487 今の俺を本気で悩ます物

 少々ナイーブな状態の俺の元にやってきた山中。

そして、それと同時に齎される『崇秀の成功を見せ付けられであろう嫌な情報』


どうして、これを見る心境に成れない俺は、ゴチャゴチャ文句を言いながら……


やだぁ~!!今はそんな、絶対に情報知りたくねぇ~(;゚Д゚)و


***


「もぉ、えぇちゅうねん。ゴチャゴチャ御託を並べてやんと、さっさと、はよ次のページ見ぃつぅねん」

「えぇ~~~、だってよぉ。この展開って、毎度毎度の嫌な展開じゃんかよぉ」

「アホか!!今更、なにを当たり前の事をぬかしとんねん!!アイツが係わってて、平穏無事に終わる話なんぞあるかい。そんなもん、アイツ自体を全否定してんのと同じやろうが」

「いや、言いたい事は解んだけどよぉ。今の俺じゃ、精神的に耐えれる自信がねぇぞ」


っとか言いながら。

俺はドサクサ紛れに、山中に渡された『外タレの音楽雑誌』を机の上に置いて閉じた。


それ程、マジで見たくない心境なんだよな。


友達なんだから、その辺を、ちょっとはわかってくれよな。



「やかましいわボケ!!ゴチャゴチャ言うとらんで、はよ、見ぃちゅぅねん!!つぅか、オマエ、なにドサクサ紛れに本閉じとんねん。しばくぞ!!」


はい!!ダメでしたぁ!!


つぅかな。

本当の本当に、親友の気持ちを、少しは汲み取ってくれても良いんじゃねぇの?


それぐらいしても、俺はバチ当たんないと思うよ。



「鬼か……」

「鬼なぁ。……俺は、別に鬼でも、悪魔でも構へんけどもや。現実から目を背けるのは無しや。そこのペ-ジに出とるアホは、鬼や悪魔どころの騒ぎやないんやからな」

「だ~か~ら~~~、それが、余計に嫌だつってんだよ。あの馬鹿が、なにを仕出かしたかまでは知んねぇけどな。俺は、今、非常にナイーブな状態なんだよ。故に、精神状態に悪いものは、絶対的に避けて通りたいんだ」

「アホ臭ッ!!そんなもん、ただの女々しいだけの言い訳やないか。真正面見ぃちゅ~ねん」


はいは~い、人生に余裕の有る奴は良いですね。

人気が有るバンドに在籍してる人は良いですね。

そうやって順風満帆な人生を歩んでる人は良いですよね。


あっしは、山中の旦那と違ってゲスなぁ。

自分のバンドもロクすっぽ動かせない様なボンクラでごぜぇやすから、奴の記事なんぞを読む気にはなれないんでヤスよ。



「はぁ……そりゃあ、オマエは良いよ。罷り也にも、芸能界で成功してんだからよ。けど、オマエに比べて、俺は、どうだよ?バンドは、ちっとも上手く行かないし。自分がプロデュースしたユニットには置いて行かれるし。そんな心持だから、今は、崇秀の記事を読む心境にはならねぇんだよ」

「しょうもな。そんなもん拗ねとるだけやんないけ。オマエ、はよ死んだらえぇのにな」

「俺は、既に死んでいる」


此処に来て『キリッ』とした顔で北斗の拳。


ダメですか?

これじゃあ、誤魔化しきれてませんかね?



「プッ!!メッチャおもんな!!要も、そんなおもんない事、平然と言えたもんやな。アホちゃうか?」

「やかまわしいわ!!アホで結構、コケコッコーだつぅの」

「『コケこっこー』って、なんやねん?それは、マジでおもんないぞ」


そっかよ。



「つぅかな。それ以前に、そんな馬鹿記事に構ってる気分じゃねぇんだよ。もっと凹んでる事が、俺には有るんだよ」

「なんやねん、それ?」

「ステラの件だよ」

「はぁ?なんでステラの件で、オマエが悩んどるねん?」


わからんか?

こんな至極当たり前の事がわからんか?


なら……死ねカス!!

いつもみたいに、俺の心理を、ちょっとは感じろつぅの!!


朴念仁の広田かオマエは!!



「いやよぉ。これも、俺が不甲斐無いせいなのには、なにも変わらねぇんだけどな。アイツさぁ、自分の成功を捨ててまで、俺のバンドに入っただろ。そんで、この体たらく状態が続いてるから、申し訳がたたねぇんだよな」

「ほんだら、どないかしたらえぇやないか」

「まぁ、そう思ってるからこそ、ステラと2人で、他のバンドのヘルプとかをしてライブハウスを駆けずり廻ってんだがな。ヤッパ、その程度じゃアイツを満足させてやれねぇ訳だ。なんとも困った状況なんだよ」

「なぁんや、そんなツマラン事やったら、サッサとメンバーチェンジしたらえぇだけの事やんけな」

「いや、それがな。ステラの奴が『絶対このメンバーじゃなきゃダメだ』って言い張ってるんだよな。けど、それに反してカジ&グチの馬鹿コンビは、あの調子のまま。……こんなもん、俺に、どうしろってんだ?つぅ話だ。俺みたいな馬鹿には無理難題なんだよな」


……って、言ってしまえば、そう言う訳なんでゲスよ。


カジや、グチが呆けてるのは勿論。

素直達ユニットの件も然りなんだが、俺が一番悩んでるのは、実はステラの件なんだよな。

アイツって頭が固くて、大概頑固な女だから、なにを言っても、カジ&グチを見捨てる事を絶対に良しとしないんだよな。


それ処か『仲間を見捨て様としている』この俺の行為に対して、此処数日、アイツとの口論が絶えない毎日。


それを間近で見ていても、カジの色ボケは治らない。

正直、グチはまだ良いとしても、カジにはうんざりしてるんだよ。


なので今は、アホンダラァの崇秀の事なんかよりも、俺自身としては『なんか良い解決方法をくれ』って感じなんだよな。


わかりるか、山中よぉ?


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【後書き】

最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>

どうやら、倉津君の最大の悩みは『ステラさんの件』の様ですね。


まぁ確かに、自身の成功を捨ててまで、倉津君とバンドを組む事を選んでくれたステラさんの心意気を考えれば、倉津君が悩む気持ちも解らなくもないですね。


さてさて、そんな中。

倉津君の悩みに対して、山中君が良い助言をしてくれるのか?……は次回の講釈(笑)

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る