498 矢張りアクシデント発生!!
空港で知り合ったボブに道案内を頼んだ俺。
特に変わった事も無く、順調に駅まで到着しそうな雰囲気だったのだが……俺と話しながら歩いていたボブが、大柄な男にぶち当たってしまう!!
これは波乱の幕開けか!!
おいでなすったな( ̄ー ̄)ニヤリ
***
「あぁっと、すんません」
大柄な男に当たったボブは、即座に謝罪をした。
だが、それに対して、その馬鹿デカイ男はボブを見ながら、こんな馬鹿な事を言ってきやがったんだよ。
「おい、テメェ、どこ見て歩いてやがんだ。……つぅか、ボブじゃねぇか。テメェ、まだ懲りずに、この辺をウロ付いてやがったのか?」
「ハッシュさん?……あぁっと、すんません、ハッシュさん。おっ、俺、直ぐこの場から立ち去りますんで、どうか勘弁して下さい」
ボブは、揉め事が嫌いな性格なのかして、そう言うと、直ぐに俺を引っ張って、その場を立ち去ろうとする。
ちぇ……って事は、このイベントも終了かぁ。
案外、簡単に終わっちゃうもんなんだな。
「オイ、ちょっと待てよ、ボブ!!」
「なっ、なにか?」
「オイオイ、ボブよぉ。人にぶつかって置いて、謝るだけじゃ誠意ってもんがねぇんじゃねぇのか?謝罪するならするで、なんか渡すもんがあるんじゃねぇの?」
う~~~わっ!!コイツ、謝罪して立ち去ろうとする人間をワザワザ引き止めてまで声を掛けて来やがったよ。
まるで、昔の俺みたいな因縁のつけ方だな。
こう言うアホの理屈を目の当たりにすると『性質の悪い人種ってのは、万国共通でどこにでも居るんだな』って思わざるを得ないな。
俺が、こんな事を思うなんて、これは、これで滑稽なもんだがな。
「あぁっと、すみません。今、手持ちがないんですよ。だから、今日の処は勘弁して下さいよ。……それにツレも居るんで」
「はぁ?ざけんなよボブ!!人にブチ当たって置いて、金が無いだと?そんなもん罷り通るかよ」
「けど、無いもんは無いんッスよ」
「じゃあよぉ。オマエの言う、その隣に居るツレとやらにでも、金を借りろよ。それが筋ってもんだろうがよぉ」
「ちょ……コイツは関係ないッスよ」
おっ!!ボブの奴、この緊急事態に、知り合ったばかりの俺を庇うって言うのか?
へぇ~~~、あぁそぅ。
じゃあ、その心意気に免じて、俺が助け舟を出してやろうじゃねぇか。
まぁ序と言っちゃあなんだが、その馬鹿に『世の中の厳しさ』って奴を体に教え込んでやる。
(↑とか言いながら『土産代』を確保しようと画策する俺)
「関係ないだと?だったら、俺も関係ねぇし」
「そんな無茶な……」
「もうそんな御託は良いから、サッサと出すもん出せよボブ。こちとら薬が切れてイライラしてんだからよ。俺、キレっと、なにすっかわかんねぇぞ」
……おっと、俺が口出しする前に、デカイのが、なんか馬鹿みたいな事をホザイテやがるな。
にしてもコイツ、どこまでも滑稽な奴だな。
なにが薬切れだよ。
そんなもん、絶対に有り得ねぇつぅの。
だってよぉ、テメェの目はヤク中独特の目じゃなく、完全に正気を保ってる綺麗な目じゃねぇかよ。
マジのヤク中って奴はな、理由がどうあれ、そんな綺麗な目はしてねぇの。
アイツ等は、もっと燻ってて、濁って、魚が腐った様な目しか出来ねぇ様になっちまってんだよ。
そう言うのを『目の当たりにしかしてない』俺が言うんだから、此処は間違いない。
それを箔を付ける為に『ヤク中』なんて嘘を付くなんざ、なんちゅうハンパもんだ。
オマエ、ダサイにも程が有るぞ。
「オイ、そこのデカイの。オマエの治療費とやらは、俺が払ってやるから、もぉ辞めてやれよ」
「おぉ、なんだなんだ、コイツ?マーヴェルヒーローでも気取ろうって腹積もりか?格好良いねぇチャイニーズは。じゃあ、俺は、オマエの男義を買って、即金1万ドルで負けておいてやるよ。どうだよ、払えんのか?」
「あぁ、良いぜ。たったそれポッチの金でケリが付くんなら安いもんだ。即金で払ってやっから、人気の無い所に行こうぜ」
「オッ、オイ、真琴。そんな金どうすんだよ?それにハッシュは、カレッジでボクシングをやってる手合いなんだぞ。大丈夫なのかよ?」
ボブは、何かが不安になったのか、やけに神妙な顔をして、俺に問いかけてくる。
そんな心配しなくても、大丈夫だっつぅの。
それにな、ルールに縛られたスポーツマンを恐れてる様じゃ、ヤクザの商売はあがったりなんだよ。
俺にとっちゃあ、大学生の悪ガキ程度なんざ良い鴨に過ぎねぇ。
つぅか、こんな鴨鍋チャンスを見逃す手はねぇつぅの。
「まぁまぁ、そう心配すんなって、ボブ。ちゃんと払ってやるからよ。満額でな」
「オイ、オマエ等、なにコソコソ喋ってんだよ」
「なんでもねぇつぅの。サッサと、支払う場所に連れて行けよ」
「オイ、オマエ、まさか逃げる算段をしてたんじゃねぇだろうな?」
「逃げねぇつぅの。そんな事したら、後でボブがやられちまうじゃねぇかよ」
「ハッ!!俺の恐ろしさが良く解ってんじゃねぇかよ、チャイニーズ。なら、話は早ぇ、付いて来いよ」
「へいへ~い」
そう言って俺とボブは、3人の男に囲まれたまま、路地裏に連れて行かれる。
しかしまぁ、面白い展開になってきやがったぜ。
旅や、旅行には、こういったバイオレンスなハプニングは付き物。
やっぱ、俺の人生はこうでなくちゃな(笑)
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【後書き】
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>
倉津君、またなにやらロクデモナイ事を考えてる様ですが。
意外と、こう言う揉め事には強いので、安心して見れる部分はあると思いますです。
なので、何をするか素直に楽しんで頂ければ、ありがたいです。
ってな訳、次回をお楽しみください♪(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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