488 話は聞こうじゃないか……だが、その前に

 崇秀の成功話も、素直達の話も、ガジグチとの話よりも、実は俺が一番気にしていたのは『自身の成功を投げ打ってまで加入してくれたステラ』の件なんだよなぁ。


意外と、ちゃんと考えてるだぞ、俺も( ˘•ω•˘ )


***


「なんやそれ、オマエらしゅうもない話やのぉ。そんなもん問答無用でカジグチをシバいてまえば仕舞やんけ」

「普通ならそう思うだろ。けど、そこがまた微妙な所なんだよな」

「なんでやねん?オマエ、男に容赦する程、優しい男やったか?」

「なっ、訳ねぇだろ。俺は『イケメン撲滅委員会の会長』を名乗る男だぞ。そんな俺が、イケメンを殴るのに、なんの躊躇があるつぅんだよ」

「ほんだら、早々にボッコボコにシバイて粛清したらえぇやんけな」

「処が、そうもイカネェの」

「だから、なんでやねんな?」

「あの忌まわしい糞文化祭のせいでな。以前にも増して、奴等のファンが学校内に増加しちまいやがったから、下手に手を出せねぇんだよ」

「あぁ、そう言う事か。……そやけどオマエ、それは、あまりにもアホ過ぎんぞ」

「はぁ?なんでだよ?」


やった!!やったぞ!!

この口振りからして、この矢鱈と面倒臭い問題の解決の糸口が、山中から齎される様な雰囲気だ。


頼むぞ親友!!今の俺には、オマエだけが頼りだ相棒!!

(↑基本的に調子の良い俺)



「女が付いてドツカレへんねんやったら。女で、アイツの心をブチ壊したったらえぇやんけな。その方が、ドツカレるより、よっぽど堪える筈やぞ」


あれ?なんか期待外れな解答が返ってきたぞ。



「はぁ?女を使うって言ってもよぉ。アイツ等のファンじゃ、なんの効果もねぇだろ。そんなんじゃあ、度台無理なんじゃね?」

「アホか?そんなアイツ等に没頭しとる女共を使おうなんて、端っから思てへんわ。寧ろ、眼中にもない。……カジに使うんは、カッしゃんや。この場面やったら、それ以外ないやろ」

「なぬ?」


千尋の馬鹿を使うって……

オイオイ、まさかとは思うが、あの千尋にカジを説教させるつもりじゃねぇだろうな。


あの電波障害を一身に受けたミス大地の巫女に、カジを説教させてもだな。

カジが電波障害を起こして、今より、余計酷い状態になるだけなんじゃねぇかよ。


電波女じゃ無理じゃね?



「なにが『なぬ?』じゃ。カッしゃん使うたら、全てが簡単に解決するやんけ」

「オイオイ、山中。その言い分じゃあ、あの電波女に説教でもさせようって言うのか?んな事しても、余計にカジの頭がおかしくなるだけで、なんの効果もねぇんじゃね?」

「あのなぁ……オマエって、ホンマ生粋のアホやねんな。此処までアホとは思わんかったわ。まさに底無し的なアホなんやな」

「誰が生粋で底無しのアホじゃ!!最近は、オマエなんかより、テストでズッと良い点数取ってんだぞ。だから、全然アホじゃねぇし」

「あぁ~あっ、これやからアホは困るわ。……しゃあない、俺の取って置きの作戦を教えたるさかい。ちょっと黙って聞いとけ」


オイコラ、陰獣……テストの点数の件はどうした?


そこは言い返さなくて良いのか?

なんなら、今度の期末テストで勝負してやっても良いぞ。


オマエ……なに誤魔化してるんだよ?



「まぁ、少しだけ待ちたまえよ、山中君。君の意見は聞いてやっても良いが、その前に、僕に、なんか言う事があるんじゃないのかい?」

「なんもないわ。俺がオマエに、今更なにを言う事があんねん?アホちゃうか?」

「いやいやいやいや、僕はアホじゃないだろ、山中君。本来アホっと言う称号が与えられるのは、山中君、君だけなんじゃないのかね?」

「あぁ?なにをゴチャゴチャ言うとるんかと思たら、なんやテストの話か。……オマエ、ほんまアホやな」

「なんでだよ?テストで良い点数取りゃ、最低でもアホじゃねぇだろ」

「やかましいわ、一般人。俺はなぁ、もぉ自立しとんねん。今更、学校の勉強なんか関係あるかぁ」

「がっ!!」


そっ……そんなもん誤魔化しだ!!

世の中じゃ、テストが出来る奴の方が賢いって認識がある以上、オマエの方が、俺より馬鹿に決まってる。


……でも社会的には、もう既に俺の負け~~~~!!


キィィィィ~~~!!家でコソコソ勉強してる意味ねぇ!!



「もぉえぇかドアホ?」

「ちっ……馬ぁ~鹿ッ!!……」

「子供かオドレは!!しょうもない事を言うとらんで、大人しい、話、聞いとけボケ!!」

「はいは~~い、わかりました、山中先生!!」

「腹立つわぁ。一回、本気でしばいたろかな、コイツ……」


暴力馬鹿め!!

理屈が尽きたからって、暴力で解決しようなんて、なんて浅ましい男だ。


そう言うのはな、俺の中じゃ半年前に終わってんだよ。


進歩の無い奴め。


暴力じゃなく、理屈や、頭脳戦で掛かって来いや!!



「……っで、先生。なに教えてくれるんッスかね?」

「オマエに言う話は無い。勝手に悩んで死ね」


ぐぉ!!言葉遊びも理解出来無いのかコイツは?


ったくよぉ……



「うん……俺が全部悪かった。2度と逆らいません。教えてくれプリーズ・プリーズ」


言ってる尻から、高等な頭脳戦で完敗を喫した……


俺って、本当に馬鹿なんだな。


みんな知ってるけど……



「アホが、最初から、素直にそう言うたらえぇねん。このドアホ」

「いや、最初から『素直』に言うのは、オマエの告白だろ。俺が『素直』に言ってどうすんだよ?話が拗れるだけだろうに」

「オマエなぁ。ホンマ、しまいには、ひっぱたくぞ」


ぐぉ!!『素直』って言葉を使って、言葉遊びしただけじゃんかよ。


……ったくよぉ。

オマエさんは、ほんに遊び心の乏しい男じゃのぉ。



「すいませんでした。もぅ2度と口にしません」

「ほんまオマエだけは、要らん知恵ばっかり付ける男やのぉ。そんな事する暇あんねんやったらなぁ。ちょっとは、バンドを上手く行かす方法でも考えや。このドアホが」

「……っで、結局なんなんだよ?」

「うわっ!!『素』や……最悪やコイツ。3段オチが、ボケとツッコミの基本やろうに」

「なんでやねん!!」

「おっしゃ、ようやった。オチも付いた事やし。ほな、本題に戻ろか」


それで良いんだ……


けど、本当にそれで良いのか?

関西人の考える『お笑いの道』は、関東人とは、相違点が多いから難しいのぉ。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【後書き】

最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>


……ってか。

本筋をそっちのけにして、この馬鹿2人は何をやってるんでしょうね(笑)


まぁ言うて、こうやって話が逸れるのは良くある話。

なので次回こそは、ちゃんと倉津君の悩みを解決する方向で行きたいと思います。


ってな訳で。

また良かったら遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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