496 倉津流・海外での道案内の依頼

 山中の依頼を受けたまでは良かったが、その依頼された期日に『大問題』があった!!

それは、その期間が『冬休み』だと言う事。

冬休みと言えば【クリスマス】に【お正月】等のラヴァーズイベントが満載な事だ。


やっちゃったね俺(笑)……じゃねぇわ!!(੭ु ゚Д゚)੭ु⁾⁾


***


 さてさて、そんな失意のドン底の様な凄惨な心境の中。

なんだかんだと言いながらも、やってまいりましたニューヨーク・シティ。

そして、このニューヨークの空港って奴は、世界の中心都市の一環にあるだけあって、この空港内だけでも人が溢れかえって無駄にごった返してやがる。


その証拠にだな。

少し空港内を歩くだけで、人・人・人と肩が無駄に当たったりするもんだから非常に気分の悪く。

心底、大いなるウザイさを感じさせる位、人が多い。


まぁ、つってもだな。

都会暮らししかした事がない俺にとっちゃあ、別段、そんなに気になる程のものでもないのも事実。

どっちかって言うと、ラッシュ時の新宿や横浜っと言った日本の都市部の方が人で溢れ返ってる訳だから、寧ろ『そちらの方がウザイかもしれない』と言う認識に変換する事が出来るからな。


故に文句を垂れてみたものの、冷静になれば、人の多さなんて、どうって事はないって感じだ。

(↑なら、愚痴るなって話だな)



……っでまぁ、此処から更に、崇秀の住むマサチューセッツ州に向って電車かなにかで移動する訳なんだが。

山中の個人的な依頼で訪れてるだけあって、此処には出迎えの人間なんて高級な者が来ている訳では無いので、何所に行けば、そこに向えるのかサッパリ解らん。

それ処か、イマイチ電車の乗り場所すら、わからん酷い状況だ。


少し困ったので、取り敢えずの所、無難に空港内の案内所で話でも聞こうと思い、歩を進めてみた。


だが……何故か、観光客らしき人間が、案内所に押し寄せており。

俺がその場に行く前から、既に対処しきれてない様相を醸し出してる。

恐らく、この原因は『このクリスマスイヴと言う特殊な日に、田舎者共がワンサカ都会に遊びに来てる』

若しくは、冬休みに入って『ガキが都市部に集まって来て、名所巡りの為に案内所が満員御礼にでもなってる』

……っと考えるのが、順当なラインだろう。


この辺のミーハーな感覚は、どうやらアメリカでも、日本でも、あまり変わらない様だ。


THEお登りさん気質(笑)


……っと、勝手に、そんな状況判断した俺は、此処で待っててもしょうがなさそうなので、案内所はパス。

その代わりと言ってはなんだがな。

案内所の近くに居る、如何にも地元っぽい黒人の奴(やや年上っぽい)が、矢鱈と俺の方をチラチラ見てるので、ソイツに電車乗り場の場所を聞く事にした。


―――何故、こんな無謀な事をしたかと言うとだな。


待つのが面倒臭いってのが一番の理由ではあるんだが。

コイツが、日本人を鴨だと思ってる性質の悪いアメリカ人だと言う可能性が高いからだ。


早い話だな。

此処で何らかの困った問題が起こったら、ストレス解消を兼ねて、逆に鴨ってやろうって寸法だな。

(↑他国に来ても、怖いもの知らずな俺)


そんな最低な理由の元、その黒人に話し掛けてみる。



「オイ、よぉ、そこのアンタ。急にで悪ぃんだが。マサチュ-セッツ州に行く電車ってのは、どこから出てるんだ?知ってるなら教えてくれよ」

「あん?なんだオマエ?」


なにが『あん?』だよ。

さっきから、ズッとコチラをチラチラ見てたくせに、実にワザとらしい反応を示しやがるな。

素知らぬフリをするならするで構わねぇから、もぅちょっと気の利いた上手く演技しろってのな。


この大根役者が!!



「見ての通り、道が解らずに困ってるだけの、なんの変哲もねぇ旅行者だよ。んな訳で悪ぃんだけどよぉ。電車乗り場を教えてくれよ」

「なんだコイツ?やけに馴れ馴れしくも、ガラの悪いチャイニーズだな。まぁ良いや、どうしても、教えて欲しきゃチップ寄越しな。それが万国共通の礼儀ってもんだろ」

「金か、結局、金か。……しゃあねぇなぁ。ほらよ。これやるから、シッカリ案内しろよ」


俺が面倒な事を嫌う性質なのは、誰もが先刻承知して貰って居ると思う。

故に相手がゴチャゴチャと値段の釣り上げをする前に、100ドル札を一枚、その黒人男の手に握らせた。


すると男は、金額に驚いたのか。

慌てて、手の中の100ドル札を確認する。


この様子から言って、交渉は成立だ。


多分だがな……



「オッ、オイ、これって、マジかよ?高々、駅まで案内するだけで、こんなにくれるって言うのかよ?アンタ、ファンキー過ぎんぜ」

「あぁ、ケチ臭ぇ話は無駄に交渉を長引かせるだけだから嫌ぇなんだよ。満足したんなら、サッサと案内しろ」

「そうかよ、そうかよ。いやぁ、チャイニーズってのは気前が良いな。……付いて来な。ニューヨーク内なら、何所にでも案内してやるよ」

「そっかよ。んじゃま、手っ取り早く、駅まで頼むわ」


金の偉大な力を持って、気持ち良く、案内を引き受けてくれた。


俺は、手持ちのベースだけを担いで、奴の後を付いて行く。

(↑滞在時の荷物は、先持って崇秀の部屋に送ってあるので、ほぼ手ぶらな俺)


まぁ、そうは言ってもだ。

これだけ気前良く金を出した訳だから、なんか余計なイベントがありそうな雰囲気もなくはないけどな。


アジアの人間ってのは、基本的に鴨にされ易いからな。

もし俺の期待通りの展開が、此処である様だったら、そいつ等ニューヨーカーからカツアゲをして皆への土産代を稼いでやる。


ガラの悪い地域だけに、そんなおかしな事を期待しちまうよな。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【後書き】

最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>


またロクデモナイ事を考えてる様ですが。

相手側から絡んできた場合は、俗に言う正当防衛に成りますので、実は当たり前の事を言ってるだけなんですね。


絡まれた場合は、自身の身を護る事は大事ですしね(笑)


そしてなにより。

こう言った『絡んでくるアホに対する教育』って言うのは、昔から『高い』と相場が決まっているので、身ぐるみを剝いだとしても、誰も文句が言えない訳なのです。


さてさて、そんな中。

謎の黒人青年に道案内を頼んだ倉津君なのですが、彼の期待する様な事は困った事は起こるのか?


それは次回の講釈ですので。

また良かったら遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る