492 もぉ、誰か止めろよ、あの馬鹿を!!

 中学生の身でありながら、トンデモナイ裏技を駆使し、アメリカでフェスを開催していた崇秀。


それを聞いて愕然とする俺だが……奴の狂気は、この程度では終わらない。


もぉ……アイツだけは(;´д`)トホホ


***


「……っで、さっき以上の事って、一体、なにしたんだよアイツ?」

「答えはこれや」


そう言ってまた雑誌を投げてくる。

ただ、今度の雑誌は、先程の音楽関係の雑誌とは打って変わって、女の子が読みそうな『美容やカット関係』の雑誌。


あぁマジかよ……


確かにな。

『まぁ心配すんな。全部のレベルを上げて帰ってくるからよ。楽しみにしとけ』

……っとは言って、アメリカに行きやがったけどよぉ。


どこまで『有言実行』をすりゃ気が済むんだよ(序章21話参照)


頭が狂ってるにも程が有るぞ!!



「あのよぉ。……この雑誌を見る前に、1つだけ、どうしても聞いて置きたい事が有るんだがな」

「なんや?」

「これってよぉ、まさか『カットの話』じゃねぇよな?」

「おぉ、残念賞やけど、見事に正解や」

「そっ、そっか。……因みに、その内容が『コンテスト』とかだとは、流石に言わねぇよな?」

「あぁ、コンテストやな。……そやけど、そのコンテストの前に『ワールド』って付く世界規模のコンテストやけどな」

「そっ、そっか。……でもよぉ。それだけの大規模なコンテストなんだから、幾らなんでもアイツも参加しただけなんだろ?流石に『優勝』とまでは言わねぇよな?うん……って言うか、いい加減言うな」

「はいはい、おめでとうさん。全問正解パーフェクトや。残念ながら、その最も嫌な言葉が正解や……向こうの言葉で言う処の『ウィナー』って言う奴に、あのガキは成りよった訳やな。まぁ言うてもや『デザインカット部門』での優勝やけどな。ははっ……ははっ……」


山中の渇いた笑いが木霊する。



「マジで……馬鹿じゃねぇのかアイツ」

「ハァ~~~、アイツは、既に、ただの馬鹿レベルで留まらんわ。全てが、中学生のやる規模やあれへん。規格外の、どうしようもないアホやわ」

「禿同」


はぁ~~~なんかな。

山中同様、あの馬鹿の話を真面目に聞いてるだけで、なにをするのも嫌になって来たぞ。


故に、今日は、大人しくなにもせずに、奈緒さん家に帰ろ。


そんでな。

せめて、この馬鹿げた出来事を奈緒さんにも教えてあげて、気持ちを共用しよ。


奈緒さん、慰めちくり。



「……でやな。感傷に浸ってる所で悪いんやけど、まだ続きがあんねん」


ヤメテ……俺のヒットポイントは、既に0処か、マイナスに差し掛かってるのよぉ~~~!!


死ぬどころか、ゾンビになって蘇っちまうぞ!!


ブゥードゥーは嫌あぁぁ~~~!!


儚くても良いから、せめて、人として死なせてくれ……

そんで、その遺灰を保存して、奈緒さんが死んだら、彼女の墓にブッかけてくれ。


それで、俺の人生も全て報われて、本望ってもんだからよ。

(↑シドの真似をしようとする俺)



「アット、イケナイ。モウコンナ時間ダ。オ家ニ帰ラナイト(棒読み)」

「まぁまぁ、そう言わんと、序やから、最後まで聞けって。この話は、さっきのオマケみたいな話やから、そないにダメージは無い筈や」

「本当か?またそんな事を言いながら、俺のデリケートな心に、大ダメージが残る様な、スゲェ嫌な話をするんじゃねぇの?」

「心配せんでも、大丈夫や。さっき、オマケや言うたやろが」

「ほんとかぉ?嘘付かねぇ?」

「あぁ、ホンマや。さっきまでの話が10の威力が在るとしたら、今度の話は精々7か8って処や。まだマッシやろ」

「おぉ、マジかよ山中!!やったぜ!!7か8の威力なら、余裕で耐えうる威力だぜ!!全然ヘッチャラだな!!……ってオイ!!んな訳あるかぁ!!」

「なんやオマエ……意外と元気やな」


いや……人それを『ローストビッチ』=『ヤケクソ』と言う。


使える英単語だから、みんな憶えて置く様に!!

(↑大嘘)



「元気じゃねぇつぅの。素からカス元気だ」

「カラ元気の上位か?」

「最上位だ」

「さよか、そんだけカラ元気が残ってたら、まだ大丈夫そうやな。ほな、早速話そか」

「もぉ好きにしてくれ」


結局、聞く羽目になった。


まぁそんなもんだな……



「ほな、早速……いや、まぁ、そうは言うてもやな。さっきも言うた通り、そないに大層な話やないんや。あのアホなぁ。MITで『音の本質』の講義をしよったんや」

「うん?なんだ?あの馬鹿にしては、ヤケに普通の話だな?」

「まぁ、普通の話や言うたかって、講義した場所がMITって言うのが最大の問題やな」

「いや、待て、MITって、確か工科大学だよな?『工業』と『音』って、何の関係があるんだ?なんか講義する事自体が変じゃねぇか?」

「まぁ、その辺に関しては、俺もようわからん。なんぞ小難しい事でもベラベラ喋っとったんちゃうか」

「ふ~~ん。まぁ、けどあれだな。あんまダメージがねぇ話だな」

「アホ……MITで講義したんが中学生のガキやぞ。漫画でもない限り、普通なら100%有り得へん話や。まぁ、さっきの話に比べたらダメージが少ないって言うのは、強ち否めんやろけどな」


あぁそうか……確かMITって言やぁ。

アイツのお気に入りが通ってる、天才や、変人が世界各国から集まる頭のイカレタ大学だったな。


それなら、スゲェ話ってのも頷ける。


けどなぁ、俺自身が、あんま勉強系には興味がねぇから、そこまで大層には聞こえねぇな。


良く解んねぇだけだけど、なんかスゲェんだろうな。


……ってかな。

臨時とかかもしれねぇけど。

MITの講師として講義したんなら、もぉ既にお気に入りの女子抜いてねぇか、あの馬鹿?



「なんか良くわかんねぇけど、スゲェ、スゲェ。大したもんだ」

「まぁ、勉強嫌いのオマエがする反応やったら、えぇとこ、そんなもんやろうな」

「まぁなぁ、あんま深く興味が湧かねぇから、反応し難いのは確かだな」

「さよか。はな、俺も、この話には、あんま興味がないから、この話は終了にして、次の話いこか」

「それが順当じゃね」


結局、山中も話に興味が無いのか、早目にスルーしやがった。


馬鹿二匹じゃ、この偉大であろう価値が全然わかんねぇのな。


まぁしょうがねぇ、しょうがねぇ。


……ってか、そんな事より、まだ続きがあるんか、あのアホンダラァだけは!!


もぉマジで勘弁してくれよ(;´д`)トホホ


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【後書き】

最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>


ミュージシャン兼プロデューサーとして開催したフェス。

美容師としてワールドチャンピオンの座を獲得。

そして更に、MITで講義をする程の研究発表までしてしまう崇秀なんですが……これでも、まだ終わりではない(笑)


奴の底のないブラックホールの様な野心には、まだまだ続きがある。


あの短期間で、一体、これ以上の何をしたのか?

……は、次回の講釈なので。

また良かったら遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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