引っ掛る話』だと?……うん?……って!!あっ、あぁあぁああぁ~~~!!オッ、オマエ、まさか!!」

「ククッ、そいつでご名答だ。俺がさっき言った、全米ツアーの本質ってのはな。俺が相手に対して『貸し』を作る事なんだよ。それにだ。その自ら逢いに行くって行為がカッコイイと感じたら、誰もが、この行為を真似する様になる。早い話、それこそがバンド間での新しい『絆』を産み。お互いの感性をぶつけ合って、より良いライブを構成する様になる布石。全てが『科学反応』を生み出す起爆剤になるって事だな。……どうだよ。結構、面白いアイディアだろ」

「ガッ……オマエ……よくもまぁ、そんな奇想天外な事を考えたもんだな」

「そりゃあまぁ、天才だからな」


絶対に認めたくねぇんだけど……コイツだけは、マジで天才だわ。

ギターの腕も然る事ながら、マネージメント面でも頭1つ以上抜きに出てやがる。


コイツの考えた企画の前では、俺が作った『2B-GUILD』なんて、完全に霞んじまう程にな。


けど流石に、これは口惜しいな。



「なぁ、崇秀」

「うん?なんだよ?」

「オマエってさぁ、IQ検査とかって受けた事あるか?」

「IQ検査なぁ……あぁ、それならガキの頃に、1度だけ、親父に無理矢理やらされた記憶があるな」

「そうなん?因みに、IQは幾つだったんだ?」

「いやまぁ、なんつぅか、適当にやっただけだから、あんま記憶にはねぇんだけど、確か146とか言ってた様な気はするな」

「へっ?IQがか?」

「まぁ、その頃の記憶が正しかったらな」


IQ146って、凄い化物じゃねぇかよ!!

だからコイツは、いつもいつも、こんなに多面的に物を見れるのか……


スゲェな。


しかもこの馬鹿『適当にやった』とか抜かしてやがったな。



「なぁ、崇秀よぉ」

「んあ?」

「因みに、それって、いつ調べたんだ?」

「ガキの頃だからなぁ。明確にとは言えねぇが、確か、幼稚園ぐらいだったんじゃねぇか」

「幼稚園の時に、IQテストしてたのか?」

「まぁな。つぅかな、俺の親父って、実は遺伝子工学の学者なんだよな。だから、息子のIQでも知りたくなったんじゃねぇの」

「ゲッ!!あの、目を見ただけで妊娠しちまうって噂が立つ程、女誑し全開のオマエのエロ親父が遺伝子工学の博士だと!!」

「そういうこった。まぁ、その辺に関しては『人は見かけによらねぇ』って事だな」


間違いなく、嫌な親子だな。


親父の方は、科学者になるぐらい頭が良くて、イケメン。

方や息子は、IQ146の頭脳明晰で、運動神経抜群。

ギターも天才的で、プロデュースも外れ無し。

その上、この面が付いてて、人当たりも良いと来たもんだ……


俺と比べて、不公平過ぎねぇか?



「やってらんねぇな。オマエ等、親子は」

「はぁ?なんでだよ?親父の頭が良かろうが、女にモテ様が、んなもん関係ねぇだろ。俺にとっちゃあ、あの糞親父は他人に等しい。寧ろ、気にも留めてねぇよ」


あぁそうか。

崇秀は、静流さんを不幸にした親父さんが嫌いなんだよな。


けど、不公平だって意見は変わらねぇぞ。



「だとしてもよぉ。オマエ自身だって、大概嫌な奴だぞ」

「まぁ、そうだな。確かに嫌な奴ではあるな。けどよぉ、そう言うオマエだって、他人から見りゃ大概だぞ」

「なんでだよ?俺なんかよぉ。頭は悪いし。顔は厳ついし。家はヤクザだし。なんも良い事なんかねぇじゃねぇかよ」

「いや、そうでもないぞ。オマエは、結構、頭が良い。それに、その下済みを作ったのは、他でもねぇ。そのオマエの言うヤクザって家柄だからな。全然、悪くねぇぞ」

「はぁ?なんで、そうなんだ?」


オイオイオイオイ、なんで、俺が頭が良いなんて話が出て来るんだ?

自分でこう言うのもなんだが、俺、相当、頭弱いぞ。


それによぉ、ヤクザの家柄が良いって言われても、なんともピンッと来ねぇ話だし。


なんで、そんなケッタイな話になるんだ?


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【後書き】

最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>


イカレテますねぇ。

これって、意外と些細な事ではあるのですが、他人に与える影響力は大きく。

やられた相手にとっては、心に楔を打ち込まれる様な感動的な行為だと思うんですね(笑)


しかも自らが動く分、恐ろしいほどに『ローコスト』


矢張り、マネージメント力でも群を抜いてますね(笑)


でも、そんな崇秀なのですが。

意外な事に、倉津君の事を非常に頭が良いと感じている様です。


その理由とは、一体、なんなんでしょうか?


それは次回の講釈。

また良かったら遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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