491 文化祭中、崇秀はアメリカで何をしてたのか?(笑)

 なんだかんだ言いながらでも、山中に悩みの解決の糸口を掴ませて貰った俺。


さてさて、そうなったら次は……ヤダなぁ(;´д`)トホホ


***


「さて、マコ。……俺は、罷り也にも、オマエのしょうもない悩みを解決したったぞ。ほんだら、当然、今度は、俺の用向きに付き合うのが筋ってもんやろ」

「うん?オマエの用事って、なんだよ?なんかあったっけ?」

「う~わっ、コイツ、最悪や。自分の悩みが解消されたら、もぉ全部終わりやと思うとる。マジもんで最低やな、オマエ」

「なにがぁ?」


うん?

なんかあったっけ?


マジで記憶にねぇな。



「オマエのぉ。俺がなんの為に、ワザワザ学校に戻って来たと思うとるねん」

「俺の悩み相談及び、悩みの解消か?なんて素敵な男なんだ、オマエは」

「アホ・カス・ボケ・女誑し・死ね」

「いやいやいやいや、悩みが解決しようってこの時に、なんで死なにゃならんのだ」

「もぉえぇわ、ホンマにもぉえぇわ。なんも考えんでもえぇから、オドレが、今、手ぇ乗せて、クシャクシャにしてくれとる俺が買って来た雑誌見ぃ」


山中の言葉に従って、机に置いている自分の手を見ると。

そこには、さっきまでほぼ新品にだった『外タレの雑誌』が、クシャクシャになってあった。


・・・・・・



「あぁ、そう言う事な」

「はぁ……ホンマ、何から何まで世話の焼けるやっちゃで」


世話の焼ける男ですスマンのぉ。

自分の事を考えてたら、俺は、直ぐに他の事は忘れちまうんじゃよ。

特に野郎が言った言葉なんぞ、必要な事以外は殆ど憶えちゃいねぇのな。


まぁまぁ、これはしょうがない事だから諦めろ。


なんせ俺は単細胞しかないんだからな。



「処でよぉ。結局の所、この雑誌に書かれてる記事で、アイツの危険性を示唆する物ってのは、なんなんだ?」

「論より証拠や……って、言いたいねんけどな。確かオマエって、英会話は出来るけど、読む方はカラッキシやったのぉ」

「まぁ、最近になって必要性を感じたから、多少は読む様にはしてるが……まぁ正直、バリバリ理解出来る訳じゃねぇな」

「ほんだらえぇわ。説明したるさかい、見開きの次のページ開け」

「あぁわかった……ってオイ!!」

「まぁ、それ見たら説明するまでもないわな」


あの馬鹿……マジで、なにを考えて生きてやがるんだ?


『特集・フェスの主催者:仲居間崇秀氏、単独インタビュー6ページ』


……って、なんだそりゃあ?



「オイ……オイオイオイオイ、オイ、山中、なんじゃこりゃあ?」

「なんて事はあらへん。11月。俺等がやった文化祭に合わせて、あのアホが仕掛けてきた挑発や。まぁこれ自体は、その特集やねんけど。……信じられへんやろ」

「いや、信じるとか、信じねぇとかのレベルの話じゃねぇな。フェスの主催って……」

「そう言うこっちゃ。あのアホ、ヤッパリ、徹底抗戦を仕掛けてきやがった訳や」

「けどよぉ。フェス1個開くのに、一体、幾らぐらい掛かってるんだよ?そこまでアイツも金は無いだろに」

「それがあのアホは、なんや知らんけど上手い事やっとんねん」

「どう言うこったよ?」


はいはい。

此処からは、恒例の規格外の話が飛び出してきますよぉ。


みんな、耳を塞ごうね。


もぉこの時点で聞きたくねぇ~~~!!



「なんでもなぁ。『福音〇派』って言うカトリック系の宗教団体がアメリカにあんねんけどな。そこが今回のフェスの資金を全部負担しとんねん」

「なんだよ、その『福音〇派』って宗教団体?崇秀のアホに出資するぐらい、そんなに金が有り余ってる団体なのか?」

「まぁなぁ。アメリカ人の1/3が、その宗教に入っとんねんから、そら、相当な財産も、権力も持ってるわな」

「なんじゃ、そりゃあ?アメリカの人口を考えたら、そこの信者の数はスゲェ人数だぞ。なんで、そんなデカイ宗教が、崇秀に金を出したんだ?」

「いや、なんでも、その記事に因るとやな。アイツ、そこの宗教に入信しとるらしいぞ」

「はぁ?あの神をも恐れぬ、傍若無人な魔王が宗教だと?なんかシックリこねぇ話だな」

「いや、そうでもないぞ。これ自体は、あの完全合理主義者が考えそうなこっちゃで」

「なんでだよ?」


悪魔が神を礼拝するなんぞ、悪いジョークにも程がある。

極東ハリウッドの三流ホラー映画監督でもオファーを断って、映画を撮らなさそうな内容だぞ。


勿論、日本の漫画にしても売れないだろうしな。


いや、待てよ……悪魔をスゲェ美形にすれば『少女マンガ』なら売れるかもな。


『腐女子専用』ッポイがな。

……ってか、今、関係ないから、どうでも良いな。



「まぁまぁ、物は考え様やでマコ。アメリカで信徒が1/3も居ればやな。色んな方面から観客及び、向こうの有名人も呼べる=『神を信じる・信じてない』は別にしても。あのアホが、それを利用せぇへんとは限らんのとちゃうか?」

「そう言われてみれば、そうだな。アイツは、そう言う処は、やたら敏感に反応しやがるよな。……けどよぉ、なんでアイツが、そんな簡単に、その『福音〇派』って宗教を利用出来るんだよ?」

「簡単な話や。言うなれば、多額の献金をしたんやろ。その上で、その宗教にメリットのある話を持って行く。……アイツが、最も得意とする手口を使たんとちゃうか」

「なるほど、得心の行く話だな」

「その上でや……」

「まだ有るのかよ」

「当たり前や。その程度の事で、こんだけデカイプロジェクトは打ち出されへんからな」

「……っで、なにをしたと推測されるんだ?」

「これは推測やなくて、その雑誌に書いとったから、確信やねんけどな。あのアホなぁ、ミュージシャンの出演依頼をする際に、そのミュージシャンに合わせた自分の楽曲を、各々に手渡しで配りに行きよったんや。……その数32組64曲や」


はい?



「バッ、馬鹿じゃねぇの?曲数も馬鹿げた数値だが、そんなもん貰っても、今が旬のミュージシャン達が喜ぶ訳ねぇだろに」


なに考えとんじゃアイツは?


今が旬のミュージシャン達に、自分の楽曲を渡すなんて愚考。

あの馬鹿だけは、ドンだけ上から目線で、人を見下して生きてるんだよ?



「なんや。その様子やと、オマエ、知らんみたいやな」

「えっ?……なっ、なにがだよ?それになんだよ、その不安しか過ぎらせない言葉は……」

「あのなぁマコ。今の秀はな。アメリカに住んでるミュージシャンの中じゃ、その動向が一番注目されとるギタリストやで。そんな奴に楽曲貰ったら喜ぶに決まっとるやろ」

「はぁ?なんでぇ?」

「わからんか?……よぉ考えてもみぃ。アイツと言う人間のスペックを」

「ただの馬鹿?」

「心配せんでも、ただの馬鹿はオマエじゃ」


酷ぇ……



「あんなぁ、マコ。まずにして、あんな奇妙奇天烈な音を出せるギタリストなんぞ、世界中を探しても、そないには居らんやろ。それに加えてあのアホは、楽曲提供を、日本に居る時から各国に向けてやっとる。その上、アイツは、この春から世界各国に『GUILD』を作っとる。……こんなもん、誰かって欲しい人材やろ」


・・・・・・


あのよぉ。

あの『時の魔術師』は、いつの間に、そんな大それた真似をしてやがったんだ?


日本に居る時でさえ、そんな過密なスケジュールをこなしてたって言うのか?


理解不能過ぎんぞ……



「……アホ過ぎる。アホの極みだ」

「まぁ、そこに関しては同意や。アイツの『退屈出来無い』って一生治らん悪性の病は、究極に末期症状やからな」

「それにしたって。よくもまぁ、そんだけの事で、フェスの出演を決めたもんだな。作曲を提供されても、結局、印税が入るのは崇秀自身なんだろ。なんか、そこが納得出来ねぇよな」

「いや、この件に関しては、アイツに一切印税は入らへんで」

「なんでぇ?」

「そこがアイツの上手いところや。その曲に対して入ってくるの印税を、曲を渡したミュージシャン達の出演依頼料にしよったんや」


あの馬鹿だけは……



「がっ!!なんて野郎だ。自分の才能をフルに使って、有名人をタダ働きさせたってのかよ」

「そう言うこっちゃな。天才って生き物は、基本的に俺等みたいな凡人とは思考が違うから、なに考えよるか、全く理解不能や。予想もせぇへん様な事を、平気で考えよるからな」


全くだ。

アイツの脳味噌はサッサと塩漬けにされて、教会の地下室にでも封印すべきだな。


放って置いたら、今後も、なにを仕出かすか解ったもんじゃないからな。


けどなぁ。

言葉では、そうは簡単に言えてもだな。

アイツは、地獄界でも最高位の魔王だから、悪魔祓いして貰うにも、バチカン最高位のエクソシストが数人必要そうだな。


けど、此処に頼むしかねぇよな。

若しくは、人に迷惑を掛けない為にも、サッサと現世に飽きて、自ら地獄に帰ってくんねぇかな?


もぉマジで心から願うわ……



「はぁ……しかしまぁ、あいつのせいで、みんなで必死にやった文化祭が霞みきって、那由多の彼方に飛んで行っちまった感じになっちまったな。あぁ虚し……」

「あのな、マコ。……この話、まだ終わりちゃうねん。まだ続きがあるんや」


なんだと……こんな大それた事ですらも、アイツにとっては序章だと。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【後書き】

最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>


相変わらず、崇秀はぶっ飛んだ馬鹿ですね。

まさか、倉津君達が必死に文化祭をこなしてる間に、フェスをかましていたとは、誰も思わなかったでしょう(笑)


そして、それだけに留まらず、奴は、まだこれ以外にも仕掛けてきます。


さてさて、それが何なのかは、次回の講釈。

また良かったら遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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