489 悩みの解決方法は『魅了の魔法』
カジの腑抜けた具合や。
その二次被害とも言えるステラを満足させてあげれない問題に終止符を打つ方法は……意外な事に『千尋』に、ある事を頼めば万事OKって言う山中。
さて、その全容は!!
……っで、なんなん?(。´・ω・)?
***
「ほな、話しすんで」
「あっ、あぁ……」
「なんや、その覇気の無い返事は?なんでもえぇけど、ちゃんと聞いとけよ」
「あぁ、まぁ」
「あぁもぉえぇわ、オマエに構ってたら時間が勿体無いからチャキチャキ話すわ」
あっ、あれ?
此処で折角『覇気無し』って言う高等なボケをかましたのに、そこはツッコんでくれねぇのな。
まぁえぇわ。
こんな所でウダウダ言っててもしょうがねぇから、サッサと話し聞こ。
……ってな訳で、山中に視線を向ける。
「えぇかマコ?カッしゃんにはな。オマエが考えてる様な説教なんて小難しいもんをして貰う必要性は微塵も無いんや。かっしゃんに、ある事だけをして貰ったら、それだけでカジの件は万事上手く行く筈やからな」
「ふ~ん。オマエが、千尋の馬鹿に、なにをさせる気かまでは知らねぇけど。そんな簡単に『人間関係』が上手く行くなんて、なんか魔法みてぇな話だな」
「そやな。これは、ある意味、魔法や言うても過言やない。カッしゃんがある言葉を発するだけで、相手を意とも容易く操る事が出来る『魅了の魔法』やからな」
「『魅了の魔法』?……千尋が?……」
「あぁ、そうや」
「オイオイオイオイ山中さんよぉ、言っちゃなんだが、千尋のどこを探したら、そんな高級な機能が付いてるんだよ?アイツは、世界で10本の指に入る屈指の『魅力の無い哀しい電波女』だぞ。無謀にも程があるぞ」
「まぁ確かにカッしゃんの『魅力』は、解る人間には解るであろう限定的なもんやからなぁ。この技に関しては、万人に効果が有る訳やない。けど、それでもカッしゃんは、えぇ女の部類やで」
一応、話は聞いているんだが、コイツ……頭大丈夫か?
説教って言う選択肢ならまだしも、千尋に『チャームの魔法を使え』って言うなんざ、ただの無謀の極致でしかないだろ。
つぅか、あの電波女が、どうやって人を魅了すんだ?
ひょっとして、毒電波を発生させた上に巻き散らかすつもりか?
仮にそんな事をしたら、カジだけに留まらず、この地域に大被害が齎すだけだぞ。
「んで結局、その魔法とやらは、どうすんだよ?」
「簡単な事やがな。カジにやな。カッしゃんに『条件付きでキス』させたったらえぇねん」
「はぁ?」
「いや、だからやなぁ。カジに『条件付きで、カッしゃんにキス出来る権利』を与えたらえぇねん。それだけで終わりや」
「ちょっと待て……なんで、そんな展開になるんだよ?」
「ホンマにアホやなオマエは。此処まで言うてもまだわからんか?普通わかるやろ」
イカンよ山中君。
そう言う女衒的な発想は良く無いぞ。
理由はだな。
「あのなぁ。確かに、オマエの言う通り、カジが千尋に気が有る以上、有効な手立てでは有るが……流石に、それはイカンだろ」
「なんでやねんな?」
「あのなぁ、クソ淫獣。千尋だって、あれでも一応は女なんだぞ。なのに、そんな軽々しくキスさせるなんて言ってやるなよ。幾らなんでも可哀想だろが」
「おっ!!乙女かオマエは!!」
「なんでだよ?女の子にとっちゃあ、キスは大事な事なんだぞ。そんな事の為に、易々とさせて良いもんじゃねぇだろ」
「えぇっとやな。……オマエ、真性の童貞やったっけ?」
「なんでそうなんだよ!!俺にとっちゃあ、神に等しい奈緒さんって彼女が居るのに、童貞な訳ねぇだろ」
「神さんに手ぇを出して、どうすんねん」
ぐっ!!例え話もわからんのか?
カスめ!!
「例え話だよ。……つぅか、千尋が可哀想だから、そんな真似はさせられねぇよ」
「オマエなぁ、さっきから聞いてたら『可哀想、可哀想』言うけどなぁ。ホンマにそうか?カッしゃん、気付かん内に、カジの事、ちょっとづつでも好きになって来てるんちゃうか?」
「仮にそうだとしてもよぉ。そんな成り行きでキスはダメだろ」
「だから、最初から『条件付き』や言うとるやろ。オドレは、なに聞いとんねん」
「『条件付き』だろうがなんだろうが。千尋がキスをするのには、なんも変わんねぇんだろ。だったら、そんな事は、俺が許さねぇぞ」
「面倒臭いピュア・ボーイが。……奈緒ちゃんとは散々Hしとるくせに、どの口がほざきよるねん」
「それは『愛』だからOK。オマエのは、欲望塗れだからダメェ~~~!!」
「もぉオマエ、マジで死んでくれ。魂ごと、忘却の彼方へ吹き飛んでくれへんか?」
ちょ……なんで、そこまで言われにゃイカンのだ!!
それにオマエ、千尋の事が、そんなに嫌いなのか?
アイツは、あれで居て、結構、親切だし良い奴なんだぞ。
それを、バンドの為に犠牲にしちゃイカンだろに!!
モラル、モラル!!
ヤクザモドキの俺が言うのもなんだが、人間モラルは大事だぞ、淫獣。
あっ……それとも陰獣だからこそ、こう言う下劣な発想なんかな?
「まぁなんにしても、そんな馬鹿げた計画はダメだ。千尋のキスは、そんなに安っぽいもんじゃねぇ」
「父親かオマエは。……まぁえぇは『やる』『やらん』は、別にして。話だけでも最後まで聞け」
そう言って山中は、俺を睨んできた。
んで、そこで俺はある事に気付いたんだがな。
なんで俺等は喧嘩してんだ?
まぁえぇか、取り敢えずは山中の話の続きを聞こ。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【後書き】
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>
不良の癖に、妙にピュアボーイ(笑)な倉津君は、千尋ちゃんを使った方法を拒絶している様ですが。
皆さんは、この作戦をどう感じましたか?
まぁ様々な捉え方はあるとは思いますが。
山中君の言ったこの方法は、意外と理に適った方法なので。
良かったら、それを確認する為に、次回も遊びに来て下さいねぇ~~~♪
(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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